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≪≪≪≪≪≪ ●メルマガ会報0038号 2012年3月28日配信● ≪≪≪≪≪≪≪
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┃信┃┃州┃┃大┃┃学┃┃物┃┃理┃┃同┃┃窓┃┃会┃┃報┃
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│田田田田田| │★ SUPAA MAILMAGAZINE BULLETIN 2012年春号 │
│田田田田田|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│田田田田田|──┐■━━■編集・発行/信大物理同窓会事務局■━━■
│田田田田田|田田| (http://www.supaa.com/)
│田田田田田|田田|〒390-8621松本市旭3-1-1 信州大学理学部物理教室内
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■「旧文理学部物理学科」+「理学部物理科学科」OB&学生と教員の会■
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○-- 深刻な福島原発事故から1年。物理学者としてど --○ ∩
○-- うとらえ、どう解決すべきか。宮地先生の「サラ --○ ⊂○⊃
○-- バ原発」集会での基調講演、そして勝木先生の --○ ∪
○-- "脱原発”論考の最終回、説得力があります。ご --○ ∞l∞
○-- 覧ください。仁科賞受賞の丹羽先輩の連載が始 --○ ∞l∞
○-- まりました。第1回は信大時代の思い出です。 --○ ∞l∞
○-- 季節は春。卒業・入学の話題から[就職支援セミ --○ ∞l∞
○-- ナー] 報告など、今号は盛り沢山となりました。 --○ ∞l∞
【 I ・ N ・ D ・ E ・ X 】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇ 第15回信州大学物理会総会について・・ 第15回信州大学物理会総会 幹事
◇ 第15回信州大学物理会総会:記念講演講師からのメッセージ・・ 吉田 豊
◇(仮題)「"脱原発”を可能にする道」 改め 現代工業社会からの
脱却こそが、脱原発を可能にする《短期集中連載第3・最終回》・勝木 渥
◇ サラバ原発(【脱原発長野県民集会in 松本】での基調提言 )・・宮地 良彦
◇【追想録】根源的なる探求の旅 新連載第1回 ・・・・・・・・丹羽 公雄
◇ 2012年度 信州大学理学部物理科学科入試状況・・・・・・・志水 久
◇ 2012年春 卒業生・修了生の進路状況・・・・・・・・・・・小竹 悟
◇ [第2回物理学生への就職支援セミナー] 開催報告その2
・久保田一久氏『民間企業の経営環境と期待される人材』講演目次
・職就支援セミナー講演の後に考えたこと・・・・・・河上 陽介
・職就支援セミナー主催担当者からの あいさつ ・・・藤 惇
・【就活生からの声】目に余る「就活ビジネス」・・・西田 翼
◇〔 リレーコラム・第3回 〕物理から建築へ・・・・・・・・・ 鶴田 昌生
◇ ┃卒┃業┃論┃文┃┃修┃士┃論┃文┃┃の┃┃テ┃ー┃マ┃
◇ [TOPICS] ・卒業生表彰者に当会から副賞・信大Now定期購読
◇ ▼△ウィーン便り(10)△▼ 聞き慣れない「煙突掃除人」・・・大塚 直彦
◇ 新たに・改めて“同窓会員登録”された面々!!
◇ <再録>「同窓会費」は終身会費として1万円『会計細則』決まる!
◇ 編集後記
……………………………………………………………………………………………
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
┃第┃15┃回┃信┃州┃大┃学┃物┃理┃会┃総┃会┃に┃つ┃い┃て┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
拝 啓
寒さが厳しい中にも日ごとに日差しが強くなり、春の訪れが近いことを伺わ
せる今日この頃となりました。 皆様、ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、第15回物理会総会の開催につきまして、詳細が決まりましたので、ご
案内申し上げます。物理会総会は松本と東京で交互に開催しており、2012年は
東京で開催します。物理会総会では、年次総会、講演会と懇親会を行います。
講演会は、吉田豊氏(理7回・静岡理工科大学教授)にお話しいただきます。
何かとご多忙な折柄ではありますが、多数の会員皆様にご参加いただき、旧交
を温めていただきたくお願い申し上げます。
敬 具 2012年2月吉日
追伸:同窓会員の皆様には、ご欠席の場合1,000円のカンパをお願いいたし
ます。郵送案内に郵便振替用紙を同封させていただきますので、何卒ご協
力をお願い申し上げます。なお、ご出席の場合は会費の中に相当のカンパ
が含まれております。いただいたカンパは同窓会の運営のために使わせて
いただきます。
記
(1)開催日: 2012年5月26日(土)午後2:00〜5:00
(2)会 場: 大手町サンケイプラザ(東京・大手町)
( http://www.s-plaza.com/map/index.html )
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 Tel.03-3273-2257〜9
※JR東京駅 丸の内北口より徒歩7分
(3)講演会:吉田豊氏(7S:静岡理工科大学 教授)
(4)会貴:10,000円。但し、若手として30歳以下7000円とする。
= 第15回信州大学物理会総会 幹事 =
■三上浩佳(文理10) ■太平博久(理学6S) ■近藤一郎(理学12S)
■武原一記(理学22S)
……………………………………………………………………………………………
●記念講演演題:「開かれた心を持った若手研究者育成を目指して」
講師:吉田豊 氏(理学7S: 静岡理工科大学 教授)
《 講師略歴 》
学歴
1977年03月 信州大学理学部物理学科卒業
1978年03月 信州大学理学部物理学科研究生終了
1980年03月 東北大学理学研究科博士前期修了
1983年03月 大阪大学基礎工学研究科博士後期修了
1983年03月 工学博士(大阪大学)
職歴
1983年06月 大阪大学基礎工学部教務員
1983年10月 Hahn-MeitnerInstituteBerlin客員研究員
1986年01月 Wien大学固体物理研究所研究員(メスバウア分光グループ
リーダー)
1990年10月 Hahn-MeitnerInstituteBerlin上級客員研究員
1991年10月 静岡理工科大学・助教授
1995年10月 理化学研究所・客員研究員(現在に至る)
2003年04月 静岡理工科大学・教授(現在に至る)
2010年04月 静岡理工科大学・先端機器分析センター長(現在に至る)
__________________________________
◆記念講演講師 吉田豊 氏 からのメッセージ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨年9月25日から30日まで神戸国際会議場で第65回山田コンファレンス・メ
スバウア効果の応用に関する国際会議=ICAME2011=
(http://www2.convention.co.jp/icame2011tokyo/index.html)
を組織委員長として開催致しました。福島原子力発電所事故後の放射能汚染問
題で多くの国際会議が中止になるという異常事態の中で、東京から急遽神戸に
会場を移して実施しました。事故直後は論文の申込み数が極端に少なかったの
で心配もしましたが、最終的に25カ国から183名(国外103名)もの参加者を迎
えることができたのは、今振り返ると夢のようです。
この会議の特筆すべき点は、ヨーロッパ各国を中心にアジア、アフリカ、南
米などの開発途上国を積極的に取り込んだ「メスバウア家族」が形成されてい
ることです。この家族は、活発な研究者間の学際的な交流によって育まれてき
ました。今回の会議の重要課題を「open mindを有する次世代若手研究者の育
成」としたのは、ちょうど世代交代を迎える時期に当たっていたからです。
ところが、国際会議ではよくある現象ですが、ポスターセッション以外の時
間で海外からの研究者と議論する日本人の姿は、今回もほとんど見ることがで
きませんでした。科学研究の楽しさの一つは「議論」です。研究者の評価も、
議論の中で「どれだけ生き生きと喜びを持って自分の研究結果やアイデアを語
ることができるか」で決まります。会議の目的の一つは「交流」です。異分野
の研究者との議論の中から全く新しい発想が生まれ、次の学際的な研究分野が
形成されていくのです。ですから、日本の中堅研究者が「海外の研究者の輪に
入れない」、もしくは「入ろうとしない」という傾向に大きい懸念を抱いてい
ます。
「open mindを有する研究者が育たない」という問題は、日本人の気質や語学
力だけによるものではなく、「研究者を育てる制度」にも理由があるように思
えます。ヨーロッパでは、博士後期課程やポストドクから研究分野を大きく変
更することができ、そうした若手が多数存在しますが、日本ではそういった道
を望むことは難しい。また、ドイツやオーストリアでは、教授が定年を迎える
とその研究グループは解散し、時間をかけて次の教授(=新たな研究領域を開
拓できる若手の研究者)が選ばれます。
私の知る範囲では、世代を超えて同じ研究分野が継続されることは滅多にあ
りません。予算やスタッフの人数も着任時の交渉で決まります。尚、教授にな
るには資格試験”Habilitation”があり、そこでは研究業績や学術講演の他に、
学生に対する講義の分かり易さ等、多方面で厳しく審査されると聞いています。
