在学生の皆さんの発言コーナーです。どうぞ気楽に“声”を寄せてください!

 信州大学物理科学科に入って

   = 2009年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(3) =

 山崎 綾紗(理学09S) 24JUL.2009

 信州大学に入学して、3ヶ月ほどが経ちました。はじめのころに比べると少しは慣れてきたかなあと思います。

 わたしはまず、履修を決めるのにとまどいました。必須の科目もあったけど、大部分が自由で、そして選べるものが膨大で、自分の興味があるものに絞るのも大変でした。どの授業もそれぞれに異なった目標をもち、専門的で、高校や中学の授業とは違うんだと思いました。実際に授業を受けてみても、教えてくださる先生方はそれぞれに専門的な知識をお持ちで、その分野に秀でた方々なんだと思いました。

 さて、わたしは物理学に興味を持ち、物理科学科に入学したのですが、まずとまどったのは物理には思っていた以上に数学が大切だったということです。はじめに微分積分学の授業を必ず受けておくようにと言われた意味がよくわかりました。力学の授業では微分積分がたっぷりでてきました。

 でも、だんだんと学ぶうちにニュートンの運動方程式にはわたしの知らないいろんな意味があるんだということがわかってきて、物理学にますます興味を持ちました。わたしはまだ物理学の世界のごく一部しか知りません。わたしたちの世界にはどんな法則があるのか、その法則を知ることで新たにわかることはどんなことなのか、これからより深く物理学を学ぶことで知っていきたいです。


 信州大学に入学した理由とこれからの決意

   = 2009年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(2) =

 森田 博紀 (理学09S) 20JUL.2009

 私はほんの1年前までは志望校が定まっていませんでした。正直言うと、私立大学でも国公立大学でもどちらでもよかったのです。しかし、この気持ちが国立大学に行きたいという気持ちに変わったのは高3の秋でした。私はもともと物理学科にしか行く気がありませんでした。2歳年上の兄が大阪大学の物理学科ということもあって物理の楽しさなどをよく聞かされていました。それに高校の物理も教科の中では一番好きな科目でした。そして、やはり物理を学ぶためには少人数制の国立大学しかないなという気持ちが次第に強くなっていきました。

 そしてこの気持ちにさらに拍車をかけたのは益川、小林さんや南部さんのノーベル賞受賞というニュースでした。日本人の研究が世界に認められ、ノーベル賞を受賞することに対し、とても大きな感動を覚えました。地元の大阪から離れることになってしまいましたが、国立の信州大学に入学できて満足しています。

 信州大学の良いところは教授と学生との距離が近く、思った疑問をすぐに質問できる点だとおもいます。私は学生にとって自分の意見を述べることは一番大切なことだと考えています。やはり、人の話を聞いて理解するだけではなく、そのことに対していろいろな疑問を抱き、その疑問を多くの仲間で話し合うことが必要だと思います。大学というのは一人一人の考えについてディスカッションできる最善の場所だと思います。信州大学では必ずこのようなことが可能だと思います。

 私が常に考えていることは「どこの大学に入ったかではなく、大学で何をしたかが大切である」ということです。

 大学では勉強だけでなく、いろいろなことを経験できる場所でもあります。私がまず最初に壁にぶち当たったのは一人暮らしについてのことです。実家にいたときは親がご飯を作ってくれ、洗濯もしてくれていました。親に頼りっぱなしだったということに痛感させられました。しかし、その一人暮らしにもだんだんと慣れてきて、ようやく自信がついてきました。将来、社会人になり、一人暮らしをするための猶予期間としては大学での4年間の一人暮らしはとても最適だと思います。

 そして、サークルでは学年、学部を超えて様々な人との出会いがありました。人との出会いは素晴らしいもので、勉強やアルバイトや一人暮らしのことについての相談をする仲間がたくさん出来ました。


