[ 信大物理同窓会報0037号(2011ー2012年冬号) ]
2011年12月30日配信


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          ┃信┃┃州┃┃大┃┃学┃┃物┃┃理┃┃同┃┃窓┃┃会┃┃報┃ 
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│田田田田田|     │★ SUPAA MAILMAGAZINE BULLETIN 2011-2012年冬号 │ 
│田田田田田|       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│田田田田田|──┐■━━■編集・発行/信大物理同窓会事務局■━━■
│田田田田田|田田|             (http://www.supaa.com/) 
│田田田田田|田田|〒390-8621松本市旭3-1-1 信州大学理学部物理教室内
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 ■「旧文理学部物理学科」+「理学部物理科学科」OB&学生と教員の会■
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ○--  国内ではさまざまな天災や人災に見舞われ、海外 --○ 
  ○-- では独裁者や独裁国が倒れ、大きな転換点となった  --○
  ○-- 年が暮れようとしています。信大物理にあっては、  --○   ∩ 
  ○-- 天白先生、松崎先生を失いました。が、おふたりと  --○  ∩∪ 
  ○-- も天寿全うの100歳近い御年でした。深遠なる物理   --○  ∪||∩ 
  ○-- 学の探究者はいつまでも若々しい。(合掌) 当会で  --○   ||||∪ 
 ○-- は、5月の総会に過去最多のOBが集まり「就職支 --○   |||||| 
  ○-- 援セミナー」も学生たちに注目されました。成果を --○  (∩∩∩∩ 
  ○-- 得る一方で、実行すべき様々な課題も山積です。  --○  (∪∪∪∪ 
  ○--  今号に『中日文化賞』受賞の名大教授篠原氏(化 --○  |≡≡≡| 
  ○-- 学科卒)からの寄稿を掲載(巻末)。物理と化学の --○  /≠≠≠  
  ○-- 境界領域で最先端を走っておられる方で、その迫力 --○      
 ○-- は圧倒的です。それでは皆様、よいお年を……。  --○       
        
      【 I ・ N ・ D ・ E ・ X 】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇ 理工学系研究科への名称変更・・・・・・・・・・・・・・・・武田 三男
◇【短期集中連載第2回】“脱原発”を可能にする道 (仮題)・・・勝木 渥
◇ 学生と卒業生の交流講座「物理学生への就職セミナー」第2回開催
   ■□ 約50名が熱心に聴講しました・・・・・・・・赤羽 徳英/藤 惇
  ■□ 職就支援セミナーを終えて ・・・・・・・・・・・・・・倉田 富二
  ■□ 自分の人生を生きぬくために(倉田氏による「レジュメ」抜粋)
◇ 超光速ニュートリノ?(「松本平タウン情報」より転載) ・・ 宮地 良彦
◇ 最近の科学ニュースから・・・・・・・・・・・・・・・・・・松島 本光 
◇ 戦時教育体制における修業年限の短縮 ― 勝木先生の調査より・小林 善哉
◇〔 リレーコラム・第2回 〕科学的に見える非科学 ・・・・・ 武原 一記
◇ ┃第15回信州大学物理会総会の概要┃・・・・・・・・ 物理同窓会事務局
◇ ┃平成23年度信州大学東京同窓会┃・・・・・ 信州大学東京同窓会事務局
◇ 親切な「素数論」の専門家を紹介していただけませんか?・・・後藤 澄寿
◇ “『中日文化賞』受賞”信大理学部からナノカーボン研究へ・・篠原 久典
◇ <再録>「同窓会費」は終身会費として1万円『会計細則』決まる!
◇ 編集後記

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  ■ 理工学系研究科への名称変更 ■    
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      武田 三男(理学4S/素粒子論研究室・理学部長 安曇野市在住)
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【 新年度から、信州大学工学系研究科から信州大学理         ☆ 
工学系研究科に大学院の名称が変わることになりました。      /
「理」の一字追加のために、何年にも渡って粘り強く尽     /\┌─┐
力をされてきた武田学部長から、その経緯と予想される    (~~/│~~│
効果などについて書いていただきました。】            //~'  丶ノ   
--------------------------------------------------   く   _||_

 一昨年の平成21年(2009)は、本学創立60周年の年に
あたりました。昭和24年(1949)に本学は旧制の松本高等学校、長野師範学校、
長野青年師範学校、松本医学専門学校、松本医科大学、長野工業専門学校、長
野県立農林専門学校および上田繊維専門学校が統合改組され新制の信州大学と
して新たに設立されました。       

 理学部の前身は、今もその校舎が「県の森」に長野県の重要文化財として残
る旧制松本高等学校です。大学創立時には文理学部として出発しましたが、昭
和41年(1966)に文理学部が人文学部と理学部に分離改組され今日に至ってい
ます。

 当時、理学部は数学科、物理学科、化学科および地質学科の4学科で出発し
ました。その後、昭和50年(1975)に生物学科が発足し、さらに、1995年に自
然を対象とした環境科学分野の教育研究の充実を目指して、物質循環学科を開
設すると同時に、数学科に自然情報科学コースを設置しました。

 これを機に旧来の5学科の名称も変更し、「数理・自然情報科学科」、「物
理科学科」、「化学科」、「地質科学科」、「生物科学科」および「物質循環
学科」の6学科としました。学生定員は順に、55、35、35、30、30及び25名の
合計210名です。7年前の平成7年(2004)に国立大学法人として独立法人化
され、大学運営は大きく様変わりしましたが、理学部の教育制度とその内容つ
いては本質的な変化はありません。
                 *

 大学院については、昭和45年(1977)に「理学専攻科」が理学部を基礎とし
て設置されました。これを発展させて、修士課程の「理学研究科」が昭和51年
(1971)に発足しました。一方、本学の工学分野の大学院(当時)は、工学部を
基礎とする「工学研究科(修士課程)」において高度な工学の教育研究を展開し、
また、繊維学部を基礎とする繊維学研究科 (修士課程)において人間の感覚や
感性といった生体の高次元機能の追求と生命、自然環境との融合・調和を志向
した繊維科学を中心に「繊維学研究科」として、ハードを基礎としソフト面を
重視した科学と技術の教育研究を展開していました。

 平成3年(1991)にそれらを工学一般における高度なハードテクノロジに加え、
特色あるソフトテクノロジを包摂した教育研究の展開とその分野での高度な研
究者・専門技術者の養成を目的として、工学研究科と繊維学研究科を融合改組
して「工学系研究科(博士前期・後期課程)」を設置しました。この名称につい
ては、従来の「工学研究科」の意のみにとらわれず、先端的工学を基本として、
さらに人間、自然との関係を強く意識した「高次の工学」の意味で「工学系研
究科」としたと当時の申請書類にあります。

 平成10年(1998)に、科学・技術の高度化や研究対象領域の拡大等の多様化
に対応でき得る異なる分野間が融合した教育研究を展開するため、既存の「理
学研究科(修士課程)」を融合改組し、工学系研究科(区分制博士課程)に再編し
ました。

 基礎研究を中心とした独創性のある研究開発と地域社会への貢献を通じて、
環境と調和した社会の発展に寄与することを目的とした人材養成のための教育
研究を行う理学系の専攻を増設することによって、自然科学分野の更なる発展
と、学術研究の一層の充実を図るとともに、独創的な研究開発能力と広い視野
をもつ技術者・研究者の養成を図ることを目的としたものとのことです。

 名称については、先端的工学を基本として、さらに人間、自然との関係を強
く意識した高次の工学の意味で「工学系」を冠している工学系研究科の教育研
究基盤の強化の一環であるとの観点から、工学系研究科のままとしたとありま
す。理学部では当然ながら、「理工学研究科」への改組を強く主張しましたが、
博士課程を持つ工学系研究科へ参加させてもらうという立場から、他学部を説
得できず、背に腹は代えられなかったようです。(このとき、信州大学大学院
研究科から「理学」の名称が一旦消滅しました。)

                 *

 平成17年(2005)に総合工学系研究科(博士課程・独立研究科)設置及び工学
系研究科(修士課程)への名称変更を実施しました。博士課程・独立研究科の設
置については、社会の第一線で活躍できる「高度専門技術者」の養成を行うこ
と、すなわち社会的要請に応える「工学的な基本姿勢」に基づいた教育研究を
目標としています。

 これまで工学、繊維学に理学系分野を加え、基礎から応用までを広範に含む
学際的融合的教育・研究領域を開拓してきており、さらに「農学」系分野の統
合によって総合的な教育・研究領域の一層の高度化を図るため、また、実学と
しての農学の教育・研究の応用工学的な面を一層強化するとともに基礎分野を
補強でき得ることから、既に含まれていた農学分野をより総合的に拡充・高度
化し、農学分野での「高度」専門技術者の養成をさらに活発にさせることを目
的としています。