講演では、私のベルリン、ウィーン時代から最近までの経験をお話しする中
で、日本の若手育成の問題点や可能性を皆様と共に考えたいと思っています。
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■ (仮題)「"脱原発”を可能にする道」 改め現代工業社会からの
脱却こそが、脱原発を可能にする■ 《短期集中連載第3・最終回》
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勝木 渥 (元信州大学教授/東京都多摩市在住)
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、∩∩ 【 目次 】
⊂田田⊃ ◇ 1.私の読んだ、最良の、原発礼賛の論文 ― エネルギー
⊂田田⊃ の質(時間的・空間的密度)
/∪∪ ◇ 2.お粗末な日本の原発推進派の議論 ― 原発推進派の
学問的怠惰と道徳的退廃
◇ 3.原発推進派のお粗末な議論が、反原発派・原発推進
批判派に及ぼした負の影響
《以上、メルマガ2011年秋号(前々号)に掲載》
◇ 4.エネルギーの質の問題詳論
《メルマガ2011-2012年冬号(前号)に掲載》
◆ 5.現代工業社会からの脱却こそが、脱原発を可能にする
《本号=メルマガ2012春号に掲載》
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*
5.現代工業社会からの脱却こそが、脱原発を可能にする
現代工業社会は、それぞれの生産や消費(これは労働力の再生産である)の
現場が必要とする形態で、時間的・空間的密度の充分に高いエネルギーが安定
して供給され続けていくことが必要であること、そして、この社会的要件を満
たしうるエネルギー源は必要な配電網をともなう原子力発電・火力発電・大型
水力発電しかないことを、これまでの議論で明らかにしてきた。
原子力発電は、大規模事故のさいの取り返しのつかない状況の発生、小規模
事故のさいの放射性廃物のまき散らしだけでなく、正常運行のさいでさえ被曝
労働を必要とするという非人道性(現実の世界では、被曝労働の担い手は何重
もの下請け業界の末端で働く底辺労働者であり、かれらは明日の命で今日の糧
をまかなっている)が避けられず、棄て場のない放射性廃物が産出・蓄積され
るという重大な欠点と、廃炉のさいにも厄介な後始末が必要なことなど、さま
ざまな重大な負の側面をかかえているが、これら一切の負の側面を度外視して、
設備の規模と発電量との比という、差し当たっての短期的な有効性という視点
に立てば、3者のうちで最も勝れている。
現代工業社会の存続を前提とする限り、原子力発電からの社会的離脱は不可
能である。発展途上国が概して原発の導入を望むのは、現代工業社会で搾取さ
れる立場にあったその国が、現代工業社会を無くそうとの立場に立つのではな
くて、自国を現代工業社会で搾取される立場から脱却せしめて、自国に現代工
業社会を打ち立てようと企図するからである。
再生型エネルギー源は現代工業社会が必要とする「(時間的・空間的に)高
密度のエネルギーの安定した供給」という条件を満たしえないから、現代工業
社会の基本的エネルギー源にはなりえない。再生型エネルギー源が基本的エネ
ルギー源となりうるような社会を築くことが、脱原発を社会的に実現するため
の唯一の道である。では、その社会とはどのような社会であろうか。
再生型エネルギー源の発電量は、その時々の条件によって増減するから、そ
れを基本的エネルギー源となしうる社会は、発電量の増減に応じて電力消費の
増減をなしうるような、「地産地消」的な規模の社会となるであろう。
その社会では人々は充分な教育を受け、自らの問題意識に基づいて自発的に
学び、よく考え抜くことによって得られた自分の意見とそれを適切に表現する
能力とを持つと同時に、他の人が同様の過程を経て身につけた(自分とは違う)
意見を理解しえて(ある意見を理解することと、その意見に同意することとは
別のことである)両者の間で噛み合った議論が出来、そのことを通じて両者の
意見が互いに深まり高まっていくことが可能であるような、したがって直接民
主主義による社会の運営が可能であるような社会であるだろう。
このような社会をかりに「コンミューン」と呼ぶことにすれば、世界は「コ
ンミューン」を基本単位とする「コンミューン連帯社会」となるであろう。
そのような社会になってこそ、世界は原発を必要としなくなる。今はまだ私
の観念の中にだけある「コンミューン連帯社会」のいつの日にかの実現を期待
するや切である。
【 完 】
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◆ サ ラ バ 原 発 ◆
(【脱原発長野県民集会in 松本】での基調提言 )
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宮地 良彦(信州大学名誉教授・物理同窓会名誉顧問)
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(~) 【 去る1月28日、「サラバ原発・変えよう暮らし方」の会が主
(こ※こ) 催した『脱原発長野県民集会in松本』が県文化会館で開かれ
(_)(_) ました。集まった700名ほどを前に宮地先生が講演をされまし
たが、そのときの録音をもとに文章化して掲載いたします。】
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● 私と「放射能」との出会い ●
私は大学で物理学という分野を専攻してまいりました。その私が物理学を志
したのは実は「放射能」という言葉がきっかけでございました。もう大変古い
ことになって恐縮なのですが、昭和16年の5月のことでした。その当時、東京
工業大学に竹内時男という先生がおいでになって、その先生が食塩に人工放射
能をつけたという特許の申請を出したことがございました。
その特許の申請に対して、やはり東京においでになりました理化学研究所の
仁科芳雄先生方のグループが、食塩という原子核はその本来の構造上放射能を
持ち得ない、そういう反論をなさいました。そこでその二つのグループが東京
日比谷の公会堂で公開討論会を行ったわけでございます。その様子が当時の新
聞の紙面上で大きく報道されました。
私はその時ちょうど旧制中学校の5年生でしたけどもその新聞を読んだとき、
私は「放射能」という言葉を初めて聞いた訳です。原子核という話も聞いたこ
とはなかった。電子という言葉でさえ曖昧であった。それで世の中にはこうい
う私の知らない神秘の世界があるんだという事を教えられたわけでございます。
実は私はそれまで外交官を志望してまして文系だったわけでございますが、
こういう学問を研究していきたい、そう思いまして物理を勉強しようと考えた
わけでございます。その結果、方針を百八十度転換して旧制大学の物理学科に
入学しました。もちろんやりたいことはそういう原子核の実験・研究でした。
● 日本における原子力研究の転換点 ●
ところがその大学に入って、1年経つか経たないうちに昭和20年の8月に広
島、長崎に原爆が落ちまして、終戦となったわけでございます。日本は戦争に
負けました。
そこへアメリカ軍がやってまいりまして、日本では原子力の研究をしてはい
けない。もう一つゼロ戦のことがありまして、航空力学の研究をやってはいけ
ない。そういう命令を受けたわけでございます。で私の大学(京都大学)にあ
りました建設中のサイクロトロン(素粒子加速装置)という機械は大阪湾の海
の中へ放り捨てられてしまった。これはもう私は原子核の実験ができない、そ
う思いましたけれども、そのうち考えたのはせめてそういう原子とか放射能と
か原子核あるいは素粒子そういう分野の理論的な研究をしていきたいそういう
風に思い直したわけです。
そういうことを考えて私は物理学の研究室に入ったわけです。そして、私が
物理の世界に入って間も無く起こったのが原子力の平和利用ということを提唱
した、あのアメリカの当時の大統領アイゼンハワーの国際連合での演説でござ
いました。
そのとき日本ではこの問題をどう考えていたかと申しますと、戦争に使われ
た原子爆弾を作った科学者の責任、特に原爆の開発を強力に進めた物理学者の
社会的責任、そういうものに対する反省が非常に強かったわけです。で、戦後
まだ間もない復興から立ち上がったばかりなわけですから、日本人は、まだま
だ原子力の研究は時期早尚である。それが大勢であったわけです。
ところがそういう時に、皆さんご存知の自由民主党におられました中曽根康
弘代議士が国会に対して2億3千万の予算をつけて原子炉を作れと提唱しまし
て、それが何と超党派の議員の賛成で通ってしまったわけでございます。
そういうことになりますと物理学会は騒然としたわけでございます。私はま
だ二十代の後半でございましたが、わいわいと反対しましたわけですけれど、
そうなりますと物理学会は或いは学術会議もまあそういう研究をやらざるを得
ないじゃないかという話になってきました。
● 原子力の平和利用と安全の問題 ●
その当時、物理学者の考え方を支配していたのは、日本は唯一の被爆国であ
る。そういう被爆国の物理学者として、やはり原子力の平和利用ということも、
是非考えなければいけない。そういう考え方になってきたわけです。
そういうことから、物理学会では原子力三原則というものを作りました。そ
れは民主・自主・公開、民主的にやろう、自主的にやろう、それから公開で議
論を進めよう。さらにそれに軍事研究に協力しない。そういう付帯決議をつけ
たわけです。そうやって日本の原子力研究が始まったわけですが、今申し上げ
た原子力三原則(民主・自主・公開)の中に実は安全という言葉が入っており
ませんでした。
原爆って言うのは兵器である。それに対して原子力の安全、平和利用ってい
うのは安全でないはずがない、そういうことが安全であるのは当然だと思って
