[ 信大物理同窓会報0006号 ]
2003年10月17日配信

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          ┃信┃┃州┃┃大┃┃学┃┃物┃┃理┃┃同┃┃窓┃┃会┃┃報┃    
    ┌─┐┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛
┌─┘○└─┐     
│田田田田田|──┐■━━■編集・発行/信大物理同窓会事務局■━━■
│田田田田田|田田|    (http://www.insatell.co.jp/physics/) 
│田田田田田|田田|〒390-8621松本市旭3-1-1 信州大学理学部物理教室内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「旧文理学部物理学科」+「理学部物理科学科」のOB&学生と教官の会■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
 ○-- 来年、松本開催の「第7回物理会総会」の準備が動き出して --○ 
 ○-- います。会場は学内の旭町会館にほぼ決定しました。日時ほ  --○ 
 ○-- か詳細については、次回の当メルマガ会報てお伝えできるは  --○ 
 ○-- ずです。なお今号は、いま注目を集めている信大での産学連  --○ 
 ○-- 係の研究成果などについての記事をご紹介いたします。   --○ 
                            
=======【 I ・ N ・ D ・ E ・ X 】==========
◇ ものの見方・考え方・・・・・・・・・・・・・・・・根建恭典(文理9)
◇ 信州大学自然誌科学館「自然のふしぎ」報告・・・・・武田三男(理4S)
◇ 信州大学理学部同窓会のお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・事務局
◇ 「第7回物理会総会」について・・・・・・・・・・・・・・・・幹事会
◇ 7月開催の、松本・信大キャンパス内での幹事会の報告・白川栄治(23S) 
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◇ ┃信┃州┃大┃学┃T┃L┃O┃関┃連┃の┃記┃事┃4┃題
   ―――――――――――――――――――――――――
     1.ナノテク開発拠点に 長野の産学官連携施設の構想
     2.カーボンナノ新用途研究 遠藤教授と昭電が新会社
     3.レーザー装置新技術「ナノテク」でコスト大幅削減
     4.野生キノコ「クロカワ」 免疫強化に効く成分
   ―――――――――――――――――――――――――
◇ 当会の“研究室幹事”についての提案・・・・・・・・石田悟己(理19S) 
◇ <再録>「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!

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  ■ ものの見方・考え方 ■
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                      副会長 根建恭典(文理9)
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 つい先日還暦を通過したばかりと思っていたが、今度は古希を迎えることと
なり、人生の短さを痛感しております。これは、私の人生が充実したいたか、
楽しく過ごしたかの何れかであろう。

 過去を振り返つて見ると、仕事をしている時も、今日のようにのんびり趣味
に生きている時も一つのことだけをするのが時間の無駄のように思い、常に二
・三の事柄を同時に平行してやっていないと満足できない癖がある。こんな
意味では、自分の時間軸を最大限有効に使って、生きてきたと思っている。

「人間」の社会に存在している一人が、このように自己中心に生き得たことは、
私によって犠牲になった人が居たからこそ出来た私の人生だったのだろうと思
うとき、申し訳のないことをしたものだと反省をしている。

 わたしのこのような思考が始まったのは、何時の時代か判然としないが、多
分、アメリカのプラグマティズムを生かじりしたころではなかろうかと思って
いる。実存的合理主義と称して、一切の無駄を排除して生きる時代もあった。

 (・>    年と共に人間には、余裕と余暇が必要であると考えるようにって、
 /彡))   少しは人間らしくなったと考えている。しかし、今でも時間軸に対
/ /    しての考え方には変わっていない。
/"?k_ 
        考えてみると無駄なくTime shareを決めたことにより、私は、他
人より三倍の人生を生きたように思うことがある。そうすると今では、三倍の
古希になったと考えて良いのではなかろうか?  仮に現在は210歳と考える
と長生きしたものだと感謝せねばならないだろう。

 学校を卒業して、会社に勤務し、物理出身のため研究職場に10年間勤めた。
しかし、中小企業では、生涯を通して研究職だけには置いてくれない。その後
は、次から次へと短期間で職場はかわり、45歳にして、全ての職場と全ての
階級を回った。これは恵まれた環境であったと思われるが、良いことばかりで
はなく、役職が上がると共に苦難な事が増大していく連続であった。