 総合工学系研究科の名称については、上記の設置の趣旨に加え、さらに企業
等の社会の第一線で研究開発に従事しながら、博士の学位取得を希望する技術
者及びその派遣企業にとって、また、工学系研究科(修士課程)からの進学者に
とっても、「工学系」という言葉は当該大学院教育の目的を明瞭に示す大変理
解しやすい魅力ある名称であると認識したことによります。

 工学系研究科(修士課程)の名称については、平成17年度の改組が、工学系研
究科(区分制博士課程)博士後期課程を総合工学系研究科(独立研究科)博士課程
に改組再編することから、博士前期課程については「工学系研究科(修士課程)」
としたものです。(このときが、「理学研究科(修士課程)」復活の良い機会で
ありましたが、残念ながら他学部のコンセンサスが得られなかったようです。)

 当時の申請書類には、平成3年度の工学系研究科の設置にあたり、名称につ
いては、従来の「工学研究科」ではなく、先端的工学を基本として、さらに人
間、自然との関係を強く意識した「高次の工学」の意味で「工学系研究科」と
したとあります。また、その後の改組等においても、この考え方の下に、理学
系分野を融合した「工学系研究科(区分制博士課程)」、さらに農学系分野との
融合を図り、博士後期課程を「総合工学系研究科」へと展開し、博士前期課程
は「工学系研究科(修士課程)」としたとあります。

                 *

 しかしながら近年、急速に増大した地球温暖化に伴う異常気象問題や生物多
様性の危機等、地球規模の自然環境課題解決に向けて、自然科学の基礎を担う
「理学分野」の教育研究に対して強い社会的期待が寄せられるようになってき
ました。

 こうした期待に応えるため、本学の工学系研究科理学分野では、環境に負荷
を掛けない科学・技術の基礎的教育研究や、フィールドワークを中心とした自
然環境の保全についての教育研究に特に力を注いでいます。このような社会状
況の変化への対応や地球規模の自然環境課題の解決を目指して教育研究を実践
していることを、現行の工学系研究科(修士課程)という名称に「理」を加える
ことにより、社会に対して明確に示す必要がありました。

 少し時間がかかりましたが、学内のコンセンサスも得られ、ようやく昨年度、
文部科学省に工学系研究科(修士課程)を理工学系研究科(修士課程)に名称変更
を申請しました。念願(足掛け15年の悲願)が叶い、来年の平成24年度(2012)
から『理工学系研究科』が発足することとなりました。ちなみに、理学、工学、
理工学、総合理工などの研究科は存在しますが、「理工学系研究科」は信州大
学が日本で唯一無二です。

 理工学系研究科と名称を変更できました機会に、持続的発展可能な社会を支
えるべき自然の理解と環境の保全及び環境に負荷を掛けない科学・技術の基礎
的教育研究のより一層の充実のために努力してゆきます。同窓会の皆様方にお
かれましては、これまで以上のご理解とご協力をお願い申し上げます。

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    ■ “脱原発”を可能にする道 (仮題) ■ 《短期集中連載第2回》
----------------------------------------------------------------------
    仮題としたのは、以下で展開する議論の最後に得られる結論を、この
    論考の表題としたいと思うからです。
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                 勝木 渥 (元信州大学教授/東京都多摩市在住)
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 、∩∩     【 目次 】
 ⊂田田⊃  ◇ 1.私の読んだ、最良の、原発礼賛の論文 ― エネルギー
 ⊂田田⊃      の質(時間的・空間的密度)
 /∪∪     ◇ 2.お粗末な日本の原発推進派の議論 ― 原発推進派の
                      学問的怠惰と道徳的退廃
            ◇ 3.原発推進派のお粗末な議論が、反原発派・原発推進
                      批判派に及ぼした負の影響
               《以上、メルマガ2011年秋号(前号)に掲載》
              ◆ 4.エネルギーの質の問題詳論  《今号掲載分》
              ◇ 5.“脱原発”を可能にする道  《次号掲載予定》 
----------------------------------------------------------------------
                  *
 4.エネルギーの質の問題詳論

 秋号の1で述べたティンバル・デュクロの論文の序文には、エネルギー関係
の多くの出版物は、問題を量の問題として扱っているが、種々のエネルギー源
の質の問題もそれに劣らず重要であり、実際問題に関しては質の問題が第1に
重要である、と書かれている。

 この論文から私が読み取ったことを、以下に簡単に書く。

 実際問題としてのエネルギー問題は、さまざまの用途に応じて、どんな型の、
どのような質のエネルギー源が必要かという問題である。エネルギーの型には
「貯蔵型」(石油・石炭・ウランなど)と「流れ型」(太陽輻射・水力・風力な
ど)とその中間のもの(地熱・バイオマスなど)がある。個々の用途(物品の加工
・輸送・照明・加熱・調理など)に着目し、それぞれの用途について、どのよ
うなエネルギーの質が求められるかを考察する。

 エネルギーの質に関する2つの基本特性は、その密度と供給のむらのなさ
(regularity)とである。エネルギー密度は所与の体積に含まれるエネルギー量
であり、小さな体積に多量のエネルギーを含む物体はエネルギー的に濃厚であ
り、大きな体積中にわずかしかエネルギーを含まなければエネルギー的に稀薄
である。

 エネルギーは時間的に一様に連続的に生ずるなら、むらがない(regular)と
いえる。逆に、むらのある(irregular)エネルギーは(周期)変動的であったり、
間欠的であったり、偶発的であったりする。

 あるエネルギー源の密度とむらのなさの結合は,第3の因子=更新可能性
(renewable nature)に関連付けられる:流れ型のエネルギーは更新可能だが、
貯蔵型はそうでない。エネルギー源は、それがおおむね瞬間的に復元されるな
ら更新可能的であり、ほどほどの時間が経った後に復元されるなら半ば更新可
能的であり(例えば、バイオマス・地熱)であり、一度消耗すれば(人類的時間
スケールでは)無くなってしまうなら更新不能である(例えば、化石燃料)。

 これら3つの特性は密接に関連しあっている.実際上、エネルギー源が濃厚
かつ貯蔵型であれば更新可能性は小さく、稀薄でむらがあれば更新可能的であ
る。

 これによってエネルギーを分類すれば

 ────────────────────────────────
             貯蔵型    中間      流れ型 
 ──────────────────────────────── 
     密度       高      中        低
 ──────────────────────────────── 
   むらのなさ      高      中        低
 ──────────────────────────────── 
   更新可能性     不可能    半ば       可能
 ──────────────────────────────── 
    存在場所      地下      地表近く     大気圏
 ──────────────────────────────── 
              ウラン         
             石油      地熱     海や風や太陽 
   主なもの       天然ガス             からの
             石炭    バイオマス    エネルギー
             泥炭
 ────────────────────────────────

 濃厚エネルギー源はどんな種類の用途にも利用にもできるが、稀薄でむらの
あるエネルギー源は高濃度での利用は難しい。実際、エネルギー消費の 85%
を濃厚エネルギー源が占め、中間エネルギー源が 15%を占めている。稀薄エ
ネルギー源の寄与は無視できるほどでしかない。電気はエネルギー運搬の装置
である.

 ウラン   石油  石炭  地熱 バイオマス 水力 太陽 風 海の熱
 トリウム 天然ガス 泥炭  │    │  │   │  │エネルギー
   └───┴───┘   └────┴──┘  └──┴───┘
       濃厚          中間      稀薄でむらがある

               転 送 と 変 換
       ┌───────────┬─────────┐
     高濃度利用      中間濃度利用       稀薄利用
       U            U           U
     金属工業        有機工業       水の汲み上げ
   (高温・電気分解)   (低温・蒸発・脱水)     (水車)
       U            U           U
    高速遠距離輸送     低速近距離輸送      農業用温室
   (ロケット・航空機・       U           U      

    
     列車・自動車)  都市域の第2次・第3次部門   農村住民
               (暖房・調理)       (暖房・調理)

 この分類を見れば分かるように、現代工業社会の存続のためには、高濃度
(高密度)・貯蔵型エネルギー源が必要不可欠である。
                                                         【 以下次号 】

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 □■  学生と卒業生の交流講座「物理学生への就職支援セミナー」   ■□
 □■  第2回めが開催(11月29日) 約50名が熱心に聴講しました  ■□
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  *    *  ※ 。      第2回「就職支援セミナー」は11月29日に開催。
*:.   .:   *.  *:  当該学年(学部3年・修士1年)のほぼ全員にあた
 *  ※:  Д    ※     る約50名が熱心に聞き入ってくれました。今回の準
:*   \ (∵) /    *  備会には学科側から学科長の天児先生に加えて就職
 *   (    )   *   委員の小竹先生にも参加していただき、同窓会側か
            らは昨年の赤羽・藤以外に臼杵英男さん(8S)が加
わってくれました。講師としては、以下のお三方にお願いしました。。