いたわけです。ところが実はこの安全というのが非常に重要な事であった。そ
れが今度の福島の原発の問題でもう皆さんすでにお分かりになっていることと
思います。
そうやって日本の原子力研究が進んで原子力発電が盛んになってまいります
と、いろんなところで心配された事故が起こってきます。アメリカのスリーマ
イル島の事故とそれからロシアのチェルノブイリの大事故。それから日本でも、
もんじゅとかも。原子力発電所がたくさんできて、ちょいちょいいろんな事故
が起きてまいります。
● 当初からあった原子力発電の隠蔽体質 ●
私の友人でそういう所へ行っていた人なんかは、あれは事故じゃないよ故障
だよとかよく言っておりました。けれどもそういうことから要するにだんだん
と見えてきますのはそれを運営している電力会社の隠そう隠そうとしている体
質でございます。
そういうことをいろいろ見たり聞いたりしていると私はどうも原子力発電と
いうのは大変心配な要素を抱えていると思うようになってまいりました。そう
して改めて周りを見回して見ますと、現在行われております原子力発電の危う
さ、例えばウラニウムとプルトニウムを混ぜた核燃料を使ってやる、いわゆる
プルサーマル計画。あるいは、原発を動かしてまいりますと自然に出てくるプ
ルトニウム。それを自動的にどんどん増やしてやる高速増殖炉、もんじゅ。そ
れが事故を起こしました。
そういうものの危険性、あるいは、ちょっと陰にかくれておりますけれど、
六ヶ所村という所で行われております使用済み核燃料からプルトニウムを抽出
するという作業がいかに危険な放射能の中で行われているか。そういうことが
だんだん私にはわかってまいりました。私にしてみますと今度、地震があって、
あの福島の原発の大事故が起こってみますと、やっぱりくるものが来た、そう
いう大きな衝撃を受けたわけでございます。つまり、原子力産業というものは
いかに安易に無責任に続けられてきたかそういうことを私は痛感しております。
原子力の平和利用という美しい言葉に隠れてその中に非常に危険性がたぶん
にある、そういうことを充分に見抜けなかった。そういう意味で私は深い反省
を持っている。そういう事が私を今日の会合に参加させたものでございます。
● 核エネルギーの光と影 ●
考えてみますと、私たちは原始の昔から、太古の時代から、原子力というも
の、物理学で申します核エネルギーの恩恵にあずかってまいりました。その代
表は実は太陽です。太陽からは水の惑星、地球にさんさんと光が降り注いで来
ます。太陽の恵みというのは実は太陽の内部で行われている核融合という核反
応が作り出すエネルギーです。そのような、この太陽という自然が生み出した
自然のエネルギーの優しさに比べまして、浅はかな人間の手が作り出した核エ
ネルギーの利用というのはいかにもおぞましいものとなってしまいました。
その一つは申し上げるまでもございませんが、原子爆弾でございます。そし
てもう一つはそれと並んで、いやそれ以上に、恐ろしいのが実は今度の放射能
災害を引き起こした原子力発電の事故ではないかと私は思っております。わが
国はこれまで、原子力の平和利用をするということとそれからCO2を削減し
て地球環境を良くする。そういうことを旗印にいたしまして、国策民営という
方式で原子力発電を推し進めてまいりました。
その後押しをしたのが一つは電源三法という法律です。つまり原子力発電所
を作るのにどこに作ろうかという土地探しの段階から、それを、原子力発電所
を作って、それを稼動させて電力を送り出す、そういう後まで含めた関係地方
自治体への膨大な財政支援を行ってまいりました。もう一つは日本の工業技術
を過信したいわゆる原発安全神話というものでございます。
そういう二つを掲げてずっとやってまいりました。高度経済成長と安価なエ
ネルギーを追い求めてきたわけです。そういう陰には巨大なリスクがかくされ
ていた。そういう風に私は思っておりました。
原子力発電というのは、ご存知、放射能の汚染やあるいは放射性廃棄物やら
を通じて実は今まで私どもが経験したことのないとてつもないリスクを現在だ
けでなく、私たちだけの世代だけではありません、未来の世代にもずっと背負
わせるそういう産業です。ご存知のように放射能というのは煮ても焼いてもど
うあっても処理することのできない、自然に減少するのを待つしかない、そう
いうものです。それからさらにそういう放射能が人間の体にどういう影響を及
ぼすかと申しますと、そういう事は未だにいろんなデータが無いと言う事で医
学的に言ってもはっきりした見解がない、そういう未知の領域でございます。
考えて見ますと、原子力発電というサービスにつきましては自分で放射能を
持った放射性廃棄物を作り出すわけですけれども、その処理を自分で実際にど
う処理していくか、そういう方策が実は世界的に見てもまだ確定しておりませ
ん。どこでもやったことがない、そういう未完成・未熟な産業ではないかと私
は思います。放射能の影響というのは、人間の文明時代をはるかに超すような
長い期間にわたって、影響を及ぼすようなものでございます。
もう一つ心配なのは、こういう原発でできるプルトニウムを再処理する能力
を持っているということが、その原爆を作る能力を持っているという意味で戦
争の潜在的な抑止力になる。そういう恐ろしい話がきこえてくるのでございま
す。つまりそうなりますと、やっぱり私たちが誇る平和憲法とも関係してくる
ものではないかと私は思っております。
● 世界中で最も危険な動物 ●
ちょっと余談になりますけれども、実は1970年頃、私はヨーロッパに行って
いたことがあるのでございます。そのころ何が世界中で問題になっていたかと
申しますと、公害問題でございました。日本でも川崎とか四日市あるいは光化
学スモッグといったものが頻発しましたし、川が汚水で汚れるそういうことは
非常に大きな問題になりましたし、日本は当時公害の元凶ではないかと世界か
ら指摘されていました。
その時に実はコペンハーゲンという所に私はおったんですが、その公害問題
の展覧会がございました。その展覧会に私は行ったのですが、その出口の所に
行きましたら、非常に大きな鏡がございまして、そこに自分の姿が映っている
ので、何でこんなことになってるんだろうと思って上を見上げましたら、そこ
にはこういうことが書いてありました。
「今あなたが見ているのは、世界中で最も危険な動物です。」
つまり公害を引き起こしたのは人間なんですよ。そういう事です。それを私
は本当に身に沁みておりました。その言葉を今この原発の問題にすぐ適用でき
るのではないかと思います。
福島の原発の放射能災害を引き起こしたのは決して地震でも津波でもない。
私たち人間の浅はかな知恵だった。そう私は痛感しております。よく言われる
ことですが、経済成長の為には原発によるエネルギーは欠かせない。そういう
議論をよく耳にしますが、しかしそれが本当なのでしょうか。背伸びして高い
成長を求める。その為には過剰なエネルギーを確保する必要がある。そういう
事だったんじゃないんでしょうか。
● 物理学者としての私の提案 ●
今まで国が原発に対して、莫大な投資をしてまいりましたけれども、それだ
けの投資を新しいエネルギーの開発というものに、それからもう一つ、エネル
ギーを節約してなるべく使わないようにする。そういう工夫に向けたならば原
発なんかなくてもやってゆけるんじゃないでしょうか。そう考えて見ますと、
昨日新聞上に出ておりましたけれども、五十何基あった原発も今年四月にはど
うやら稼動する所が無くなるようであります。こういう考え方を今こそためす
チャンスではないかと思っております。
私たちにとって、一番大切なのは人間の幸福と尊厳です。私は地球がいつま
でも命の星として、輝き続けることを願っております。そのためにはもうひと
つ、私たちは自分自身のための生活というのをもう一度振り返ってみる必要が
あるのではないでしょうか。
たとえば最近リニア新幹線というものが長野県を通るそういう話がございま
す。このリニア新幹線というのは聞くところによると、原発三基分の電力を消
費する莫大なものだそうです。そういうものがあったら便利には違いないでし
ょうけれども、本当に必要なものなのでしょうか。もうちょっと考えてみる必
要があるのではないかとこう思っております。
いろいろ申すことがありましたけれど私が申したことをさらにまとめてゆき
たいと思います。
1.このたびの災害を起こしたものは、地震でも津波でもない私たち人間で
ございます。巨大なリスクを未来に背負わせるような原発はやっぱりやめよう
ではないか。
2.原発はやめる方向として新しいエネルギーとしてはやっぱり再生可能な
自然エネルギー、そういうものに軸足を置いたエネルギー戦略を是非作ってい
ただきたい。これは私たち国民一人一人がやることよりも国が考えることかも
しれません。しかしそれは是非やらなければなりません。
3.私たちも考え方を改めよう。私たちは少し便利な生活に慣れすぎました。
大きな不安がある便利な生活よりも少しぐらい不便でも、
安全・安心な暮らしを選ぶことを考えてみたらいかがで vvv
しょうか。 vvv ( )
( ) ~|~
それがわたしの提言でございます。長い間ご静聴あり ~|~ | /
がとうございました。 |/\|/
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【追想録】┃根┃源┃的┃な┃る┃探┃求┃の┃旅┃ 新連載第1回
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■ 信州大学文理で学んだこと ■
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丹羽 公雄(文理17/元名古屋大学大学院理学研究科教授)
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【 信大文理学部から名大大学院に進学。原子核乾板飛跡自動読取装置を開発
し、世界で初めてダブルハイパー核の検出に成功した後、タウニュートリノ