 最後には、関連会社のトップとなったが、その折には、本社が倒産し、7社
あった関連会社の中で、私の担当していた会社だけは、必死に守り通し、生き
残したことであった。この記憶は、鮮明に残っている。多くの協力者のお陰で
再建できたが、この時の苦労は、大変なことであった。

 瞬時、瞬時に的確な処置をしなければならなかった。時間と人間との戦いで
あった。同時に、やるべき手順を一つも間違えては、いけないことであった。
今考えてみてもどうして出来たのだろうと思う。

 さて、多くの人が、私の書斎を見て貴方は何を勉強されたのですかと言うほ
ど種々雑多な書籍が並んでいる。私は常にOn the job training と思い、その
時、その時に直面した問題を解決する為に勉強をした。しかし、書物からの勉
強で解決できることは、簡単なことであり、書籍にはない問題を解決せねばな
らないことの連続であった。ある時は、瞬時の判断を正確に出来なくて、失敗
することもあり、トレーニングする為にマージャンをやって、勝負感を磨いた
こともあった。

 私は、座右の銘として「着目は大局を 着手は小局を」を肝に銘じている。
これは、昭和30年代に将棋の大山名人と並び称された升田棋聖が居られま
した。その升田棋聖が色紙に書かれた現物を会社に入社したばかりの或る日、
社長室で拝見し大きな感動を得たことでした。これ以後、全ての行動指針は、
「着目は大局を 着手は小局を」が原点として考えるようになった。
今まで記したあらゆる困難に遭遇した時には、何時も胸に呼び戻し呪文のご
とく声を出して言って解決して来ました。

「着目は大局を」は、ものごとを始めるにあたり、どんなに忙しくしていても
全体を見ることでした。また同じ次元では対局は見ることは出来ないので、私
は常にn+1 次元の世界から見て、大局観を持って判断し、問題に対処したこと
が良かったのだと思っている。そして、幾多の困難に遭遇するたびに解決の路
を探りあてた。

 幾つかの解決策を考えながら実行するには、同時に処置する事は沢山ある中
で、実行するのは、最善の一点だけである。そして次の一点も最善策を実行し
なければならない。将棋の「着手は小局を」は一手しか指せない。次は次善の
一手、次の一手と間違いなく手順を構築することは、将棋のみではなく、我々
の世界にも共通するものとして、私は、「着目は大局を 着手は小局を」を座
右の銘として今日まで生きてきた。

 我々が研究する時も、業務を処理する時も同じであり、    o 。
「着目は大局を 着手は小局を」は、簡明にして、すばら     .;;;. _
しい指針だった。同時に今日に至るまで、私の人生が充実    [|   | )(
して、楽しいものにさせてくれたこの言葉との出会いに     |  | ( )
感謝している。                        `---'  ̄

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  ■信州大学自然誌科学館「自然のふしぎ」報告■
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信州大学自然誌科学館「自然のふしぎ」実行委員会委員長 武田三男(理4S)  
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 ご協力いただきました信州大学自然誌科学館「自然のふしぎ」は、お陰さま
で、去る7月26日〜27日の土日2日間にわたり理学部のC館と講義棟を中心に
開催し、参加者総数2400名を数え無事終了致しました。これも一重に、ご
協力いただきました皆様方のお陰と感謝しております。

γ ⌒ ヽ     体験型公開授業である信州大学自然誌科学館は、一昨年の
/ ノノハ    「自然のおどろき」から始まり、昨年の「自然のなぞ」そし
c ´ `(/   て今年の「自然のふしぎ」で3回目となりました。出展ブー
人  ▽ノ/     スとパネルの数も年々増え、今回は、ブース数:41、パネル
        数:18となりました。

 今回は本理学部関係者ばかりでなく、附属松本中学校(2ブース)、SSHの諏
訪清陵高校(2ブース)、同じくSSHの屋代高校(1ブース)、さらに地元の松
本深志高校(2ブース、1パネル)、美須々ケ丘高校(共同で1ブース)に参加
していただきました。山地水環境研究センターから1ブースの出展がありまし
た。加えて、学生・大学院生の自主的な出展(3ブース、1パネル)が新しく増
え、それ以外の団体・企業から2ブースの参加がありました。今回、参加人数
が予想外に増えた原因としては、天候に恵まれたこともありましたが、中学・
高校からの展示参加があったことが大きかったと考えられます。