 実業界から、久保田一久氏(2S/株式会社東海理化顧問・元常務取締役)→
演題:『民間企業(製造業)の経営環境と期待される人材』。教育関係者とし
て、倉田富二氏(3S/長野日本大学高等学校・元校長)→演題:『自分の人生
をいきぬくために』。若手として、河上陽介氏(01S/TIS株式会社社員)
→演題:『属人性について  プログラムのバージョンアップ、バグ修正は誰が
やるんだろう?』。

 講演は、働く現場で体験した具体的な話が多く、OBの私たちが聴いても、
人生の教訓が含まれていてたいへん参考になる内容でした。

 ことしの就職はますます厳しく、セミナーの出席率が良かったことにその切
実さが反映されているようです。当会の就職支援活動方針としては、学生から
出されている「志望企業に勤める先輩の連絡先を教えてほしい」との要望を実
現させるために、理学部同窓会(森淳会長)に対して、全学部卒業生の名簿の管
理整備を要請していくことになります。11月の物理同窓会役員会でもこのこと
が確認され、12月9日に開かれた理学部同窓会役員会で、当会から再度強く要
請しました(昨年も提議しましたがまったく進展がありませんでした)。

「物理学生への就職支援セミナー」については、今回の好評を受けて、すでに、
来年も開催しようとのオファーが学科側からありました。皆様に講師のお願い
をすることもあるかと存じますが、ご協力をよろしくお願いします。

         (赤羽 徳英 藤 惇/物理同窓会事務局 学生賛助担当) 

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  ■ 職就支援セミナーを終えて ■
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          倉田 富二(理学3S /素粒子論研究室・自然写真家 長野市在住)
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        【 今号では、講師をつとめていただいた倉田氏から、講演
  V ?      を終えての感想をしたためていただきました。】
(∵)       -----------------------------------------------------
 \(@)⊃       
〜〜〜〜〜〜    信州大学物理科学科の就職支援セミナーの講師依頼を受け
        たのが、実施日の1ヶ月あまり前のことであったろうか。物
理同窓会役員の赤羽氏から突然のメールであった。このセミナーは、物理科学
科と物理同窓会の共催で、今年は2回目とのことである。対象は、学部3年生
と修士課程1年生であった。講師に私が選ばれた理由は、5月に行われた物理
同窓会総会に出席したのが第一の理由であったと思う。

  平成23年3月末で長野日大での教職を辞し、4月からは自称自然写真家とし
てフリーの身になったことと、理学部長の武田先生には、教員採用の件で在職
中大変お世話になったので、そのお礼も兼ねて総会に出席させていただいた。
しかし、就職支援セミナーの講師は荷が重いとお断りしたのだが、昨年講師を
務めた加茂暁星高校校長の飯沼氏から「大丈夫だから話してきたら!」と、甘
い誘惑のメールが届いたのだ。資料も送っていただいた。彼も現在新潟で大変
ご苦労なさっていることも聞いていた。そのようなわけで少し勇気をいただき、
お引き受けすることになったのだった。

 学生たちの前に立って、その視線に感じたのは、強く何かを求めていること、
必死に自分の道を探そうとしていることである。輝く視線が印象的であった。
彼らに何か一つでも役立つことを話したい、そう思いながら私もまた必死であ
った。「自分の人生を生きぬくために」 次世代を担う純粋な学生たちが、こ
れから経験するであろう幾多の苦難を無事乗り越えて行けるよう祈るような思
いであった。

 私が学生たちに伝えたかった一つは「人材としての自分を磨くこと」である。
例えば今学んでいる専門の知識(物理学)に磨きをかけ、さらにワンモアスキ
ル(もう一つの技能、資格、免許、一芸を身につけること)→できれば、Two 
more skillを心掛けて欲しいということである。これは、私が在職中教員の卵
たちと面接をした際、強く感じたことでもある。

 二つ目は、多くの難題に立ち向かうために「タフな人間になる」ことである。
職場の中では、次から次へと、自分を試されるような辛いことが起こるものだ。
それを自分に課された試練だと捉えるくらいの心の余裕が欲しいのだ。

 職に就くということは、決して受け身でいるのではなく、こちらから向かっ
て行くもの、積極的に企業へラブコールを発信して行くことである。事前に目
指す企業を調べ、学生の新鮮な発想で企業の新たな可能性を見つけ出し、自分
の考えをPRする、そういう人材になろうとすることである。

 これによって、人としての生活基盤が確立され、社会に貢献(恩返し)する
ことができるのだ。これこそ今流の表現で言うところの「自己実現」につなが
って行くのである。

 そのために行動を起こすことが必要である。行動する者は時を味方にし、行
動する者は自分の進むべき道を見いだす。行動する者にはチャンスも訪れる。
今のこの瞬間に、是非「初めの一歩」を踏み出して欲しい。そして自分の人生
を生き抜いて行く勇気を持って欲しいのだ。

 セミナーが終わったあと、物理科学科の先生方、同窓会の役員・講師、それ
に参加した院生を交えて有意義な歓談の時が持たれた。ここで大変嬉しかった
のは、院生たちの柔和な品の良さと、真面目で前向きの姿勢である。彼らを見
て、将来素晴らしい人材になる予感を抱く事ができた。信州大学理学部物理科
学科の今後の発展が大いに期待されるところである。

 また、このようなセミナーを計画し、後輩である学生たちの就職支援に尽力
されている同窓会役員の各氏、司会進行をされた臼杵氏、そして学生賛助担当
役員の藤氏には大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。また、
後刻、教員志望で、私と同じく写真を趣味にしているという物理科学科3年の
村君からメールをいただきました。共通の趣味についてひと時ではありまし
たが、盛り上がることができ、私自身にとっても想い出深いセミナーの1日を
刻むことができました。ありがとうございました。
      
                 ※

 ■ 自分の人生を生きぬくために・・・・・・・自然写真家 倉田 富二
    【 当日配布された倉田氏による「職就支援セミナーレジュメ」抜粋 】

 1.職に就くということ
 ・夢のある人生のための転換点の一つ ・社会に貢献(恩返し)
 ・良き家庭を築き次世代を担う人を育てる ・10年でプロに

 2.人材としての自分を磨く
 ・専門の知識(理数)・ワンモアスキル(免許、資格、一芸)→ツーモア
 ・行動力、実行力 ・社会人としての常識・規範意識
  TPOに応じた服装・挨拶、時間(5分前行動)、ルール、マナー、言葉遣い
 ・自己分析(長所、短所を認識)

 3.就職活動i面接(試験)に備えて
  A:明るい挨拶(笑顔、視線)
  K:謙虚、気配り、向上心
  N:熱意と能力(やる気、ビジネス能力)
  ・小論文一カンカラコモデケア「毎日新聞記者山崎宗次氏(故人)提唱」
  ・志望動機:相手(会社)の求めているものを知る
  ・即戦力を自己PR ・入社後(将来)の目標:10年後の自分
  ・現在努力していること

 4.挫折を知る
  ・学生気分(お金を払う立場)→社会人(お金を稼ぐ立場)
    最初のギャップ/職業観のミスマッチ 3年以内3割の離職者
  ・『「勝ち組」の男は人生で三度、挫折する』緒方俊雄著(中央公論新社)
   (人一倍努力したのに)(一つのストレスは乗り越えられる?)

 5.結論「自分の人生を生きぬくために」
  ・タフな自分(賢く、強く、粘りがあり、逞しい自分)をつくる
  ・就職とは、向こうから来るのではなく、こちらから向かって行くも
   の(積極的に企業へラブコール)
  ・今日迷わず「小さな一歩」を踏み出す(行動を起こす)
    行動する者に時は味方する
    行動する者に自分の進むべき道が見えてくる
    行動する者にチャンスが訪れる 「百見は一行に如かず」

======================================================================
    ■ 超光速ニュートリノ? ■ (「松本平タウン情報」12/1より転載)
----------------------------------------------------------------------
            宮地 良彦(信州大学名誉教授・物理同窓会名誉顧問) 
--------------------------------------------------------------------- 
  |)    【 宮地先生が地元紙「松本平タウン情報」一面の連載コラム『展 
'―o―,   望台』に寄稿された記事を全文ご紹介します。】
 (| \     ---------------------------------------------------------
 
          しばらく前「光より速いニュートリノ」という新聞報道があっ   
た。スイスの欧州合同原子核研究所から発射されたニュートリノを730キロ離
れたイタリアの地下研究所で検出したところ、この速度ば真空中の光より10万
分の2だけ速かったというのである。

 少しでも物理を知っている人なら、目を疑ったに違いない。この結果は、ア
インシュタインの特殊相対性理論を根拠とする現代物理学の根幹を覆す可能性
を持つものだからである。

 こういうショッキングな発表は、まかり間違えば科学者としての生命を失う
ことにもなりかねない。発表者もこのことば承知の上で、内容も十分検討した
上での発表だと思われるが、共同研究者の中には論文発表に名を連ねることを
断った人もあるという。