反応の検出にも成功する。この発見により2004年の第50回仁科
記念賞を受賞。その後ダークマターの解明にも取り組む。 ☆ ☆
2010年3月名大退職。最終講義演題は「原子核乾板と共に格闘 /☆/
して学んだこと」でした。昨年マスコミをにぎわせた「超光 ///☆
速ニュートリノ」騒動のなかでは、共同研究者として論文発表 ///
に名を連ねることを断った一人でした。これまでの研究生活を
振り返った追想文を当会報に寄せていただきました。】
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▼▲ 松高の伝統を受け継ぐ学風のなかで ▼▲
僕は東京オリンピックの翌年、高度経済成長の真っ盛りの1965年、学術のロ
マンを求めて信大文理学部自然科学科に入った。文理学部キャンパスはヒマラ
ヤ杉が茂り、校舎は旧制松本高校の風格を備えた大正建築である。文理学部の
学生数は旧制高校と同じ一学年90人ほどで、自然科学系は物理、化学、生物、
地学、生物を合わせて50人だった。
加工貿易立国をめざし、たくさんの大学が作られ、旧制高校にルーツをもつ
全国の文理学部は改組(理学部と人文学部に分離、学生数の大幅増)が進んで
いた。信大文理学部も改組を翌年に控えて、入試も通常の2期校でなく「3期
校入試」であった。
新入生歓迎行事で「来年一期校を受け直す」という自己紹介も珍しくなかっ
た。しかし僕は脱線し自論を独演する講義と、痛烈にニクソン大統領、佐藤総
理を槍玉に挙げアジ演説する先輩に感動した。連日開かれる集会、自主ゼミに
参加、友人の下宿を尋ねては「日韓条約と日韓の歴史」、「ベトナム戦争と沖
縄」について討論した。日韓条約反対を掲げて文理の門前に座り込むハンスト
にも参加した。
ドイツ語の教材はエンゲルスの『空想から科学へ』の原文だった。『大学の
探求』(三一書房)を書いた渡辺先生の“冷徹な知”を説く講義に圧倒された。
松崎先生のキルヒホッフ、ホーテブナンの定理、エールステッド、アンペール
などを紹介する電磁気学に引き込まれたがマックスウエル方程式を使わない説
明に物足りなさも感じ、自主ゼミではガリレオの地動説発見のいきさつや唯物
史観による日本史の勉強会も行った。
▼▲ パウエルの「π中間子の検出」論文 ▼▲
冬は連日友人の下宿でコタツに登山用ラジウスを乗せて、茶を沸かしパンの
耳をかじっては深夜まで議論した。その中に松本駅で夜勤の蕎麦売りする苦学
生で猛烈な勉強家と聞く坂田先輩がいた。電子の波動と質点の矛盾した振る舞
いの図による説明に、物理学はなんとすばらしいことかと感動した。他方、受
験勉強で自信があった数学は小柴先生の複素関数論、斉藤先生の幾何学に苦労
し、数学の深遠さに魅了されることもなかった。化学、生物学、地学に感動な
し。
2年間の教養課程を終わって、3年から物理専攻に配属、宮地先生の量子論、
講義中は判ったつもりだったが復習すると判らないことが続出。方向量子化、
不確定性原理などは方程式は解けても感覚的に納得できなく、講義ノートを開
き朝永の『量子力学T』を読み、鶴林堂で解説書を探した。天野清の『量子力
学史』、武谷三男の『量子論の形成と論理』などもかじったが自分の頭の悪さ
に悩んだ。
4年になって全共闘の学園封鎖を阻止するために泊まり込んだ教室で深夜に
電磁気の自主ゼミもやったが、鷺坂ゼミが大変印象に残った。いわく、「名大
の4年ゼミで関戸弥太郎教授から論文読みの課題がでた。その論文(physical
review)は名大に無くアメリカ大使館にあった。書き写し日本語に訳して坂田
昌一等を前に報告したところ、坂田と関戸が大興奮したと……」。
その論文はパウエルの「π中間子の検出」で湯川の1949年ノーベル賞、パウ
エルの1850年ノーベル賞となった4ページほどのレター論文だったのだ。この
話には大変感銘を受け、同時にアメリカ占領軍の文化レベルを知った。しかし、
4年ゼミ「spitzerのプラズマ物理」にも、またGM管で宇宙線μ粒子を捕ら
え、宇宙線の飛来する東西方向間の強度の差をトランジスターでフリップフロ
ップ回路を作って測定する4年実験にも中途半端で何かもやもや、もっと物理
を勉強したいとの気分が残ったまま3月の卒業式を迎えた。
▼▲ 夜勤を選び昼は物理の専門書を読みふける ▼▲
一緒に卒業した自然科学専攻生は38人だった。振り返って信州大学文理学部
は教官も学生も天下国家を論じ、学問の真髄を楽しむエリート意識とプライド
が漂うキャンパスだったと思う。
卒業し就職(教員)試験に落ちていたが自分の将来に不安はなく大阪万博に
も興味が沸かなかった。 文理の案内板で見つけた南松本の「林化工KK」に
履歴書を持って尋ねた。社長が即決採用、社会保険の手続きを済ました。筑摩
の森の下宿そのまま、4月から自転車で通勤を始めた。グラスファイバーを織
り込んだシートで釣竿を作った。
夜勤を選び昼は下宿で物理の専門書を読み、時々大学に行っては特別講義を
聴き、小説類や哲学書を楽しむ生活だった。エンゲルスの『自然弁証法』、武
谷三男の『弁証法の諸問題』を読み、その中で坂田昌一の「素粒子模型」が
「武谷3段階論」に導かれた事を知った。正月休み、院に進んだ同僚と会い物
理をやりたい思いが強くなり、2月の名古屋大学理学部物理修士課程の入試を
受け1浪で修士の学生になった。
名大では坂田の新名古屋模型が予言するチャームクォーク、ニュートリノ振
動にかかわり研究に参加しその中で釣竿つくりの体験さえも役立つことになっ
た。
【 以下次号 】
======================================================================
□■□□■□ 2012年度 信州大学理学部物理科学科入試状況 □■□
----------------------------------------------------------------------
∩ 【 今年度の大学入試が終了しましたが、信大物理では、推薦、前期、
||nnn 後期の3回のチャンスを設定しています。注目の前期日程の志願状
l⊃ノ 況ですが、20人募集に84人の出願で志願倍率4.2倍でここ数年の上昇
/ / 傾向を維持しました。また、ことしは工学部から3年次編入生を受
け入れたり、大学院の入試では不合格者が出るなど、前向きな動き
を見せているようです。】
物理科学科の取り組み
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■学部【推薦入試, 一般入試(前期日程,後期日程), 帰国子女入試, 中国引揚
者等子女入試, 私費外国人留学生入試,3年次編入学】
面接とセンター試験の結果で合否を判定する推薦入試を平成21年度
入試から定員5名で導入した。前期日程と後期日程は、それぞれ定員
20名、10名で募集し、後期日程はセンター試験の結果のみで判定して
いる。
3年次編入学は、短大および高専の卒業生の進学先を提供するため
に実施している。帰国子女、 中国引揚者等子女、 私費外国人留学生
入試は、志願者がいれば実施する。
■大学院(修士課程)
I期, II期:10月に実施(大学院改組のため、平成23年度は2つの入試
を同時に実施)
今年度の状況
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●学部入試:推薦入試は、定員5名に対して13人の受験者があり、半数
以上が長野県外からの受験者だった。志願者数は徐々に増えてきてい
る。今年度の一般入試の志願倍率は前期日程4.2倍, 後期日程4.6倍で
前期は増加傾向にあるが後期は減少傾向にある。全国立大学の前期・
後期の平均は3.2倍, 後期9.9倍なので、前期は平均以上あるが後期は
平均に満たない。また、理工系学部に限った前後期合計の倍率は全国
平均4.2倍に対して約4.3倍になる。
全国平均は以下を参照
http://www.dnc.ac.jp/modules/center_exam/content0473.html
●大学院入試:今年度は、大学院の改組のため入試の時期が遅れ、例年
6月と8月に行っているI期入試とII期入試を10月に同時に実施した。
この時期になると他大学院の入試は終了しているため、日程が重なる
ことはなく、他大学からの受験者2人を含め20人の出願があり、19人
が合格した。
(志水久/91SA・記)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 理 学 部 出 願 状 況(2012年確定志願者数)
学 科 前期 (A)(B)(C) (D)(E) 後期 (A)(B)(C) (D)(E)
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数理・自然情報科学科 25 73 2.9 (3.0)(3.5) 27 219 7.9 (5.7)(8.4)
物理科学科 20 84 4.2 (4.0)(3.4) 10 46 4.6 (5.4)(7.4)
化学科 15 50 3.3 (4.1)(3.7) 15 54 3.6 (5.6)(3.1)
地質科学科 10 28 2.8 (2.5)(1.9) 15 129 8.6 (7.4)(6.3)
生物科学科 15 53 3.5 (1.7)(3.7) 15 141 9.4 (5.2)(6.7)
物質循環学科 10 42 4.2 (4.0)(3.6) 10 135 13.5( 5.7)(10.1)
----------------------------------------------------------------------
(A):募集人員 (B):志願者数 (C):志願倍率(倍) (D):昨年志願倍率(倍)
(E):一昨年志願倍率(倍)
※前期の倍率4.2という数字は、物理科学科としてここ数年来で最高。2009年
には過去最低(?)の1.9を記録してるので、V字回復といえます。学科別でも
本年は物質循環学科と並んで学部で1位でした。原因は「よく判らない」との