 遠くは首都圏や県内でも大町市や川上村からの参加者もありました。当日に
実施致しましたアンケートから、来年以降の開催を望む地元の父兄の声が多く
ありました。この事業が着実に大学の内外に定着しつつあることが窺えます。

 また今回新たな試みとして、小中学生から高校生、一般社会人の全てを対象
として自然科学に対する疑問に答えるための「自然のふしぎなんでも相談室」
を開きました。この相談室は本事業開催期間終了後も引き続き公式ホームペー
ジからアクセスすることができるようにしてあります。各家庭や学校から直接
アクセスしていただき、自然に対する疑問質問にやさしく答えようというもの
です。

 今回の出展ブ−ス及びパネルの簡単な内容と当日の会場の様子は以下のホー
ムページに記載されています。
(http://ripws.shinshu-u.ac.jp/fusigi/)

 また、「自然のふしぎなんでも相談室」のアドレスは以下のとおりです。こ
ちらもご覧下さい。
(http://ripws.shinshu-u.ac.jp/cgi-bin/fusigi/light.cgi)

 本事業は、理科離れの対策の一貫として、4年前(2000年)に企画実施され
た、科学技術振興事業団主催、信州大学共催の「青少年のための科学の祭典・
松本大会2000」に触発され、その翌年(2001年)から理学部が主催する形で実
施することになりました。中学・高校生の理科離れの対策から一歩進んで、積
極的に理科好きな「科学者のたまご」を育てることをめざしています。このよ
うな事業の性格から、継続してゆくことが最も重要で、来年度以降もさらに発
展充実させた内容を企画してゆく予定です。本理学部の地域社会への貢献の一
端を担えるものと期待しています。

 尚、ご協力いただきました協賛金は昨年同様に各ブース等の学生・院生アル
バイターの謝金に使用させていただきました。有り難うございました。今後と
も、なおいっそうのご指導ご協力をよろしくお願い申し上げます。

……………………………………………………………………………………………
  ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓  ┏━┳━┳━┳━┳━┓
=┃信┃州┃大┃学┃理┃学┃部┃同┃窓┃会┃=┃の┃お┃知┃ら┃せ┃=
 ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛  ┗━┻━┻━┻━┻━┛
 理学部同窓会員の方には、直接郵便が届いていることと存じますが、
来る11月2日(日)に理学部で同窓会総会が開かれます。当日は下記の
ように、宮地元学長(元学部長/当会顧問)と沖野前学部長の両先生方
のご講演があります。また、この日は「銀嶺祭 (11/1〜3)」の中日に
あたります。都合をつけてご出席ください。
----------------------------------------------------------------------
 来る11月2日(日)に下記により記念講演会と同窓会総会を行います。
 多数の会員のご出席をお願いします。

                  記

 日程 11月2日(日) 
    13:30〜15:30  記念講演会(一般公開)   <1番教室>
               講演者:宮地 良彦 先生
                  :沖野外輝夫 先生 
    15:30〜16:30  同窓会総会         <1番教室>
               議題 会費、役員等   
    16:30〜19:00  懇親会 (参加費:2000円) <多目的ホール>
___________________________________
………………………………………………………………,--…………………………
    来・年・度・                   /      \、
□■ ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓ □■□  V・  ・V ─┐   
□■ ┃第┃7┃回┃信┃州┃大┃学┃ □■□┌ω人=♀=ノω┐│   
□■ ┣━╋━╋━╋━╋━╋━╋━┫ □■□│お 知 ら せ │/
□■ ┃物┃理┃会┃に┃つ┃い┃て┃ □■□└──────┘ 
□■ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛ □■□ 

 松本と東京で交互開催の物理会は、来年2004年は松本で開催されます。
準備にあたってくださっている幹事は、次の3名です。意見、提案などご
ざいましたら、直接連絡をとってください。

■清水邦男(文理11):南安曇郡梓川村在住(NPO「スコップ」で活躍中)
           azusakuni@proof.ocn.ne.jp TEL/FAX  0263-78-4366
           NPO法人「スコップ」URL(http://www.npo-scop.jp/)