 アメリカのノーベル賞受賞学者らの論文によると、光より速く運動するニュ
−トリノがあったとすると、電子と陽電子のペアを放出してエネルギーを失い
航跡を残すはずだという。

 この種の現象は、水中を光より速く運動する電子がチェレンコフ放射という
光を出すのと似ていて、原子力発電所の核燃料プールが青白く光っているのは
この光のせいである。

 同じ研究所の別の実験グループによると、こういう航跡は見られず、検出さ
れたニュートリノはスイスで発射された時と同じエネルギーだったというから、
ニュートリノはやはり光速を超えてはいないらしいが、最初の実験のここに間
違いがあったと指摘したわけでもない。超光速実験はどこかに見落としがある
と思うのだが、何となく気がかりである。

======================================================================  
    ■ 最近の科学ニュースから ■ 
----------------------------------------------------------------------
             松島 本光(理学4S/統計研究室 佐久市在住) 
----------------------------------------------------------------------
 2011年後半になって物理学に関する大きなニュースが    / ̄ ̄/
2つあった。一つ目はCERNにおける実験でニュート   / ◆ /~~~/
リノの速度が光よりも少し速かったというものである。   /    /◇ / 
このニュースは世界を駆け巡り[超光速粒子が発見されれ   ~~/~   / 
ばタイムマシンが可能になるかもしれない、とか、過去へ     ~~~~~ 
のタイムトラベルも現実味を帯びてきた]というような解説
が付いているものが多かった。 

 もし質量をもつ超光速粒子が発見されれば相対論にかわる理論はできるだろ
う。しかし、私は過去へのタイムトラベルは出来ないだろうと思うのである。

 というのは、例えば、私がタイムマシンを作ったとする。私の子供時代に行
き、子供の私を殺したとする。するとそれ以後の私は存在しなくなるのでタイ
ムマシンを作らない、だから時間を遡って過去の私を殺すことはできない。

 そうすると私は存在することになりタイムマシンを作る。そして時間を遡っ
て過去の自分を殺す、すると私は存在しなくなり・・・・・というようなパラ
ドックスが生じる。そのため、タイムトラベルは不可能であると思うのである。

 だが、パラドックスが生じれば何でも必ず不可能であるかというとそうでも
ない。有名なゼノンのパラドックスというのがある。ゼノンの論理によれば
[アキレスは亀に追いつけない]というあの話である。現実にはアキレスは亀に
追いつき、追い越せたし、私にだって追い越せる。

 ゼノンのパラドックスは運動の不可能性を論証したものだそうだが運動は可
能である。とすると、前の話でパラドックスが生じるからタイムトラベルは不
可能としたが、そうも言いきれなくなってしまう気もするのである。

 まあ、とにかくおもしろい結果が出たのであるから、相対論に反するかどう
かということなど気にせずにしっかりと確認してほしいものだと思う。

 二つ目もCERNにおける実験で、40年以上前から存在が予言されてきた神
の粒子と言われるヒッグス粒子の探索が大きく前進したというニュースである。
質量の起源を説明することのできる粒子だそうだが、理論を勉強したことがな
いのでどんな仕組みかよくわからない。だが質量というわけのわからぬものの
生じる理由がわかるとすれば素晴らしいと言わざるを得ない。

 物理学には全く関係ないが、ただ一つ気になることがある。それはこの粒子
の名前である。神の粒子と呼ばれるようだが一体、いつ誰がつけたのだろうか。
これではこの粒子だけが他の粒子に比べてかけ離れて重要である印象を受ける。

 未発見という意味では重要かもしれないが自然を解明するという立場からみ
ると、電子でも陽子でもこの粒子でも重要性に差はないはずである。したがっ
て存在が確認された時は、その性質に応じた適切な名称を与えたほうがいいと
私は思うのである。

======================================================================  
  ■ 戦時教育体制における修業年限の短縮 ― 勝木先生の調査より ■     
----------------------------------------------------------------------
      小林 善哉(理学2S/電子研究室・広島市立美鈴が丘高等学校) 
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  ●     私は、当メルマガ会報28号から32号まで5回にわたって松高
  ( ̄)    生の青春模様について連載記事を書く機会にあずかりました。
\( ̄ ̄)/     旧制高校は世界でも類例のない教育制度だと言われていますが、
 | ̄▽ ̄|     今では旧制高校を知る人も年とともに減少し、新制高校との違
  ̄ ̄ ̄ ̄     いすらわからない人も少なくありません。そんな折、松高出身
の北杜夫氏が10月に亡くなられました。氏は、純文学から「どくとるマンボウ」
シリーズで知られるユーモア小説まで幅広い作品で広く知られていることは、
みなさんご承知のとおりです。

 氏の作品の中には、随所に旧制高校生の学生生活の哀歓がユーモアを交えて
書かれているので、この時代をじかに知らない人でも楽しく読むことができた
のではないでしょうか。北杜夫氏が亡くなったことをひとつの契機として、忘
れかかった旧制高校に対する関心が幾分高まったかもしれません。

 同じ時期、恩師勝木先生より同窓会のメーリングリスト[ml:00105]にて、
『“大東亜戦争”開始(対米英宣戦布告)後の旧制高校と旧制大学の在学期間
の短縮“について』と題する、先生の調査結果が知らされました。これは、高
等教育(旧制高校・専門学校・高等師範等と大学)における、戦争末期の在学
年限の削減が具体的にどのように行なわれたかについて、先生がお調べになっ
たものです。
           ※      ※            ※ 

【“大東亜戦争”開始(対米英宣戦布告)後の旧制高校と旧制大学の在学期間
の短縮(本来の在学期間はそれぞれ3年)】 註:勝木渥先生作成

■ 旧制高校          ■ 旧制大学
入学   卒業  在学期間   入学   卒業   在学期間 [在学期間の短縮]
1935/4 1938/3    3年    1938/4 1941/3   3年     0
1936/4 1939/3    3年    1939/4 1941/12 2年9ヵ月   計3ヵ月
1937/4 1940/3    3年    1940/4 1942/9  2年6ヵ月   6ヵ月
1938/4 1941/3   3年    1941/4 1943/9  2年6ヵ月   6ヵ月
1939/4 1942/3   3年    1942/4 1944/9  2年6ヵ月   6ヵ月
1940/4 1942/9  2年6ヵ月   1942/10 1945/9   3年     6ヵ月
1941/4 1943/9  2年6ヵ月   1943/10 1946/9   3年     6ヵ月
1942/4 1944/9  2年6ヵ月   1944/10 1947/9   3年     6ヵ月
1943/4 1945/3   2年    1945/4 1948/3    3年     1ヵ年
  1946年の卒業者なし     1946/4 1949/3    3年      0
1944/4 1947/3   3年    1947/4 1950/3   3年      0

           ※      ※            ※ 

 勝木先生は、『物理学会名簿(1954)』と先生が卒業された旧制六高の同窓
会名簿をもとに、1935年の旧制高校入学生から1950年の旧制大学卒業生までの
「在学期間とその短縮」について表にまとめられました。メールをご覧になっ
た方は覚えておられることと思います。その結果、(私も含め)恩師の先生方
の間でメールのやりとりがしばらく続くようになりました。そして、メールを
見ていた同窓会の役員から、会報で解説して欲しいと頼まれこれを書いている
というわけです。

 私は、勝木先生が作成された表を見て、前述の2つの資料だけでよくここま
でお調べになったことかと、正直驚きました。以前、松高生についての連載記
事を書いた際、修業年限の短縮についても触れたことがあります。また、新・
旧学制がどのように入れ替わったかについて松高生の寄稿文をもとに調べたこ
とがありました。それで、私のもっている資料(といっても松高関係だけです
が)をもとに勝木先生の調査結果をたどっていったところ、ぴたっと一致して
いました。勝木先生の物理学者らしい緻密な作業に脱帽でした。

 たとえば一例として、松本高校の卒業生・教官の寄稿文集にはこんな事実が
書かれています。

 昭和17年4月、松高に築地宜雄新校長が着任。早速、生徒が毎年楽しみにし
ていた伝統の行事・駅伝を一方的に中止させてしまった。生徒の代表がその理
由を尋ねに行ったが、明確な理由は示されなかったため、生徒の不満に油を注
ぐ結果となった。3年生は、卒業が半年繰り上げられ、残りの高校生活は実質
4月から7月半ばまでの3ヶ月半となってしまった。その先に待っているものは
徴兵である。(要約)

 この記述と勝木先生が作られた表を比べると、昭和17年の高校3年生は確か
に同年9月卒業となっていました。(9月卒業の前に夏休みがあるので、第3学
年は実質3ヶ月半であった)