ことですが、入試状況の変化がいちばんとしても、学部や学科の様々な施策や
活動が奏効したとも考えられます。 (信大物理同窓会報編集委員会・記)
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□■□□■□ 2012年春 卒業生・修了生の進路状況 □■□
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今年度の就職活動は、活動が本格化する時期に起きた東日本大震災の影響を
大きく受け、採用活動開始時期を遅らせる企業が現れたり、また他国の経済状
況の悪化の影響を受けての円高などにより、大変厳しいものとなり、例年に比
べて決定(内定)する時期が随分と遅くなりました。物理科学科の2月29日現在
の進路状況は、
■学部4年 進学希望者 23名 決定(内定)者 23名
就職希望者 6名 決定(内定)者 3名
■修士2年 進学希望者 1名 決定(内定)者 1名
就職希望者 11名 決定(内定)者 11名
■博士3年 就職希望者 1名 → ポスドク決定 1名
となっており、就職未決定者の内1名は教員志望で空き待ち、他の2名は就
職活動を続けています。進路決(内)定届が改善され、昨年度までは記入欄に該
当するものがなくて書く事ができなかった職種にも対応できるようになりまし
た。
(小竹悟/理学部就職委員会委員・記)
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○● 学生と卒業生の交流講座[第2回物理学生への就職支援セミナー] ●○
開 催 報 告 そ の 2
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【 前号では昨年秋の就職支援セミナー講師をつとめていた
V ? だいた倉田富二氏に感想を書いていただきましたが、今号
(∵) は、民間会社の経営幹部の経験を持つ久保田一久氏の講演
\(@)⊃ 目次と、若手の民間会社社員で講師としてレクチャーをい
〜〜〜〜〜〜 ただいた河上陽介氏のその後の感想文を掲載。さらに、当
会学生賛助担当の藤惇氏のあいさつを載録しました。】
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■ 久保田一久氏(2S/株式会社東海理化顧問・元常務取締役)の
演題:『民間企業(製造業)の経営環境と期待される人材』講演目次 ■
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T、民間企業の経営を取巻く環境
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1. 欧米の経済と日本企業;世界景気の低迷、ドル・ユーロ安(円高)、現
地生産の拡大、先進国の品質要求と技術競争、米国テクニカルセンター
2. 新興国、BRICSと日本企業;グローバルな成長パワー、国内生産に置き換
わる新興国での生産、基本技術の国内開発、自由貿易、技術者に国境なし
3. 地球環境保護、省資源・省エネ;製品/生産技術の見直し、電気自動車
と原子力発電、伝統技術のカラクリ
4. 損失リスク;製品の品質責任、東日本大震災とタイの大洪水、会計処理
の隠蔽や改ざん、リスク管理は経営管理
U、民間企業に今後期待される人材
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1. 技術人材;先進国の技術の湧き出し、モノを生み出し/造る力、日本の
科学技術とノーベル賞、逆境の地信州、信州大学のアイデンティティ
2. グローバル人材;「対等に話し、信頼関係を築き、交渉する」、コミュ
ニケーション能力、言葉の問題、セルフエスティーム、秀でた日本文化、
秀でた科学技術
3. リスクを先読みする感性/想像力;免罪符「想定外」、心配症の人、未
然防止、小松左京の日本沈没
V、信大OBとしてのコメント
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1. 仕事が本当にやりたいことか;人は好きな仕事で成功、良い暮らし・安
定な暮らし、スティーブ・ジョブズ氏、友人の事例
《 私が出合った本 》
1. 『あなたが就職試験に受からない理由』平野稔著(祥伝社
2. 『大学時代、自分のために絶対やっておきたいこと』仙田琢哉著(KK
ベストセラー「死ぬまで仕事に困らないために20代で出会っておきた
い100の言葉」)
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■ 職就支援セミナー講演の後に考えたこと ■
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河上 陽介(01S/TIS株式会社 松本市在住)
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♪ 就職支援セミナーでの講師をしたが、まだ就職活動が始ま
 ̄♪ ̄♪ ̄ ̄ ったばかりだからなのか、期待した話ではなかったからなの
 ̄ ̄ ̄ ̄♪ ̄ か、反応は少なかった。就職活動の作法、テクニック、情勢
などはプロがいるし、どんな人材が欲しいのかなどは下っ端
の私では分からない。なので、就職した後に気をつけることとして、作業から
属人性を排除し、効率的に、楽に作業する事、属人性によらない自分の価値を
探す事について話したのだが……。
この文章を書くに当たって、反応がなかった理由を再度考えてみた。結果、
まだ就職するか、進学するか迷っている人もいるのではと考えた。私自身、何
年か前にはそんな迷いを持っていた気もする。今更かもしれないし、ここに書
いても学生は読まないかもしれないが、その当たりの多少のアドバイスを書こ
うと思う。
もし、迷っている理由が、就職して知的好奇心を満たせるかどうかで、知的
好奇心を満たすのは物理でなくてもいいというなら、就職しても問題はないと
思う。就職しても、それが研究職でなくても、学習、研究する事は山の様にあ
る。たとえば、ソフトウェアの業界なら、プログラミング言語、プログラムの
書き方、製品の管理、人の管理、客用のソフトを作るのなら客の業務等。仕事
なんてしている場合ではないと言いたくなる。
仕事上の学習では満足できないなら、社会人大学なんてものもある。利用し
ていないので何も書けないが。
就職してからの学習のネックになるのは時間である。昼間仕事をしているの
で学習時間は仕事が終わった後、夜に取る事になる。仕事が18時に終わって、
24時に寝るとすると、6時間。食事等生活に必要な活動の時間を除くと3時間
程度を学習に当てることが出来る。3時間というのは仕事が18時に終わった場
合である。もし残業を1時間したら、自由に使える時間は2時間しかない。3
時間残業をしたら0時間だ。残業は学習時間を削る。過ぎた残業は命も削る。
仕事は単なる作業になり、仕事からさえ学ぶ事は出来なくなる。
残業させる無能、する無能がいて、それを止められない無能がいる。学習時
間を確保するために、皆さんには残業させない、しない努力をしていただきた
い。就職しようが、進学しようが知的好奇心を満たす事は出来る。対象はそこ
ら中にある。残業を研究するのも面白いかもしれない。
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■ 職就支援セミナー主催担当者からの あいさつ ■
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藤 惇(2S/信州大学物理同窓会学生賛助担当 松本市在住)
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本日は3人の講師の皆様、お疲れ様でした。今回のような同窓会による諸先
輩からの就職支援セミナーは同窓会にとって念願の企画でありました。
ちょっと経緯からお話しますと、そもそも信大物理同窓会が立ち上がったの
は2002年なんです。当時、学科ごとの同窓会としては化学科(松本化学学士会)
にしかなかった。しかも文理と理学がつながった縦断的なものでした。物理科
としても文理卒業の方々から後輩がいなくなって、なんとかしたいという声が
あがり、そうした動きが具体的に起こってきました。
今年(2011年2月)お亡くなりになった松崎一先生を囲んで、文理と理学合同
の懇親会が自然発生的に生まれました。1998年5月のことです。その後、毎年
4回まで開催され、5回目の会が当物理同窓会の設立総会として設けられ、発
展的に信州大学物理同窓会として立ち上がった訳です。いまも「物理同窓会総
会」でなく「物理会総会」と標記されるのはその当時の名残りです。
当初から、私は会則の起草とかいろいろやらせていだききました。同期の久
保田君と違って劣等性でしたので、物理で食べていけないと思いまして某出版
社に入り、雑誌編集の仕事を東京でやっていました。職場の周りがいわゆる難
関大学の連中ばっかりなんですね。地方大学卒は極く少なく、まして信大卒と
いうのは2000人ほどの社員のなかで1〜2名といったところだったでしょうか。
要するに彼らは、東京の大学を出たというだけでいろんなネットワークを持
っているんです。職場にも同窓人がいっぱい。私自身、若干悔しい思いや寂し
い思いをしました。信州大学も物理学科だけでももっと何とか知名度やブラン
ド力を高めてほしいという気持ちになりました。当物理同窓会の立ち上げに参
加した理由としては、そういった動機が強かったように思います。
同窓会の目指すところは結局「互助会」じゃないかと思うんです。先輩・同
輩・後輩との叱咤激励、励ましあいや助け合い。この大学を出て本当に良かっ
たと思えば、自分の息子や娘を出身大学に入れたいと思います。そういう見本
のような大学の例もありますが、我が信大物理もそういう良いローテーション
にもっていければいいのではないか。相当に根気のいる話ですし、時間もかか