■松本 淳(理3S):長野市在住(長野日本無線勤務)
      matsu@oepd.njrc.co.jp TEL/FAX 026-223-8377

■白川栄治(理22S);松本市在住(松本協立病院勤務)      
      eiji.shirakawa@nifty.ne.jp TEL  0263-37-1377

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  ■7月開催の、松本・信大キャンパス内での幹事会の報告■
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                 松本協立病院 白川栄治(23S)  
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 去る7月26日(土)に松本において幹事会が行われました。今回は2004年に松
本で行われる「第7回信大物理会総会」に向けての打ち合わせと信大理学部に
おいて行われた自然史科学館「自然のふしぎ」(本年同窓会から助賛)の開催状
況を見学しました。

○会場の下見
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 東京から参加の事務局員2名と地元幹事3名、合わせ計5名で現在予定してい
る来年の総会会場の下見を行いました。大学施設の旭会館を予定会場としてい
ますが、その大会議室は100名程度収容でき十分な広さを持っていました。ま
た二階にはレストランもあり、懇親会での使用も可能とのことでした。使用料
金は格安であり、学内ということから在学生や教官の参加も期待できることか
らこの施設の利用で進めることとしました。

○幹事会において
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 会場の下見の後、次回総会について話し合いました。講演は今のところ「ユ
ビキタス」と「信州大学のTLO」について外部の講師をお招きする提案があり
ます。プログラムは13:00から総会を行い 14:00-15:30で講演、その後17:30ま
での予定で懇親会を行う予定。ただし日程については5月の第4土曜日は参加し
にくいのではないかとの意見も出され、松本の幹事で調整することになってい
ます。プログラムの関係上講演時間がそんなには取れないことから最終的には
一人に絞り込むことになりました。

 参加費は在学生が参加しやすい価格としたいなどの意見が出され、また会費
の納入促進のため終身会費を納入されている学生の参加者には割引きをしたら
どうかなどの意見も出されました。今後懇親会にかかる経費を調査し決定する
こととなります。

○信州大学自然誌科学館「自然のふしぎ」の見学
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 幹事会の合間に理学部構内で行われている「自然のふしぎ」を、この企画の
実行委員長もされている武田先生の案内のもと見学しました。アカデミックな
雰囲気のもと親子連れの来場者がほとんどで、26日だけでも1000人を数えるな
ど大変な盛況ぶりでした。

 卒業してから長い幹事の方々も、おもわず唸る企画や展示の数々を十二分に
楽しんでいました。化学科の砂糖水と偏光を使った虹の紹介では、砂糖水の中
で右偏光や左偏光が現れ、簡単な材料ながらとてもきれいでした。数学科は明
治時代初期に筑摩神社に奉納された数学問題を紹介。なぜ神社に奉納されたか
の経緯をお聞きし、日本民族の算の歴史やその高度さは目を見張るものでした。

 この企画「自然のふしぎ」を見学した印象として、教官と学生が一緒になっ
て地域の皆さんに自然や科学の面白さを紹介している姿はとても新鮮でした。
大学が変わろうとしている現在、この様な企画が行われることは重要であると
感じました。

○最後に
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                      __       
 今回の幹事会は松本で集まったことや「自然のふしぎ」   _/□□\_ 
の見学などがあり大変有意義な会合となりました。     │−−−−-¶  
                          ∞∞└◎−−◎-┘  
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  ┃信┃州┃大┃学┃T┃L┃O┃関┃連┃の┃記┃事┃4┃題
  ┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━

  “大学発の技術移転・起業”が熱を帯びています。残念ながら(?)理学
 部ではありませんが、昨年からことしにかけて、長野(工)、上田(繊維)
 が知的クラスター創成事業に指定され、また上田(繊維)が「21世紀COE」
 拠点に選ばれるなど、たいへん注目を集めています。最近の信濃毎日新聞
 WEB版から、いくつかの記事を抜粋させていただきました。