 信州大学物理科学科で学ぶにあたって

   = 2009年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(1) =

 杉浦佑樹 (理学09S) 20JUL.2009

 僕が信州大学物理科学科に入って3カ月ちょっとになります。期待と不安を抱えながら行った入学式を振り返るとなんだか不思議な気がします。物理を学ぼうと訪れた松本の印象は僻地でした。こんな荒々しい山々に囲まれながら、ひとりで生活するのに戸惑わずにはいられませんでした。何をするにもはじめてのことばかりで、何が正解で、何が間違っているのか全くわかりませんでした。それでも、友人の力を借り、親の偉大さを知り、この土地に親しみを感じ、あっというまに、時間が過ぎ今ここにいます。

 やっぱり、不思議なことです。物理を習おうとしたきっかけも、そんな些細な不思議を探究しようとした結果だと思います。基本的な性質として無知な自分が許せないのかもしれません。しかし、わかったときの喜びもひとしおです。アインシュタインは「大切なのは問うのをやめないことです。好奇心は、それ自体に存在理由を持っているのです」という言葉を残しました。みんなも何かに興味がわくように、僕の場合も好奇心の延長線上に、ただ物理という学問があったのだと思います。そして、それを持ち続けることが物理学だと思います。

 さて、こういう願望を抱きながら勉強嫌いなもんですから、1年生の前期に習う専門科目である、高校の範囲とは微妙にかぶりつつも、やり方の違う力学には困ってばかりです。この力学というものは、微分を多用に使うもんですから、数学をやっているような錯覚にさえ陥ります。つまり、裏を返すと数学をまじめに勉強しないと全くチンプンカンプンになってしまう恐ろしい学問です。これに限らず物理を学ぶ上で、数学は切っても切れない縁にあると思います。数学をおっくうに思わず、この土台作りをしっかりして、物理初心者としてのスタートを切りたいです。

 過去、現在、の『時』をテーマに書かしてもらいましたが、次に未来について書かしてもらいたいと思います。ちなみに、『時』というキーワードは物理の中で一番好きな単語です。

 僕は将来的には、素粒子物理学の理論のほうに進みたいと思っています。小林、益川、南部の3名がノーベル賞を受賞した時の感動と喜びは今でも覚えています。この3人の研究も素粒子物理学でした。実際、宇宙の誕生に関わる分野ですので、前から好いてはいたんですが、この受賞を見て確かなものとなりました。日本人の理論の分野での受賞歴もすごいものを感じます。大学生活はまだ始まったばかりです。

 最近は怠惰な気持ちが絶え間なく出ている感じですが、自分の選択した道に自信を持って、後悔をせず、自分の選択する道に希望を持っていきたいです。この怠惰な気持ちを振り払って、一日一日を全力投球で生きていきたい所存です。


 私が信大で物理を学ぶのは…

   = 2008年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(4) =

 伊橋 諒(理学08S) 31JUL.2008

 僕が信州大学物理科学科に入学したのは、幅広い分野の物理学の知識を確実に身に付けられる教育カリキュラムや、以前から興味を持っていた宇宙物理学、素粒子物理学を学ぶ機会が多く得られる環境に強く惹かれたためです。物理科学科の理念としても挙げられているように、様々な自然現象に潜む原理や法則を明かしていくことにより自然を理解する学問である物理学には、知識の所有だけではなく自由な発想力や豊かな創造力が必要とされています。それらの力を伸ばしていくために物理科学科では、講義によって知識を得るだけでなく、実験の授業を多く行うことによって、より実践的な能力を向上させることに力を注いでいるということも魅力の一つだと思いました。

 素粒子物理学とは、簡単に言えば物質を形作っている最小の構成単位を探求し、それらの間に働く力を解明する学問のことである。つまり、この世界を構成している基礎の部分を学ぶということになる。それを考えると、僕はわくわくします。僕はもともと、宇宙というものがなぜ誕生したのか、宇宙はどこまで広がっているのかなど、宇宙に対して様々な疑問を抱いていたため、宇宙の始まり=素粒子学を一から学びたいと思い、この信州大学物理科学科を希望しました。