るでしょう。でも、それがこの会の目的の一つじゃないかと思うんですね。
☆ ☆ 「就職」ということは、学生さんも大学の先生もそれから同窓
\☆\ 生も、三者共通のキーワードなんですね。卒業後の人生を決す
☆\\\ る一大イベント「就職活動」を通じて助け合いの機会が生まれ
\\\ る訳です。そこでまず、今回のような支援セミナーをその第一
歩としてやるべきだと考え、企画提案させていただきました。
先ほど出ましたけれども、何千何万何百万という会社の中で、自分にいちば
ん合った職場はどこかを探し出したい。あるいは官庁、研究所などでもそうで
す。そんな情報を、一足先に勤務する先輩から教えてもらえれば助かりますね。
東京なんかの私立大学では「就活面談」といって勤務先の先輩に会いに行って
就職情報をもらってくるということが実際に行われています。支援活動の最終
形としては、この「就活面談」がモデルになります。あるいは一歩手前のメー
ルや電話で問い合わせできるところまでフォローすることだと考えられます。
この活動を行うには、名簿の完備が必須条件です。ところが今、理学部全体
の問題ですが、同窓名簿がしっかり管理されていません。住所はわかったとし
ても、どういう仕事をしているかはもうほとんど散逸している状況です。理学
部同窓会に対して物理同窓会から再三にわたって取り組みを申し入れているの
ですが、今まず、その辺をしっかりさせて、今後、皆さんとか、皆さんの後輩
のお役に立つものにしていかなければならないと思っています。
その意味からも、皆さんご自身も学年幹事を通じて、あるいはWEBサイト
からの登録・更新など、こまめに自己情報を同窓会にお寄せいただきたいと思
います。
さて、これから皆さんは非常に大変な就職戦線に立ち向かって行かれる訳で
すが、そのなかで貴重な体験をされ、有意義な成果をもたらされることを願っ
て、私の挨拶を終えさせていただきます。
=====================================================================
□■□□■□ ┃就┃活┃生┃か┃ら┃の┃声(メッセージ) □■□
┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━
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【 昨年11月に第2回目の「物理学生への就職支援セミナー」を開催
しましたが、これに参加していた院生のおひとりに、その後の就職活
動の進め方も含めて心境を綴っていただきました。たいへん厳しい就
職難なるが故に、それを巧みに利用する実態も見られるようです。】
* * * * * * * * * * * * * * /@) ⊃\/|
■ 目に余る「就活ビジネス」 > ⊃⊃/\|
----------------------------------------------------------------------
西田 翼(信州大学大学院 工学系研究科物質基礎科学専攻光物性研究室1年)
----------------------------------------------------------------------
二月の終わり頃、東京帰りのバスの中で物理同窓会の方から急なお電話を頂
いた。お話を聞かせてもらうと、どうやら厳しい今の就活事情についてメルマ
ガ会報に書いて欲しいという事だった。自分なんかで良いのか、と疑問に思い
つつもせっかくの機会なのでと了承させて頂いた。
※
実際に就職活動をしていて思うことは、就活生を食い物にする商売が横行し
ている現状に対する憤りである。大げさな事ではなく、「就活生は弱者だ。搾
取される立場だという事を忘れるな」とすら叫ばれているほどだ。
世の中には就活生向けのサービスが多く存在する。街の本屋の就活特集には、
エントリーシートの書き方、ビジネスマナー、時事問題、筆記試験対策、面接
術、色々な本が一つの本棚を埋め尽くしている。インターネットを見れば、リ
クルート社を始めとしてES講座や面接対策講座、あるいはセミナーの紹介だっ
たり、就活講座が有料で開催されていたりする。これらはまさに「就活ビジネ
ス」として日本社会の中に溶け込んでいる。
だが、何を隠そうこれら「就活ビジネス」こそが問題なのである。何故かと
言えば、効果のある物が少ないからだ。
出されている就活本のほとんどは画一的な物で、ああいう物は駄目だ、こう
いう書き方をした方が良いと天下り的に示す物ばかりで就活生に何ら思考の余
地を与えていない。「こうすれば大丈夫」という、いわゆるお守りのような物
に成り下がっている。
また、リクルート社等が開催する合同企業説明会や合同セミナーなども同じ
ように感じる。二十分程度の説明しか無く大した話は聞けない、サイクルが早
いので人事との交流もしにくい、あげく最終的には「個別説明会に来てくださ
いね」で終わり。何のためにしているのかさっぱり分からない。私を始めとし
て、最初の一回で行くのを止めた人間は多い。合同セミナーも同様で、行って
きた人の話によれば「会場の全員で軍隊のように挨拶の練習を長々とするだけ」
「少しでも個性的な事をすると、即座に治されてマニュアル的な所に落とし込
まれる。あれでは行かない方が何倍も良い」という感想しか帰ってこない。そ
の他にも数千円ほどかかる有料セミナーなどがあるが、それを活用して上手く
行ったという話は驚くほど少ない。
このように就活生にとって効果の薄い就活ビジネスだが、それらが横行する
のはもちろん就活生が良いカモだからだ。景気が不安定になればなるほどに就
活生の不安は増すし、確実に内定を貰おうとする人が増えるのは当然の流れだ
ろう。そこを狙うため、胡散臭い商法も成り立つのだ。不安を煽る情報を流し、
霊験あらたかなツボを買わせるのと何ら変りない。
その証拠の一つに、企業の方から必死に来てもらおうとしていたバブル時代
ではこんなビジネスは無かったのだ。状況はさらに悪化する。今ではエントリ
ーシートの代行業や添削をするビジネスまであり、風の噂では企業ですらもエ
ントリーシートを振り分ける代行業に依頼しているというのだ。落語か何かの
話かと思うが、残念ながら現実である。
それでも就活生は親を安心させたいし、自分たちより人数の多い老人の年金
を払ってあげるために税金が取られるので少しでも良い給料を貰おうと奮起す
る。そういう必死さにつけ込む人間が多すぎる現状が、「就活生は弱者である」
という言葉に込められている。
もちろん、就活生に非が無いとは言えない。自分で考えずにマニュアルを読
むだけで安心して、それをそのまま実行する人間が駄目だという話は、至極最
もだと思う。しかし今の就職活動がおかしいという事も、揺るがしようの無い
事実である。出来ればこの文章を読んで頂けた方には、自分に関係ないと無視
せずに今一度若者の就活状況を見直して貰いたく、このように長々と書く事に
なってしまった。
そんな中にあって、非常に有意義な就活セミナーを昨年十一月に開催して頂
いた信州大学物理同窓会の皆様方、また研究指導を初めとして就活においても
アドバイスを頂いている物理科学科の教員の皆様には、大勢の就活生に代わり
ここで改めてお礼を申し上げます。これからも助言を頂くかとは思いますが、
ご協力をよろしくお願いします。
=====================================================================
〔 信州大学物理同窓会(メルマガ)会報リレーコラム・第3回 〕
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■ 物理から建築へ ■
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鶴田 昌生(理学9S /素粒子論研究室 名古屋市在住)
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_===_
( ^^) [ 「見えるもの」への興味 ]
o-o-))
鉛筆というものを使う機会が少なくなった。近頃では何でもパ
ソコンや携帯端末のお世話になることが多いようだ。
ワンボードマイコンなるものが登場したのが、森先生のところで卒研をやっ
ている頃で、ゼミでもそれを使った勉強会を行ったりしたものである。
TK-80という製品で、8の字のLEDが計8個、16進数のキーパッド、その他は
電子部品がむき出しというシンプルなものだった。これに機械語でプログラム
するわけだが、高級言語を使わないとこんな格闘になるのか、という印象が強
かった。ブラックボックスの中の電気信号と向き合っているような感じで、こ
のような目に見えないものは「向いてないのかもしれない」というのが実感だ
った。
元々が、見てわかる、というものに興味があったようである。大学での専攻
を考えている時に、物理の他に建築も候補の一つになっていたし、信大でのサ
ークル活動の場も美術研究会というところだった。マイコンの件は、結局この
「見えるもの」への興味を改めて気付かせてくれたのである。
[ 専門学校で出会った師 ]
折しも就職のこと考える時期でもあった。翌年は宮地先生の研究室にお世話
になっていて、一生の仕事というものを考えながら建築設計への興味が強くな
ってきたのだった。
とはいっても、物理学科を卒業したものがいきなり建築設計ができるはずが
ない。かといって大学を再受験するにも年齢のことや経済的なことでハードル
が高い。この際実務教育をしている専門学校に入ると決めて、東京YMCAデザイ
ン研究所というところを選択したのだった。
入学してみると設計製図を教える講師の中に「鬼」とあだ名される方がいた。
課題としては難易度が高く、表現の密度もしっかりしたものを課すが、一方で
評価は辛口なのでそんな冠言葉がつくのである。でも、それが親心からのもの
であると捉えることができるファンも存在して、私もその一人なのだった。
卒業に際して、その先生の事務所への入所を希望したら、しばらくの間は仕