 その後、勝木先生の調査結果をご覧になった宮地先生や寺尾先生が相次いで
感想や思い出を寄せられ、私たちの世代が知らない先生方のことがメールでや
り取りされていったというわけです。勝木先生の解説によれば、在学期間短縮
の “第1期生”(1941年12月卒) には 久保亮五氏。そして、松崎先生もそのお
一人だとのこと。また、私たちに身近な先生方としては、宮地先生、鷺坂先生
が 1948年3月卒で、旧制高校を2年で通過させられた在学期間短縮の最後の年
の人ということになるそうです。つまり、信大松本地区の物理には、在学期間
短縮第1期の人と最終期の人がおられたことになるとのことです。

 勝木先生は、メーリングリストの中で、この調査結果を「無味乾燥な内容で
恐縮です」と謙遜されていますが、私はこの調査はその時代を生きた諸先生方、
先輩方にとっては様々な思いを呼び起こすものであるに違いないと思います。

 数字は冷徹に事実を語るものです。この時代を直接には知らない戦後世代の
私たちは、この数字が語るものに思いを馳せる必要があるのではないでしょう
か。まず、修業年限の短縮が1年であれ、半年であれ、貴重な学生生活が国の
政策によって抹消されたということです。そして、その後に来るものは出征・
死です。そのような戦争の影に脅かされ、死を覚悟して学生時代を送った諸先
輩方の青春が、こうした数字の背後にあるのです。実際にこの時代を生きた先
生方は、資料を見るときに、同期生をはじめ、先輩、後輩の人生の歩みをも重
ね合わせて、感慨深く思い出されたのではないかと思います。

 私が以前勤務した学校に、戦中・戦後の混乱期に学生時代を送った先輩教師
がいました。彼は広島高等師範学校出身の物理の教師。旧制中学時代に原爆に
も遭っています。あるとき彼に、「私は勉強なんかほとんどしないまま学校を
出た。あなたは、私よりはるかによく勉強をしていると思う。」と言われたこ
とがあります。その時(私も不勉強でしたが)、「勉強など、その気さえあれ
ばいつでも出来るはず」と思いました。つまり、彼の言っていることは自分の
不勉強の言い訳としか映らなかったのです。今思えば、明らかに私の想像力が
欠如していました。すでに故人となられましたが、その先生がどんなに大変な
時代を生き抜いてこられたかについてもっと思いを向けるべきでした。

 勝木先生はこのようにも書いておられました。「…8月敗戦、戦後の混乱期
でしたから、ちゃんと勉強しようとすれば、並大抵でない努力が必要だったで
しょう。」

 勝木先生をはじめ、私たちがお世話になった諸先生方が混乱期に「並大抵で
ない努力」をされ、信大の教壇に立ってくださったからこそ、私たちは先生方
からご指導を受けることができました。このことに深く感謝しなければなりま
せん。
           ※      ※            ※ 

【参考資料 文部科学省HPより抜粋】
修業年限の短縮は、まず臨時措置として、十六年度から実施されたが、その法
的措置として、十六年十月十六日勅令が公布されて、「大学学部ノ在学年限又
ハ大学予科、高等学校高等科、専門学校若ハ実業専門学校ノ修業年限ハ当分ノ
内夫々六月以内之ヲ短縮スルコトヲ得」と定められ、大学・高等学校・専門学
校の修業年限が短縮されることとなったのである。 

 文部省はこの勅令に基づき、同日省令をもって「大学学部等ノ在学年限又ハ
修業年限ノ昭和十六年度臨時短縮ニ関スル件」を公布して、大学・専門学校・
実業専門学校の修業年限を三か月短縮し、十七年三月卒業予定の者を十六年十
二月に卒業させることとし、また高等師範学校・実業学校・実業学校教員養成
所も同様に短縮すべきこととした。

======================================================================  
   〔 信州大学物理同窓会(メルマガ)会報リレーコラム・第2回 〕
----------------------------------------------------------------------
     ■ 科学的に見える非科学 ■ 
----------------------------------------------------------------------
                    武原 一記(理学22S /統計研究室 千葉市稲毛区在住)
----------------------------------------------------------------------
 _===_   
  ( ^^)    [ 簡単な自己紹介 ]
 o-o-))  
          今年5月に前任今関君から引継ぎ物理同窓会の学年幹事(22S)に
なりました。卒業してちょうど20年になり、小学生、幼稚園児と 妻の4人暮
らしです。学生時には学生自治会などもやってました。(今も町内自治会の役
員などしています)

  [ 学年の状況 ]

 22Sでは4〜5年に1度くらいの割合で同窓会を開いています。全国各地に
散っていることもあり、松本周辺の旅館に泊りがけで集まります。(銀嶺祭の
行われる時期に)最近はかなり大きくなった子供連れも見受けられます。同期
の集まりは良いもので、会えば学生時の"気の置けない"関係に直ぐに戻れます。
同窓会メーリングリストを見られている方も、ぜひ同期での同窓会を呼びかけ
てみてはいかがでしょうか。

  [ 原子力との係わり ]

 卒業して、コンピュータ関連企業に勤めましたが、物理をやっていたという
ことで、原子力分野に配属となりました。(実のところ、学生実験で放射線測
定の実験があったくらいで、あまり係わりはなかったのですが)

 茨城県の水戸に移り、原子力の研究開発を行う特殊法人を担当しましたが、
幾つかの事故を起こしたことで名称が変わり、ちょうど名称が変わる頃に2年
程出向しました。(今では有名になったタイベックスーツを着て、全面マスク
で作業をしたこともあります)その後、特殊法人改革の流れで統合されて、更
に名前が変わりました。

  [ 震災と原子力事故 ]

 3月11日の大震災では、千葉でも大きな揺れがあり勤務地付近(幕張)では
液状化の影響が、今も歩道などに残りますが、日常的の感覚では大震災も過去
の事になりつつあると感じる人が多いようです。しかし、福島の原子力発電所
の事故の影響は、今現在も継続していると言えます。

 特に今後注意したい影響は、食品から摂取する内部被ばくに関するものです。
仕事の関連で、放射線取扱主任者(2種ですが)を取得したり、見聞きした経験
を基に少し書くと(個人被ばくシステム、環境放射線監視システム等に係わり
ました)、現在、国などで進められている食品安全確保は、生涯100mSV(年間1
mSV)以下になるよう内部被ばくを抑えるということです。
 → (http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w5ek.html)

 が、まず、シーベルトとベクレルは全く異なる単位です。

  ■ベクレル:1秒あたりの壊変数 (→原子核が崩壊して放射線を出す)
  ■シーベルト:吸収線量(Gy=J/Kg)に放射線荷重係数を掛けたもの。等価
         線量。(放射線荷重係数はγ線/β線=1、α線=20、ICRP
         (国際放射線防護委員会)の勧告(とそれを国内に適用し
         た法令)に定義された値です。)

 放射線の人間への影響を考慮するには、更に組織荷重係数を考慮して実効線
量とよばれるもので評価します。(実務上は測定器で相当する数値が出るよう
にして、このような定義に沿った計算はしません→実効線量当量)ここまでは、
シーベルトの話ですが、ベクレル−シーベルト換算についても、本来は、内部
被ばくは体内から長期間放射線を受けるため預託実効線量で評価しますが(体
内にある間の時間積分量)、実務上は換算係数で評価します。

 これらは、ICRPの勧告で(国内では、原子力安全委員会の指針:「環境放射
線モニタリング指針」)に換算用の数値が規定されています。異なるものを換
算しているということは、作成した専門家も、十分わかっていて、リスクを共
通の尺度で評価し対策を取ることを目的としていると言っています。これはち
ょうど被害(災害とか交通事故とか)の状況を金額で換算して、共通に認識出
来るようにする事と似ています。

 ただし、デジタルな数値が十分な理解の無い状況で一人歩きすると、数値以
下なら安全なのだということになり、それが裁判などでも絶対なものとして扱
われ、因果関係の立証や保障にも影響することになります。これは数値評価の、
科学的に見える非科学と言えます。

 《追記》
※これまでの原子力施設での線量管理は、外部被ばくが中心で、内部被ばくは
定期的なWBC(体内部から出る放射線測定)をしたら、何か線量が出てきた
ので、作業従事をしてよいか判断するため、線量管理値に加算するという思想
に基づくもので、幼児や乳児の健康管理に使える十分な調査データなどは持っ
ていないと言われます。

 更に、運用面では基準(上限値)設定の問題以前に、測定の方でも大きな問
題があります。現在自治体や、各団体では多数の食品の放射線の測定を行って
いますが、γ線を測定するのが精一杯で、α線の測定などはほとんど不可能な
はずです。(きちんと鉛に囲われた測定器で長時間(1時間とか)測定する”
きちん”とした測定でも、α線の測定は出来ません(γ線の測定までです)。そ
れこそ、ガイガーカウンターでさっと表面を計るというのは科学的に見える非
科学の典型でしょう)これは、数値取得の非科学ではないでしょうか。