1.ナノテク開発拠点に 長野の産学官連携施設の構想   ▼10月7日(火)
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 長野市は十月六日、信大工学部(同市)敷地内に来年度建設する産学官連携
支援施設の基本構想をまとめた。地上五階建ての施設には、賃貸の研究室や試
作向けのクリーンルームを整備。ナノテクノロジー(超微細技術)など信大の
研究成果を生かした、民間企業の技術開発を支援する拠点とする計画だ。二〇
〇五年四月の開業を目指す。

 名称は「産学行連携試作・開発センター」(仮称)。県と共同申請し、八月
下旬に認定された「ものづくり研究開発促進特区」に基づき、信大から土地の
使用権を得る。建設費は八億三千百万円で、半額を国が補助する。

 現在は駐車場となっている工学部の地域共同センター北側に、鉄筋コンクリ
ート造り延べ約二千平方メートルの施設を整備。三、四階に三十五平方メート
ル程度の研究室を十三―十四室整備、企業に低料金で貸し出す。

 一階には二百八十平方メートルのクリーンルームを設置。「ナノテク試作工
場」と位置付け、企業と信大が共同で超微細・高機能のデバイス(装置)の開
発を進める。

 施設運営は、二月に設立した信州TLO(上田市)に委託。産学提携を仲介
する専門職員も配置する。利用企業は市内外を問わず、信大の研究成果を活用
できる企業とし、市、信大、TLOでつくる選考委員会の審査で決める。

 県の二〇〇二年工業統計調査によると、長野市の製造品出荷額は前年比21
・8%減の四千二百二十八億円と、落ち込みが目立っている。市は、信大との
提携強化で「付加価値の高い商品開発を促したい」(商工課)としている。


2.カーボンナノ新用途研究 遠藤教授と昭電が新会社  ▼10月1日(水)
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 昭和電工(東京)と信大工学部(長野市)の遠藤守信教授=須坂市=は三十
日、長極細炭素繊維「カーボンナノファイバー」の新たな用途を研究するベン
チャー企業を十一月、長野市に共同で設立する、と発表した。昭和電工はリチ
ウムイオン電池向けにカーボンナノファイバーを量産しており、遠藤教授を最
高技術責任者に迎えて用途の多様化に取り組む。

 新会社名は「MEFS(メフエス)」。資本金一千万円で、遠藤教授個人が
約半額を出資する。長野市に本社を置き、藤井豊春・昭和電工取締役無機材料
事業部門長が社長に就任する。

 スタッフは当初六―七人とする。研究は本社のほか、内容によって、電気製
鋼炉用電極などを製造する昭和電工大町事業所(大町市)を利用することもあ
るという。開発内容は知的財産として権利化する。

 カーボンナノファイバーは、カーボンナノチューブ(筒状炭素分子)の分子
レベルを拡大した素材で、軽くて強度があり、熱や電気に高い伝導性を持つ。
遠藤教授はカーボンナノチューブ研究の第一人者。昭和電工は神奈川県にある
プラントでカーボンナノファイバーを生産、販売している。

 遠藤教授が会社設立を昭和電工に提案、高機能炭素素材の研究の委託先を探
していた同社と合意した。遠藤教授は「教授という立場では、ナノファイバー
を活用して社会貢献する上でいろいろな制限があった。大学発ベンチャーのモ
デルにしたい」と話している。


3.レーザー装置新技術 「ナノテク」でコスト大幅削減  ▼9月26日(金)
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 信大繊維学部(上田市)と三協精機製作所(諏訪郡下諏訪町)は二十五日、
CDやDVDといった光情報機器への応用が期待される「有機薄膜レーザー」
を発光する装置を、ナノテクノロジー(超微細技術)による新たな方法で開発
したと発表した。従来より大幅にコスト削減できるといい、来年中には光情報
機器への応用にもつなげたい考えだ。

 発光装置の開発は、信大を中心とした研究機関とメーカーが共同で取り組む
「長野・上田地域知的クラスター創成事業」の一つ。信大繊維学部・機能高分
子学科の谷口彬雄(よしお)教授が、三協精機の超精密機械加工技術に着目。
昨年七月から、開発工程を同社と分担して研究してきた。

 今回開発したのは、有機薄膜レーザーを発光する「共振器」と呼ばれる装置。
共振器は長さ一ミリ程度の長方形で、プラスチック製。表面には約二千本の溝
があり、信大側がレーザー発光を助ける色素を塗った。