 信州大学に入ってから、4ヶ月がすでに経ちました。僕は教職を履修しているので、1年のうちで学べる専門科目は、主に力学です。初めは大学の力学にとても戸惑いました。加速度aをd2x/dt2と表すことやξを使うことなど、なぜこのように置いたり、証明を導けたりするのかわかりませんでした。大学の物理は高校の物理と違い、数学がわかってないと理解することは難しいことだと思いました。今はまだ習っていませんが、3年次で学ぶ量子力学で線形代数学をフルに使うと聞きました。また、距離xから速度vを導いたり、速度vから加速度aを導いたりする際には、微分を使わなければいけません。つまり、数学なくして、物理はありえない。こんな慣れないことばかりでしたが、先生方に積極的に質問に行ったり、物理科の友達と問題を解きあったりして、少しずつ大学の勉強に慣れてきた気がします。

 大学に入り、まだまだ学んでいくことがたくさんあると思います。大学は本当に自由で、つまりそれは自分が積極的に行動すれば、自分の学びたいことを学べる。そのような、機会を僕たちは逃してはならないと思います。その際に大きな壁にぶつかることもありますが、そのときは大学の先生方や友達、先輩方と協力したり、アドバイスをもらうことで、自分自身を高めていきたいと思います。


 私が信大で物理を学ぶのは…

   = 2008年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(3) =

 後藤 裕平 (理学08S) 31JUL.2008

 私が信州大学の理学部物理科学科を受験した理由、それは長野のきれいな山々に囲まれた大自然の中で物理という自然界の原点を学べるということは、勉強するためにはとても良い環境であると思ったということが大きな理由の1つです。

 また、私は小学生のときから、宇宙のことについて興味を持っており、高校のときには大学では宇宙について学ぼうと早い段階で決めていました。そんな中、信州大学では宇宙物理学について学べると知り、その段階で信州大学受験することを決めました。私にとって、宇宙について勉強するということは、大きな目標の1つだったのです。また、高校のときに勉強していた物理で、私たちの生活の中に物理はいろいろな分野で深く結びついていると知ったことも理由の1つです 。

 実際、信州大学理学部物理科学科に入って数ヶ月、いい自然環境・勉強環境で学べていることは確かです。夜、空を見ると実家では見ることができない量の星に癒されています。なので、目標に向かって勉強できそうな気がしています。しかし今、やっぱり大学の勉強は大変だということを痛感しています。内容も多く、深く、今まで学んできたこととは、まるで別の学問のように感じています。でも、これが楽しかったりもして何とかがんばれています。

 大学に入る前は、宇宙についてだけを勉強できればいいと思っていました。しかし、入学してシラバスを受け取り、内容を見てみると、物理だけでもいろんな分野が書いてあり、詳しくどのようなことを学び、どのように自分たちの生活に役に立っているのかは、あまりわからなかったけれど、やっぱり物理が好きなのか、とても惹きつけられている自分がいました。だから、大学在学中に宇宙に関することはもちろん、ほかの分野も深く学んで行けたらと思っています。そして、物理の奥深さを多く知っていきたいと思います。

 さらに入学後、物理科の様々な研究室を見学したとき、かなり大掛かりな実験道具を見てとても衝撃を受けました。高校にあった実験道具がおもちゃに見えてしまうほどの大きさだったからです。まだ、1年生の段階ではどの研究所に入るか分からないけれど、その実験道具を使って実験をし、何か新しい発見ができたりしたらなぁと思います。特に、宗像先生がやっている宇宙線に関する研究では、日本からだけではなく世界の数ヶ所の研究所からデータが来ると聞きました。世界とつながり、大きな研究ができることはすごいことだと思います。私は、理科をやる楽しみはやっぱり実験だと思っています。だから、私も世界とつながることができるような研究に携われるようになりたいと思います。そうすれば、国内だけでは分からないことも、わかるようになると思うからです。