 本当に食品の放射能を測定をするならば、魚や肉などを焼いて灰にして測定
することが必要となります。(実際、環境中モニタリングのために魚の放射能
を測定する施設では、毎日のように焦げた魚のにおいがしておりました)(人
間の内部被ばく量測定でも、プルトニウムやウランを扱う施設の対象ではバイ
オアッセイといって排泄物を焼く等した後、検出器にかけて測定します)

 また以前、内部被ばくシステム(人間が持つ放射能のγ線測定)を担当した
時に、国産のちょっと古い測定器は10分程度の時間がかかっていたのが、最新
の海外製の物は、1分程度の短時間で同レベルを測定するというので、どのよ
うにしているか聞いたところ、測定器の面積の違い以上に(測定器の面積が大
きいと捕らえる放射線の数が大きくなり性能は上がるのですが)、ソフトの統
計処理が優れていたそうです。ただ、統計処理に頼ると、ちょっとしたソフト
のバグなどに影響受けそうです。そして、こういった立派な機械から数値が出
ると安心してしまいます。これは、ブラックボックス化の非科学でしょうか。

 色々放射能について書きましたが、1つ付け加えておきたい事として、放射
能を0ベクレルにしないと駄目だという話も科学的ではないという事です。自
然界には天然の放射能が意外と多くあり、1日のカリウム摂取量3.3gの放射能
は100ベクレル程度になり、体内に4000ベクレル程度の放射能を常に持つと言
われています。無知につけこむ非科学と言えるかも知れません。

  [ 気象に移り ]

 その後、特殊法人改革などで原子力分野の担当する仕事が減っていくなかで、
グループを異動して(震災の1年程前です)、気象関連の仕事にかわりました。
40を過ぎてから異なる分野につくことはかなり厳しく、リストラ直前(昔の言
い方なら)"窓際"という瀬戸際の状況から気象予報士を取得しました。

 気象予測では6種類ほどの微分方程式で現象が記述出来るとされています。

  ■運動方程式 :水平方向(流体の運動方程式)
  ■静水圧平衡の式  :鉛直方向(気圧と重力のつりあい)
  ■連続の方程式(連続の式) :質量保存
  ■熱力学の第一法則 :熱エネルギー保存
  ■水蒸気の輸送方程式 :水蒸気の保存
  ■気体の状態方程式 :物理量の対応づけ

 これをプリミティブ方程式(基礎方程式)と呼びます。時々誤解されますが、
「第一原理計算のようなものでは」というものですが、大気を水平方向に比
べて上下方向にはあまり動かない静水圧平衡を前提としているので、第一原理
とは違います。(また、第一原理計算というのも、そのような言葉をシミュレ
ーション業界で聞いた場合は、まず、眉につばをつけて聞いた方がよいと思い
ます。多体問題を第一原理から計算すると、通常、計算量爆発を起こす事が多
いので)

 予報業務で用いられるものは、現時点では通常20km四方の格子を採用してい
ますが、現象を表現するには格子の5倍程度が最小分解能となって、100km四
方程度となります。(もともとプリミティブ方程式では、垂直対流については
簡略化しており、細かい気象現象に対応していません)

 まして、現実の気象現象は雨粒1つ1つのレベルからの積み上げと思います
が、このあたりはパラメタなどで組み込まれて表されます。このようにしてモ
デルが出来ます。(最近は上下方向の対流もきちんと計算する非静力学モデル
というものもありこちらの格子は、現在気象庁運用のもので5kmですが、計算
機能力さえあれば1km以下まで対応可能だそうです)

 このようなモデルの持つ限界を知らずに、高価なスーパーコンピュータから
出力された結果とだけ聞くと、間違いの無い予想のように思ってしまいます。
ブラックボックス化の非科学でしょうか。

 シミュレーションの限界は、モデル作成者は認識していて、シミュレーショ
ンモデルの妥当性確認は、大抵、現実の実例と対応をさせて評価することが必
須となっています。

 気象の場合は、それでも毎日現実との相違を一般の人も目に出来るために、
大まかな信頼度というものが実感できると思います。

 しかし、現実との比較が困難なシミュレーションなどでは、難しい課題だと
思います。例えば宇宙創成時のシミュレーション等は検証困難な部類でしょう。
こういった困難なものも、現実の観測により検証されて、はじめて意味を持つ
と意識することが必要だと思います。

……………………………………………………………………………………………
   ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
  ┃第┃15┃回┃信┃州┃大┃学┃物┃理┃会┃総┃会┃の┃概┃要┃
  ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
 次回2012年の信州大学物理会総会は、東京での開催になります。その概要が
固まってきましたのでご報告します。毎回、年次報告、記念講演会と懇親会を
行いますが、講演会では、静岡理工科大学教授 吉田豊氏(7S)にお話いただ
くことになりました。幹事と開催日程は以下のとおりです。

  ▽ 第15回信州大学物理会総会 幹事 が決定 ▽ 

三上浩佳(文理10)、太平博久(6S)、近藤一郎(理学12S)、武原一記(22S)

(1)開催日(予定): 2012年5月26日(土)午後2:00〜5:00
(2)会場: 大手町サンケイプラザ(東京・大手町)         
            ( http://www.s-plaza.com/map/index.html )
            〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 Tel.03-3273-2257〜9
             ※JR東京駅 丸の内北口より徒歩7分
(3)講演会:吉田豊氏(7S:静岡理工科大学 教授)
(4)会貴:10,000円。但し、若手として30歳以下7000円とする。

……………………………………………………………………………………………
   ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
  ┃平┃成┃23┃年┃度┃信┃州┃大┃学┃東┃京┃同┃窓┃会┃
  ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
 例年通り、山沢学長はじめ各学部長にお越しいただけることになって おり
ますので、同窓生共々親しくご懇談いただければ幸いに存じます。 

 講演は、昨年、畜産学の研究で紫綬褒章を受章された農学部教授の大谷元
(おおたにはじめ)先生をお招きし、「牛乳たんぱく質と免疫系の関わりに携
わって35年」を演題にお話しいただくこととなりました。

 今年度の懇親会は、余興・ビンゴなどを取りやめ、テープル毎の自己紹介時
間を設けるなど、初めての方も、学部の違う方も、世代の違う方も、充実した
懇親が出来るよう企画いたしましたので、ふるつてご参加いただくようお願い
いたします。
                      信州大学東京同窓会事務局

1.日時: 平成24年2月4日(土) 受付 13時〜14時
2.場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)千代田区九段北4-2-25 
     電話03-3261-9921
3.タイムスケジュール:
  (1)講演会 14時〜15時30分 
  信州大学農学部教授大谷 元先生(農学部47年卒)「牛乳たんぱく質と免疫
  系の関わりに携わって35年」
  (2)大学からの報告 15時30分〜16時10分 (3)総会 16時10分〜16時30分
  (4)会場移動 16時30分〜16時40分 (5)懇親会16時40分〜19時
4.会費: 10,000円 ただし、平成4年度(5年3月以降)の卒業生は5,000円
5.出欠のご連絡について
  (1) ご回答内容・出欠・氏名・学部・学科・卒業年度・〒・住所
  (2)案内が郵便と重複している場合の連絡はファックスあるいはメールで。
6.照会先
  (個人情報が含まれるために省略)

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   ■ 親切な「素数論」の専門家を紹介していただけませんか? ■     
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                    後藤 澄寿(昭和44年3月文理学部自然科学科卒業) 
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         「何かおもしろいことを書くかもしれない」との勝木先生
 /@ ∵∵∵≪)  のご紹介で、松原さんより原稿依頼がありました。依頼さ
 ε ≪  /    れた趣旨には反すると思いますが、せっかくの機会ですの
 \___ノ     で、私の年来の夢の実現へのご協力をお願いしてみること
                 にします。

 その夢というのは、私の「双子素数の無限定理の証明」が公式に承認される
ことです。そのための最初のステップとして、この「証明」を検討していただ
ける「素数論」の専門家を探しています。同窓生の皆様、どなたかご紹介いた
だけないでしょうか?

 ご承知のように、素数というのは、2、3、5、7、・・・・・のように
1とその数自身の他に約数を持たない自然数であり、双子素数というのは、
(29、31)のように差が2である素数の組のことです。この双子素数は無
限にあることは確からしいのですが、その証明には現在のところ誰も成功して
いないということになっています。

 数学史に名前を残すような数学者も含めて、この証明に成功する人が出てこ
ないのはなぜでしょうか?