 三協精機は、共振器を量産するための金型製作を担当。ダイヤモンド製の刃
を持つ超精密機械を使い、金属製の金型に幅約五百四十ナノメートル(ナノは
十億分の一)の微細な溝を付けた。この装置に光を当てたところ、レーザー光
を発光した。

 共振器の金型には従来、真空状態で電子線を使って溝を付けており、コスト
もかかった。今回、空気中でより簡単に金型を作れることが判明。CDなどに
応用すれば、より多くの情報を読み取ることができる。


4.野生キノコ「クロカワ」 免疫強化に効く成分        ▼9月22日(月)
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 信州の里山でも一般に見掛け、食用として人気があるイボタケ科の野生キノ
コ「クロカワ」に、腸管や気管に入り込んだ病原菌などから体を守る働きをす
るタンパク質「Ig(免疫グロブリン)A」を増やす成分が含まれていること
を、信大大学院農学研究科(上伊那郡南箕輪村)の大谷元教授と同大学院生の
加納純子さんが突き止めた。人や家畜の免疫機能を強化する効果が期待され、
食品や薬への実用化を目指している。

 クロカワは、マツやモミなどの針葉樹林に生える野生キノコ。かさの部分が
直径五―二十センチに成長する。

 大谷教授らは、野生種と栽培種のキノコ約五十種を集め、それぞれ細かく砕
いた後に熱湯で成分を抽出。これをマウスの脾臓(ひぞう)の細胞に加えて数
日間培養し、培養液中のIgA量の変化を見たところ、イボタケ科のキノコで
IgA量が増えることを確認。中でもクロカワは、約一・五倍に増加していた。

 さらに、生きたマウスでも効果を調べるため、クロカワの抽出成分を0・1
6%の濃度で餌に加えて約一カ月間飼育し、その間、毒性を弱めた病原菌を三
回食べさせた。すると、菌に反応して血液や腸管内に現れるIgAの量が通常
の約1・3倍に増えており、クロカワによって免疫機能が強化されたことを確
認した。

 また、栽培種の「エリンギ」にも、やや弱いものの同じような効果が見られ
た。

 現在、クロカワの有効成分だけを精製する作業を進めており、純度を高めれ
ば、免疫を強化する効果がさらに上がる可能性もあるという。

 この成果を基に大谷教授らは、既に県内の複数の食品メーカーや県食品工業
試験場(長野市)などと共同で、産業化を目指す研究プロジェクトを立ち上げ
ている。人や家畜で病原菌の感染やアレルギーの発症を防ぐ食品、薬などとし
て、数年後をめどに商品化したい考えだ。

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  ■当会の“研究室幹事”についての提案■
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             東京大学生産技術研究所 石田悟己(理19S)  
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     【規約にある「研究室幹事」について、いまだ具体的に人選がなさ
     れず、機能していません。この件について、9月の東京事務局会議
     で話し合われました。以下に、検討の一助にと石田さんから寄せら
          れた意見をご紹介します。】
          ------------------------------------------------------------

 学年幹事という「横の糸」に対して、各研究室ごとの世話人「縦の糸」を作
り、現在同窓会の各問題「名簿連絡網の整備、参加率の向上」の解決になれば
というアイデアだったと記憶しております。

 ここで、「誰がその幹事になるか?」ということになります。最近、役員会
で「現役を含む活動」「現役にもメリットのある活動」という言葉が、良く聞
かれます。ならば、各研究室の現役になって貰うのはどうかと思った次第です。

 このメリットは、
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1:現役の頃から同窓会との一体感が出来る。
2:毎年増える各卒業学年の学年幹事の育成。
3:同窓会が卒業後に卒業生の情報収集を始めるのではなく、卒業までに整備
  を完了する。
4:現場と同窓会とのパイプ役となり、武田先生の御苦労の軽減を計る。
5:現役にもメリットのある活動内容の模索にあると思われます。

 具体的には、
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・各研究室ごとに1人、まとめ役として有望な学生を教官より選出してもらい
  依頼する。
・大学院生も区別しない。