事をセーブして充電期間にするつもりなのでちょっと待ってろ、という不可解
な返事。しかたなく他の事務所で仕事をしながら1年ほどが過ぎた頃、ついに
は押し掛けのようにして通い始めることになった。場所は鎌倉。このような押
し掛け入門が、禅寺においては一つのしきたりのようになっていることを知っ
たのは後日であった。
[ ピュアに光るものを見つけるには ]
建築設計をやっている友人に、私のことを「理知の世界からドロドロの建築
の世界へやって来た」と言う者がいる。確かに、人間相手の仕事だけに、理屈
で割り切れない事柄に遭遇することもしばしば。でも、ドロドロに見えるもの
からピュアに光るものを見つけるには、本質とか根源を見る努力が欠かせない
と思う。
その基本は、私の場合はやはり物理から学んだものが大きいようである。
鎌倉の師から離れて、今は地元に帰って設計事務所を自営している。図面も
文書もパソコンのおかげで扱いが楽になったし、インターネットでの情報のや
り取りも自在。かつてマイコンなるものと格闘していたことが嘘のように、便
利な環境になった。
それでも、やはりスケッチは手書き。人間、目と手で考えている部分が多い
のかもしれない。そんなことを考えながら仕事をしているようである。
======================================================================
┃卒┃業┃論┃文 ┃修┃士┃論┃文 ┃の ┃テ┃ー┃マ
┗━┗━┗━┗━ ┗━┗━┗━┗━ ┗━ ┗━┗━┗━
本年卒業・修了された方々の論文のタイトルを以下にご紹介します。
________________________________
◎ 学部卒業生
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
中尾 健志:原子核構造論の初歩
下嶋 健嗣:宇宙定数と相対論的宇宙モデル
佐藤 彰寿:QED〜相対論的量子力学の散乱過程における考察〜
堀越 聖篤:ゲージ場の量子論
後藤 裕平:自発的対称性の破れ
宮崎 高大:ニュートロンモニターによる宇宙線中性子の観測
伊橋 諒:太陽活動と宇宙線の緯度効果
森口 真靖:宇宙線異方性と太陽活動の長周期変動
松林 恵理:空気シャワーのRossiとGreisenのA近似とシミュレーションの
比較
岡本 理奈:クエーサーHE0515-4414の視線上にある吸収体の性質
小山田 涼香:クエーサーHE0001-2340の視線上にある吸収体の性質
水谷 伶:ストリップ型プラスチックシンチレータの光量測定
浜崎 竜太郎:MPPCを用いた高密度なシンチレータの光量測定
小倉 隆義:PPCを用いた小型放射線検出器の製作と性能評価
金子 慶介:Geant4を用いたILC用電磁カロリメータの位置分解能に関する
性能評価
比嘉 一志, 橋栄也:微視的非局所線形応答理論を用いた電磁場応答
長沼 伸明, 向出 翔一:シミュレーションによるER流体の妥当性の評価
市瀬 和也, 松浦 智哉:超伝導体におけるBCS理論
松村 涼也:Magnetism of YFe12-xGax
水P 友豪:Pd2Mn1+xSn1-xの磁性
佐藤 直:半導体表面の屈折率変化によるメタマテリアルの共振周波数変化
石井 浩亮:旋光性メタマテリアルの作製
島田 翔平:テラヘルツハイパーレンズの実現に向けて
岸田 拓己:Q値の異なる二つの共振器を用いた電磁誘起透明化現象
川島 徳巳:メタマテリアルバイオセンシングにおける水の影響
船窪 秀紀:テラヘルツ時間領域分光法の高速化
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◎ 修士修了生
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小多 亜弥:標準模型における自然さの問題に対する考察と超対称性について
瀬木 健太郎:インフレーションと宇宙論的摂動
供野 潤也:超弦理論とDブレーン
野中 淳平:ATLAS実験における端部μ粒子トリガー検出器応答シミュレー
ションの7TeV陽子陽子衝突事象を用いた最適化
大塚 規文:ILD測定器の細分割電磁カロリメータのμ粒子を用いた較正
山浦 弥:ILCにおける準安定スタウのシミュレーションによる解析
小財 正義:汎世界的宇宙線観測ネットワークで観測された銀河宇宙線密度の
三次元空間分布
稲葉 智基:宇宙線太陽時異方性の太陽活動周期変動
正川 友朗:チベット空気シャワーアレイで観測された太陽の影と太陽磁場
構造
清水 文崇:Ornstein-Zernike方程式を用いた固体-液体相転移の解析
内山 登志行:Ce2M3X5 (M:遷移金属, X:Si,Ge)の高圧下電気抵抗測定
小林 顕一:3d, 4d遷移金属合金(Fe,Mn)(Rh,Pd)の遍歴電子磁性研究
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◎ 博士修了生
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三浦 貴司:余剰次元模型に基づくゲージ対称性の破れと超対称性の破れに
ついて
※修士論文・博士論文は印刷物として学科に保管されています。
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┃T┃O┃P┃I┃C┃S┃
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┃卒┃業┃生┃表┃彰┃者┃に┃副┃賞┃
◎3月21日(水) に信大松本地区の合同卒業式が、松本市の県松本文化会
館で開かれました。人文、経済、理、医の4学部の学生と院生合わせて
1033人が卒業しました。
午後からは各科に分かれて卒業証書の授与式が行われ、物理は3階8
第8番講義室に集合。学科長の天児先生から、出席者全員に証書が授与
され、その後、成績優勝者11名にも表彰状が授与。さらに当会から、今
回で3回めとなる副賞(あずみ野ガラス工房製の【貝がらフォトスタン
ド】)とお祝いのカードが贈呈されました。
【表彰者】
・卒業生(5人) 川島 徳巳 佐藤 彰寿 中尾 健志 比嘉 一志
森口 真靖
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┃信┃大┃Now┃定┃期┃購┃読┃に┃つ┃い┃て┃
◎ 信州大学研究推進部産学官地域連携課の大坪梓氏より、以下の連絡が
ありました。
「日頃は信大NOW定期購読案内に関して、チラシを同封いただくなどご
協力をいただきまして、有難うございます。2月11日(土)に開催しま
した連合会役員会にて報告しましたとおり、定期購読申込者は少なく、
リピーターもわずか13%となっており、チラシ案内を継続することは辞
めることとなりました。なお、チラシ案内は、まだ2期目を配布してい
ない文理学部、教育学部の2学部の配布で終了することとなります。
(これまでの申込者に対しては、申込継続案内を行うなどの対応を検討
中です。)」
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┃大┃塚┃直┃彦┃の┃ウ┃ィ┃ー┃ン┃便┃り ┃第┃10┃回
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◎日本じゃ聞き慣れない「煙突掃除人」
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大塚 直彦(理学24S/国際原子力機関・IAEA勤務)
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これまでウィーンの冬は、11月から12月にかけてが最も寒い、というイメー
ジがありましたが、この冬はその時期が終わったかと思いきや、2月には最高
気温が氷点下10度という日が続き、大変に寒い思いをしました。職場近くの湖
(Kaiserwasser)やドナウ河の旧流(Alte Donau)、更にはドナウ本流の脇の放水
路(Neue Donau)まで全てが凍りつき、職場の窓からはスケートを楽しむ人を大
勢見ることができました。
それでもありがたいことに春はきちんとやってくるもので、2週前の週末、
我が家の庭に小さな白い花が沢山咲いているのを発見してとても嬉しくなり
ました。その花の写真をブログに掲載したところ、早速大学院時代の知人が
「それは待雪草(Schneegloeckchen)ですよ」と教えてくれました。便利なもの
です。
このドイツ語名を直訳すると「雪の鈴」になりますが、その名の通り、庭に
白い小さな塊が沢山ぶらさがっているように見えました。この「雪の鈴」に
加えて、道端の露地に誰かが植えた球根が綺麗な花を付けていたり、夜明けが
日々早くなったり、復活祭のうさぎのチョコレートが店頭に並んだり、と、
一旦気づきはじめるとあちこちに春が発見できるこの季節の変化には全くうき
うきさせられます。生まれ育った関西と違って曇空が続くという当地の事情も、
春の訪れにまた一層の喜びを加えるようです。
(16MAR.2012)
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■ ある日、アパートの玄関に張り紙
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さて、そんな春も近づくある日のこと、アパートの玄関に”Hauptkehren”
と書かれた張り紙をみつけました。その張り紙には日時が特定されていて、
アパート各戸に何者かがやってくるらしい、ということは察しがつきました。
この単語を辞書で調べて、その何者が何と「煙突掃除人」であると判明して
驚きました。煙突といっても我が家では薪など焚いておらず、単にガス湯沸か
し器の換気口が煙突につながっているだけなのですが、そのような煙突(とい
うか換気口)ですら年1度の煙突掃除は義務となっているらしいのです。