 それは、素数の数を正確に表す式が今のところ存在しないからです。正確に
表す式を作るためには、ゼータ関数に関する「リーマン予想」というものを証
明しなくてはならず、この「リーマン予想」こそは、数学史上最大の難問の1
つで100年以上前にリーマンが提出して以来、その証明には誰も成功していな
いのです。

「双子素数の数は無限らしい」ことの証明は、素数の数に関する近似式を使っ
てできますが、もちろんそれはあくまで「無限らしい」ことの証明であって
「無限である」ことの証明にはなりえないわけです。

 私がそもそも、「素数論」に関心を持ったのは、この「誰も成功していない」
というところでした。

 私には子どものときから、1つの夢がありました。それは「誰も成功してい
ない」ことに挑戦するということです。ただし、身体能力には自信がありませ
んので、知的な分野においてですが。最初の挑戦は、中学3年生の1年間、
「任意角の三等分」に取り組んだことでした。

 2度目となる今回の挑戦に取り組み始めたきっかけは、10年ほど前、図書館
でふと手にとった本で「素数」と「双子素数」に出会ったことです。それ以来、
寝ても覚めても「双子素数」について、「ああでもない、こうでもない」と延
々と考え続けているわけです。考え始めると時間は一瞬のうちに過ぎ去り気が
付いてみたら10年経っていました。

 この間、教育研究集会の数学分科会で発表させてもらったり、「数学教育」
の雑誌に投稿したりしましたが、まともに相手にしてくれませんでした。

 こうした長い間の思索と試行錯誤を通じて、私は1つの結論に達しました。
それは、数学界の常識に反して、「双子素数の数を正確の表す式」が存在する
ということです。そして、この私の考えを「素数無限定理」として次のように
まとめました。

   双子素数無限定理                   後藤澄寿
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  
                  
 定理 双子素数は無限に存在する。
 証明 Nkをk番目の素数とし、(Nk+1)2より小さい双子素数の
 個数をTkであらわせば、
 (途中省略)
 Tk>k   よってk→∞ ならTk→∞
 すなわち双子素数は無限に存在する。

 といったものですが、この(途中省略)の部分には、先に書いた通り、数学
界の常識に反する部分が含まれており、ここのところを、専門的に検討してい
ただきたいわけです。

 こんな、年寄のたわごとに付き合ってもらえる親切で奇特な専門家をご紹介
いただける方、ございましたら、当同窓会を通じて後藤までご一報いただけれ
ば、65年間生きて来てこれ以上の喜びはございません。

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 ■ 信大理学部からナノカーボン研究へ ■    
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    篠原 久典(理学8S/化学科・名古屋大学大学院理学研究科 教授/ 名古屋
                大学高等研究院 教授 名古屋市在住) 
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【2011年5月に「カーボン・ハイブリッド物質    \|/           
の創製」で『第64回 中日文化賞』を受賞され     ●   / ̄\ ⊂⌒⊃   
た名古屋大学の篠原教授は、信大理学部化学科   /|\ /   \⊂⊃   
卒と勝木先生からうかがい、原稿をお願いした    ⊂⌒⌒⌒⊃/人\\\   
ところ快諾していただき、今回の掲載となりま     ⊂⌒⌒⌒⌒⌒⊃\\\\  
した。世界の最先端研究の緊張感とスピード感
が圧倒的な迫力で肉迫する感じで、興奮を禁じえません。新聞によれば、受賞
について「国内外の共同研究者と研究室の学生諸君のおかげ」とコメントされ
た。氏の今回の寄稿に感謝するとともに、益々のご活躍をお祈りします。】 
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      信大の学生時代から物理と化学の境界領域の研究を目指す
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄            
 信大理学部(8S)を卒業してから、今年で35年になる。ファインマン先生流
に言えば、”Time flies when you’re enjoying finding things out !” で
ある。私は、化学科の卒業生だが、勝木渥先生のご推薦で、ここ物理同窓会メ
ルマガ会報に拙文を書かせて頂いている。勝木先生が今年の『物理学会誌』8
月号に掲載された「ボルツマン家の二つの不幸」を読んで、それへのコメント
をさせて頂いたのがきっかけだ。

 化学の学生とはいえ、将来、物理と化学の境界領域の研究を目指していたの
で、勝木先生の『物性論』や宮地先生の『量子力学』のご講義に勝手に紛れ込
んで!(後ろの方の席で)拝聴もしていた。卒業研究では、笹根昭伸先生の研
究室で核四極子共鳴 (NQR) を用いた構造相転移の研究を行った。その後、京
都大学の大学院で低温光物性の研究を行い、分子科学研究所、三重大学工学部
を経て、1993年から名古屋大学大学院理学研究科(物質理学専攻)で物理化学
を教えている。(と言うことは、信大の学生時代からの夢? の初志貫徹、か
な。)

 大学院を出て本格的に研究活動を始めてからも(化学より)物理、応用物理
や物質科学 (Materials Science) 分野で研究を行ってきたので、私の論文発
表は Journal of American Chemical Society などよりも Physical Review
 Letters, Physical Review B や Applied Physics Letters などの方が、圧
倒的に多い。

      飛び入り講演「フラーレンの多量合成法」との出会い
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 さて、私の学問研究は、1990年を境に大きく激変した。それも、まったく予
期せぬ変化であった。そう、今から思うと、学問の神様が私を導いてくれたと
しか、理解しようがない。 すでに、色々なところに書いてきたが(例えば、
篠原久典、『ナノカーボンの科学―セレンデイピテイーから始まった大発見の
物語―』講談社ブルーバックス (2007) 参照)、それは偶然のきっかけだった。

 1990年9月12日水曜日、ドイツとスイスの国境のボーデン湖畔にある小さな
ホテルの朝食のテーブルで、Rick Smalley(故人、当時、ライス大学教授、
1996年度ノーベル賞受賞者)は私に一枚の講演用のスライドを見せてくれた。
しかもそのスライドの右下にはC60(代表的なフラーレン物質)の粉末が付い
ていた! Smalleyが手渡してくれたスライドを見ながら、私はしばらく呆然
としていた。なにが起こっているのか、すぐには理解できなかった。

 私とSmalleyはコンスタンツ大学で開かれていたThe 5th International 
Symposium on Small Particle and Inorganic Clusters (ISSPIC 5) に出席の
ために、偶然、同じホテルに滞在していた。C60がグラファイトの蒸発で簡単
に作れるとの最初の発表は、マイクロクラスターや超微粒子の分野で有名なこ
の国際会議で行われた。しかも、Wolfgang Kraetschmer(マックスプランク研
究所ハイデルベルグ教授)らによるフラーレンの多量合成法についての世紀の
発表は10分足らずの飛び入り講演だった。私も自分の研究発表のためにこの会
議に出席していた。

 この世紀の飛び入り講演が、その後の『ナノカーボン』(フラーレン、カー
ボンナノチューブ、ナノピーポット、グラフェンなどのナノメーター・スケー
ルの新規カーボン物質の総称)の研究、さらには「本格的なナノテクノロジー
研究のすべてのはじまり」だった。Kraetschmerの講演に大きな衝撃を受けた
私は、それまでの気相マイクロクラスターの研究を、すべて捨てた。36歳の夏、
だった。

      『金属内包フラーレン』に着目し世界のトップを走る
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 世界中でフラーレン研究に火がついた。途端に、関連論文が1日に30報以上
も出るという異常な事態になった。こうなると研究者は恐怖観念にかられる。
寝ている暇もない。今自分がやっている仕事は、明日には先を越されてしまう
という恐怖観念だ。私も当時は学生と一緒に大学に寝泊まりして実験をすると
いう、むちゃくちゃな時代だった。

 この狂乱的なフラーレン研究のフィーバーの中で、私はいくら実験して論文
を書いたとしても、この状況では2〜3年で忘れ去られてしまうだろう、と思
った。そこで、フラーレン研究のターゲットを絞り込んで、齋藤弥八(現、名
古屋大学教授)と共同でフラーレンのゲージの中に金属を入れる『金属内包フ
ラーレン』の研究を開始した。

 炭素のケージ中へ金属原子を「内包」させることができるのではないか? 
フラーレンの中の空間は完全な真空なので、この空間に金属原子を入れたら、
今までにない全く新しい電子・磁気物性をもつフラーレンが作れるのではない
か? 金属内包フラーレンの多量合成の第一報はライス大学のSmalleyグルー
プに先を越されたが、この研究は非常にうまく行って、この分野で齋藤との共
同研究は世界のトップを走っていった。

 1992年には世界に先駆けて金属内包フラーレンの精製・単離に成功した。さ
らに、1995年には、坂田誠(名古屋大学名誉教授)と高田昌樹(現、理化学研
究所播磨研究所主任研究員)らの全面的な協力を得て、シンクロトロンX線回
折実験により金属原子の内包性をはじめて実験的に証明した。

 今では、金属内包フラーレンはMRIの造影剤や太陽電池などへの応用・実用
化研究が急速に進んでいる。そして、金属内包フラーレンの研究はその後、思
ってもみなかった研究分野を創生することになった。ピーポッド(peapods、
さやえんどう)、である。