 作業は、
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・各研究室の構成とOBへの紹介ー>メルマガ原稿にする
・大学祭「銀嶺祭」の活動報告ー>メルマガ原稿にする
・卒業までに連絡網の整備
・3年生へのPR
・OBとの雑談・就職活動(メール等)です。

  / ̄ ̄/    正直なところ、私の中では「研究室幹事」という言葉から、
 / ◆ /~~~/ 「現役の幹事」という先入観しかありませんでした。が、いろ
 /    /◇ /  いろ考えるに上記のようなメリットもあり、まんざら的外れな
 ~~~/~   /    アイデアでもないと考える次第です。
  ~~~~~ 
                皆様で御検討頂けると、幸いです。

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 <再録>■「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!■
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 1.同窓会費は終身会費として1万円とする。一括払いを原則とするが、本
 人からの申し出があった場合は事務局長が分割払いを認めることができる。

 2.事務局長名で金融機関に同窓会の口座を設ける。事務局長が通帳・印鑑
 を 管理する。会計担当がカードを管理して口座からの出し入れなどを行う。
 
 3.在校生からの同窓会費徴収は、事務局が徴収日を決めて実施する。徴収
 後、在校生の会費支払い者リストは、すみやかに会長ほか、会計担当および
 関連事務局員に伝達する。

 4.金融機関への振込み手数料は会員の負担とする。

 5.会計担当は、年1回開催する総会を利用したり、メールで呼びかけたり
 して、 卒業生からの会費徴収に勤める。

 6.毎年開催の同窓会総会における参加費の徴集など会計管理については、
 その年の幹事が担当し、事務局が補佐する。必要経費は事務局から事前に仮
 払いのかたちで支出できる。幹事は開催後しかるべく早く収支を事務局に報
 告し清算する。 

 7.会計年度を4月から翌年3月とする。           ┳ξ
 会計はすみやかに決算報告を作成                  ●●●
 して会計監査担当から監査を受ける。               ●●
                                                  ●
 8.本細則の改正は総会で行う。
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 ▼下記いずれかの口座に┃同┃窓┃会┃費┃のお振込みをお願いします!
            ┗━┻━┻━┻━┛
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  ◆郵便局の場合/通常郵便貯金 
  記号:11150 番号:20343411
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1

  ◆銀行の場合/八十二銀行 信州大学前支店
  店番号:421 普通預金 口座番号:650215  
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1
                                                     
 ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄ ◎編集雑記◎/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄
●当メルマガ会報も、準備号4号と合わせるとちょうど10号めになります。
いささかネタ切れ気味で、一層おもしろくするために、もっともっと多くの
       方々の協力を仰ごうということで、「編集委員」制度をを取
  /\ ☆  り入れることになりました。我こそはと思われる方は(自薦・
 │○│    他薦を問わず)ご連絡くださるようにお願いいたします。
 │ │     ●化学科の同窓会「松本化学学士会」のホームページが開設
/| |\   されたようです。当会の活動に触発(?)されたのか、地質
 ̄ ̄ ̄ ̄     科につづいて3番めとなります。長らく休眠状態(?)にあ
 ||||     った理学部同窓会も総会が開催されることになり、我々の先
       駆的(?)活動が多方面に刺激を与えているのかも。
●国立大学の独立行政法人化は秒読み段階に。「名前だけの“独立”で実質
は文科省の統制が強まる」「大学の自治は無力化して学問の自由が風化する」
「文部官僚の天下り先の確保だ」・・といった批判があり、問題点をたくさ
ん含みながら走り出しています。この副産物として、“大学発の技術移転・
起業”が脚光を浴び、信大でもいくつかのプロジェクトが誕生中です。今号
では、地元のマスコミに取り上げられたごく一部の紹介となりました。
●先日、“独立法人化”仕掛けの張本人でもある遠山敦子文科大臣(当時)
が松本キャンパスを訪れ、「信州大学には潜在能力がある」と語っていかれ
たそうです。さて、これをなんと聞く?              (T)
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■■■■■ MAILMAGAZINE BULLETIN 『信大物理同窓会報』0006号 ■■■■■
  ●2003年10月17日  編集・発行/信大物理同窓会事務局
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●「信州大学物理同窓会」事務局●

◎ご質問・ご連絡はメールまで。