我が家には二メートル四方くらいの巨大な鏡が廊下にかかっているのですが、
「この鏡の裏に煙突の点検口があり、年に一度はこの鏡をずらさなければいけ
ませんよ」ともう1年ほど前の入居時に大家さんが言っていたことを思い出
し、掃除人に迷惑をかけまいと苦労して鏡をずらしました。
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■ 煙突の設置と「煙突掃除人」の検査を受ける義務
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指定された朝7時〜9時という訪問時刻は日本人には随分と早朝に感じ
られますが、こちらの小包の宅配などでは典型的な時間です。ただ困ったこと
にウィーンでは、この種の人たちはひどく早くきたり、あるいは午前中に来な
かったり、ひどい時には来なかったり、ということがあるので、はて一体何時
にやってくるのかと心配になりました。
ところがこの煙突掃除人は極めて正確な人で、当日は朝ほぼ7時丁度に呼び
鈴がなりました。煙突掃除人というから長い掃除棒でも持ってやってくるのか
と思いきや、彼は大した道具も持たず、点検口を開けてブラシで10秒位何かを
ならすような動作をしてそれで終わりでしたので、苦労して鏡をずらしてちょ
っと損した気分にすらなりました。
その後ほどなくしてのある宴会で、うちの課長(イギリス人)のアパートに
も煙突掃除人が来たと話したことががきっかけでこの煙突掃除が話題となり、
私の前職者や秘書であるオーストリア人から色々な話を聞くことができました。
煙突掃除の規則の起こりは地域によりさまざまなようですが、ウィーンの場
合、1881年12月8日にリング劇場火災(Ringtheaterbrand)という当局発表で400
人の死者を出す大惨事があり、その後の火災に関する規制強化の一環として、
煙突掃除に関する規則も強化されたということです。
現在のオーストリアの規則では、熱源を温水等外部からの供給に頼るにせよ、
外部熱源が使えなくなった場合に備えて、全ての新築物件に煙突を設置する義
務があり、また、その煙突を日常的に湯沸器などの目的に使っている場合、毎
年1度は煙突掃除人の検査を受ける義務があるのだそうです。更に暖炉などを
持つうちはより頻繁に検査を受ける必要があるそうです。
我が家に煙突掃除人がやってきたとき、隣のおばあさんはベルを鳴らされて
もドアを開けなかったのですが、1年間来訪を断り続けると煙突掃除人は法律
的な手続きを開始するということです。
このように、煙突掃除人は単なる掃除人ではなく、日本でいうところの司法
警察のような地位を持っており、防火警察(Feuerpolizei)というような俗称す
ら
持っている偉い人たちなのです。煙突掃除人は各戸ごとに予め定められており、
従って住人には煙突掃除人を選ぶ権利はありません。我が家の大家さんが最近
息子さんのうちにガス湯沸しの交換した際にはこの煙突掃除人の検査のために
莫大な費用がかかったとこぼしていました。このような話を見聞きして、
煙突掃除人とはなんと守られた職業の人たちだろう、という印象を持ちました。
ここには詳しく記しませんが、ドイツにも、ナチによる煙突掃除法の制定を
はじめとする色々な興味深い話があるようです。
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■ 人々に愛される幸運のシンボルにも
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さて、こう書くとオーストリアの市民の持つ煙突掃除人の印象は余りよくな
いように聞こえるかも知れませんが、実は、煙突掃除人は火災を防ぐ役目を担
っているせいか、こちらでは四つ葉のクローバー、テントウムシ、ベニテング
ダケなどと並ぶ縁起物でもあるらしく、年末の縁起物の市にその人形が並んだ
り、また地方によっては結婚式に参列してもらったり、と、煙突掃除人は幸運
のシンボルとして人々に愛されているようです。
●『OB/OG』第6回→( http://www.supaa.com/kikou/otsuka01.html )
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<再掲>■「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!■
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1.同窓会費は終身会費として1万円とする。一括払いを原則とするが、本
人からの申し出があった場合は事務局長が分割払いを認めることができる。
2.事務局長名で金融機関に同窓会の口座を設ける。事務局長が通帳・印鑑
を 管理する。会計担当がカードを管理して口座からの出し入れなどを行う。
3.在校生からの同窓会費徴収は、事務局が徴収日を決めて実施する。徴収
後、在校生の会費支払い者リストは、すみやかに会長ほか、会計担当および
関連事務局員に伝達する。
4.金融機関への振込み手数料は会員の負担とする。
5.会計担当は、年1回開催する総会を利用したり、メールで呼びかけたり
して、 卒業生からの会費徴収に勤める。
6.毎年開催の同窓会総会における参加費の徴集など会計管理については、
その年の幹事が担当し、事務局が補佐する。必要経費は事務局から事前に仮
払いのかたちで支出できる。幹事は開催後しかるべく早く収支を事務局に報
告し清算する。
7.会計年度を4月から翌年3月とする。 ┳ξ
会計はすみやかに決算報告を作成 ●●●
して会計監査担当から監査を受ける。 ●●
●
8.本細則の改正は総会で行う。
┏━┳━┳━┳━┓
▼下記いずれかの口座に┃同┃窓┃会┃費┃のお振込みをお願いします!
┗━┻━┻━┻━┛
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◆郵便局の場合/通常郵便貯金
記号:11150 番号:20343411
口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
住所:390-8621 松本市旭3-1-1
◆銀行の場合/八十二銀行 信州大学前支店
店番号:421 普通預金 口座番号:650215
口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
住所:390-8621 松本市旭3-1-1
 ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄ ◎編集後記◎/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄
●・・宮地良彦先生は今年1月に87歳になられました。その活動はますます盛
んのようにお見受けします。今号に掲載させていただいた「サラバ原発」集
会での基調講演、留学生による日本語弁論大会の審査委員長、さきごろ無投
票で再選された菅谷昭松本市長(信大医学部出身)の選対本部事務長などなど、
“行動する研究者”のお手本のようです。また、信念に従った勇気ある発言
には頭が下がります。末永いご健勝をお祈り申し上げます。
●・・故松崎先生とのやりとりも記述されている北杜夫『どく
/\ ☆ とるマンボウ青春記』は多くの信大物理生の愛読書だと思い
│○│ ます。その北さんも昨年10月に亡くくなられましたが、先日、
│ │ 北杜夫さんの下宿先であった松本市巾上の与曽井さんからお
/| |\ 話を聞く会が開かれました。旧制松本高校の雰囲気や北杜夫
 ̄ ̄ ̄ ̄ さんの人となりを知るいい機会でした。
|||| ●・・「光より速いニュートリノ」発見と騒がれた昨年の欧州
合同原子核研究所の実験結果ですが、当初から異を唱えた研
究者に丹羽公雄元名大大学院教授がいました。結局、観測ミ
スだったのですが。その丹羽先輩が当会報に連載原稿を寄せていただくことに。
体調回復途上のなか、今回の依頼を受けていただき感謝にたえません。(MT)
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○・・昨日、福島原発被害者支援チャリティーコンサートに参加してきました。
主催者代表が現場は過酷な状況である事、何十年も続く取り返しのつかない
人災、科学者・技術者の責任は重い事を切々と訴えました。
○・・TV、PC 等の器械類は壊れれば新品と取り換える事が出来ますが、原子
炉は簡単に新品と取り換えられない実に厄介な器械・装置です。
○・・宮地先生のご講演の中の提案に有りましたように、原発は止める方向で
進まなければなりません。脱原発宣言を出したドイツのメルケル首相は物理
出身とか。後世に負の遺産を残さない事が一つの理由とも聞いております。
○・・唯一の被爆国が、類する事故を起こしてしまい、辺境の国、日本は呪わ
れているのでしょうか。 (MM)
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■ MAILMAGAZINE BULLETIN 『信大物理同窓会報』0038号(2012年春号) ■
□ 2012年3月28日 編集・発行/信大物理同窓会事務局
《編集委員》松原正樹(文理10) 藤惇(2S) 渡辺規夫(4S) 太平博久(6S)
□編集長:藤 惇 □ 発行人:根建 恭典
■当会報のWEBでの閲覧サイト: (http://www.supaa.com/kaiho/0038.html)
┌──┐ (http://www.supaa.com/)
│\/│ (info@supaa.com/) (makoto@insatell.co.jp)
└──┘
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(C)信州大学物理同窓会事務局 無断複製・転載を禁ず
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