      固体物理の伝統的なバンドギャップの概念に一石を投じる
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 1991年に多層カーボンナノチューブ (CNT) が、1993年には単層CNTが飯島澄
男(名城大学教授)らによって相次いで発見されて以来、CNTの研究が物理、
化学、材料や電気電子を問わず、急激に盛んになっていった。2000年、名城大
学の飯島教授グループと共同で私の研究グループは、ガドリニウム(Gd)金属
内包フラーレンの『ピーポット』(フラーレンを「内包」したCNTの総称)を高
収率で創製することに成功した。

 末永和知(現、産業技術総合研究所主任研究員)らの注意深いTEM(透過型
電子顕微鏡)観察によると、驚くべきことに、金属内包フラーレン・ピーポッ
ト中の単一の内包金属原子がはっきりと、しかも室温で観測された。バルク結
晶のX線構造解析の結果と同様に、金属原子はピーポット中でもフラーレンケ
ージの近傍に存在していた。ピーポット構造が単一金属原子のTEM観察を信じ
られないほど簡単にした。さらに、金属内包フラーレン・ピーポッドは極めて
特異な電子輸送特性をもつことが分かった。

 2001年の夏、Young Kuk(ソウル国立大学教授)との共同研究により、温度5
KでのUHV-STS(超高真空走査トンネル分光)の観察から1本の金属内包フラー
レン・ピーポットは、軸方向の場所によってバンド・ギャップが変調されるこ
とを発見した(バンドギャップ変調)。カーボンナノチューブが半導体の場合
は、金属内包フラーレンが存在する場所で伝導帯が急激に減少することを見出
した。この現象は通常のカーボンナノチューブでは考えられない、金属内包フ
ラーレン・ピーポット特有の電子物性である。

 固体物理の伝統的なバンドギャップの概念に一石を投じることになり、多く
の議論が湧き起こった。また、2002年には、金属内包フラーレン・ピーポッド
はFET(電界効果型トランジスター)のチャネルとして使うと、通常の単層CNTの
FETではみられない(p, n両タイプの)ambipolar(両極性)であることも分
かった。しかも、内包させる金属内包フラーレンの種類によってゼロ伝導領域
(バンドギャップに対応する)を自由に変化させることができる。両極性はFE
Tの実用面で特に重要な特性である。ちなみに、これらの研究業績で、私は今
年度の中日文化賞を頂いた。

      グラフェン・ナノリボンは電子デバイスへの応用に期待
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 過去20年、私は、フラーレン、金属内包フラーレン、カーボンナノチューブ、
そして金属内包フラーレン・ピーポッドと、息もつく暇もなく次々と、新規の
ナノカーボン物質の研究に没頭してきた。そんな折しも、2004年に、またもや、
新しいナノカーボンが発見・単離された。『グラフェン』である。2010年の
ノーベル物理学賞は、グラフェンの単離とその半整数量子ホール効果を実験的
に観測した、2人のイギリス人研究者に贈られた。発見からノーベル賞まで6
年という異例の早さである。 

 実は、グラフェンとCNTはその構造と電子物性が親子関係にある。であれば、
グラフェンからCNT、あるいは、CNTからグラフェンが作れないか? という素
朴な疑問に駆られる。そして、ついに、昨年(2010年)、多層CNTから内側の
CNTを取り出す技術を開発することにより、グラフェン・ナノリボンと呼ばれ
る10〜30 nmの極細幅をもつグラフェンを創製できることを見出した。これは
研究室の韓国人大学院生の発見である。

 このナノリボンは通常のグラフェンと異なり、10 meV 程度の小さなバンド
ギャップをもつことも分かった。高いキャリア移動度を有するグラフェン・ナ
ノリボンは、現在、トランジスタなどの電子デバイスへの応用へ大きな期待が
掛っている。

 1990年の晩夏、コンスタンツでの国際会議におけるKraetschmerらのC60多量
合成に関する飛び入り講演に大きな衝撃を受け、私はナノカーボン研究に身を
投じた。それ以後、20年にわたってナノカーボン研究でOdyssey(遍歴)を続
けている。そして、私のOdysseyの、最初の最初のきっかけを作って頂いたの
は、信大理学部である。

 信州大学物理同窓会の、今後の益々のご発展を祈念しております。

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 <再掲>■「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!■
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 1.同窓会費は終身会費として1万円とする。一括払いを原則とするが、本
 人からの申し出があった場合は事務局長が分割払いを認めることができる。

 2.事務局長名で金融機関に同窓会の口座を設ける。事務局長が通帳・印鑑
 を 管理する。会計担当がカードを管理して口座からの出し入れなどを行う。
 
 3.在校生からの同窓会費徴収は、事務局が徴収日を決めて実施する。徴収
 後、在校生の会費支払い者リストは、すみやかに会長ほか、会計担当および
 関連事務局員に伝達する。

 4.金融機関への振込み手数料は会員の負担とする。

 5.会計担当は、年1回開催する総会を利用したり、メールで呼びかけたり
 して、 卒業生からの会費徴収に勤める。

 6.毎年開催の同窓会総会における参加費の徴集など会計管理については、
 その年の幹事が担当し、事務局が補佐する。必要経費は事務局から事前に仮
 払いのかたちで支出できる。幹事は開催後しかるべく早く収支を事務局に報
 告し清算する。 

 7.会計年度を4月から翌年3月とする。           ┳ξ
 会計はすみやかに決算報告を作成                  ●●●
 して会計監査担当から監査を受ける。               ●●
                                                  ●
 8.本細則の改正は総会で行う。
            ┏━┳━┳━┳━┓
 ▼下記いずれかの口座に┃同┃窓┃会┃費┃のお振込みをお願いします!
            ┗━┻━┻━┻━┛
 ------------------------------------------------------------------
  ◆郵便局の場合/通常郵便貯金 
  記号:11150 番号:20343411
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1

  ◆銀行の場合/八十二銀行 信州大学前支店
  店番号:421 普通預金 口座番号:650215  
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1
           
 ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄ ◎編集後記◎/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄

       ●・・当同窓会の設立総会が2002年5月なので、新年で10周年
  /\ ☆  を迎えます。さまざまな出来事が去来しますが、長かったよう
 │○│    な短かったような10年でした。毎月、SKYPEを使って役員
 │ │     会を開催するなど、この間の地道な活動が少しずつ成果をもた
/| |\   らしている気がします。役員をはじめ各位のご努力に感謝。
 ̄ ̄ ̄ ̄    ●・・12月9日に開かれた理学部同窓会の役員会に出席しまし
 ||||     た。いつものように多少の違和感が…。協議・議決会議という
       より伝達会のよう。出席の役員たちももっと自分の意見を自由
に主張して、議論を深めるべきと思いました。席上、各科同窓会の連絡会のよ
うなものを提案し了承されました。ともあれ他科同窓会と運営のノウハウの交
換をし合い、理学部内の同窓会活動活発化の一助になればと思います。(MT)  
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○・・今年は大きな天変地異が多発して、これでもかと人類は傷みつけられた
最悪な年であったと思います。そして我が国は、国のリーダが誰かわからず政
策が先送りされ後世につけがまわりかねないこれまた最悪な年になりそうです。
○・・しかし国民も我慾ばかりに走り過ぎておりませんか。予裕のある高年齢
層は自己負担を少しはして若年層にわけて与える事も必要ではありませんか、
併せてその地位も早めに委譲することも。年寄りは若者に規範を示さなければ
なりません。資源は限られております。国も両方にいい顔をするのではなく百
年の計を考えて節度ある対応が必要です。
○・・過日、当同窓会と大学関係者の主催で学生の就職セミナーがありました。
就職氷河期で大変な事態は承知しておりますが、日本企業は中国清華大学リク
ルートに出かけておりグローバルな人材を求めております。これからの学生諸
氏は海外にその活路を見出すべく打って出る準備が必要です。
○・・篠原久典氏の投稿草案を興奮しながら拝読しました。恐怖観念にかられ
ながら研究に没頭したくだりは印象的でした。どの分野でも最前線の競争は激
しく辛いもの。生生しい活力のある記事でした。現役の学生諸氏に是非読んで
貰いたいと思います。化学科出身の方が物理に投稿して下さり有り難く存じま
す。投稿者の発掘にご尽力下さっております勝木先生に感謝致します。 (MM)
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■ MAILMAGAZINE BULLETIN『信大物理同窓会報』0037号(2011-12年冬号) ■
□ 2011年12月30日  編集・発行/信大物理同窓会事務局
《編集委員》松原正樹(文理10) 藤惇(2S) 渡辺規夫(4S) 太平博久(6S)
□編集長:藤 惇 □ 発行人:根建 恭典
■当会報のWEBでの閲覧サイト: (http://www.supaa.com/kaiho/0036.html)

             ┌──┐  (http://www.supaa.com/)
               │\/│ (info@supaa.com/) (makoto@insatell.co.jp)  
             └──┘     
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