 私は物理を学んでいく中で、将来的に社会に役立てることができるような知識を身に付けたいと思っています。大きすぎることかもしれませんが、そのぐらいの気持ちを持ってここ信州大学で物理を学んでいきたいと思っています。

 私が宇宙のことを始め、学びたいことを学ぶためにもきちんとした努力をして目標を達成したいと思います。こんないい環境で勉強をさせてくれている大学の教授や職員の方々に感謝をしながら、これから勉学に励んでいきたいと思います。


 物理科学科入学にあたっての想い

   = 2008年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(2) =

 岡本 理奈(理学08S) 30JUL.2008

 信州大学理学部物理科学科へと入学し、大学で学び始めて早4ヶ月が経ちました。この度は同窓会報に物理科学科への進学動機等について寄稿させていただく機会をいただきましたので、私が物理学の道を選ぶことになったきっかけやいきさつ、今後の意気込みなどについて書かせていただこうと思います。

 私が物理学を学んでいきたいとはっきり決めたのは高校2年に進級する直前のことですが、そこへと至る最初のきっかけとなったのは、もっとずっと以前、私が小学校低学年の頃の星に関する2冊の絵本との出会いでした。1冊は太陽系の惑星に関するやさしい説明がされたもので、説明と共に掲載されていた木星や土星などの美しいイラストに大変魅了されました。もう一方は星座についてのもので、その中には有名なギリシャ神話の一つ、アンドロメダやペガススにまつわる話が載せられており、星空とはこんなにもドラマチックな光景が広がっているのかと、小学生ながら興奮したのを今でも覚えています。幸いなことに私の実家の辺りでは街灯などの明かりが少ないため、比較的好条件で夜空を観測することができ、幼い頃から星を眺める機会は多かったのですが、この2冊の絵本との出会いで、それまで以上に星に深い関心を持つようになりました。その後も地元の天文台やプラネタリウムに足を運んだり、小学4年生のときには両親から小型の天体望遠鏡をもらって月の表面の観察をしてみたりと、宇宙への興味と憧れを強めていきました。

 この頃までは、「宇宙ってすごいな」「星ってなんてきれいなんだろう」と、ただ漠然とした想いしか宇宙に対して抱いていなかったのですが、小学6年生のときに先生から紹介されたある科学雑誌で、太陽系、そして地球ができるまでの過程を示した記事を読んだときに初めて宇宙に対する知的好奇心に駆られ、宇宙についてもっと知りたい!と強く思うようになり、その翌年には小柴昌俊先生のニュートリノの検出によるノーベル賞受賞で天体物理学が世間でも大きく話題として取り上げられたこともあって、より一層宇宙、そして天文学に対する熱い想いが募るようになりました。

 しかし、そんな想いとは裏腹に、私の中学校以降での理科の成績はあまりよくなく、中学生のときのある面談時には、高校は理数科へ進学したいと私がクラス担任に言うと、「お前は理数系じゃないだろう」と返され(結局高校は普通科へと進学)、高校1年の冬に一旦理系大学へ進学しようと決めた後も理科の成績は一向によくなる気配はなく、一度は本気で天文学(物理学)への道を諦めようかと思いました。

 けれども、それでは一体何のために大学へいくのか?大学は自分が一番やりたいことのために学ぶ場所ではないのか?と、自分自身にもう一度問いかけてみたとき、私が今後生涯を通してでも学んでいきたいと思ったのは、やはり天文学でした。そのとき、周りの意見や自分の成績などでは変えることのできない天文学に対する強い想いを、自分自身で改めて感じることになりました。そして、天文学を学ぶために大学は物理系学科へ進学をしようと決めるに至り、それからは、授業内容が理解できずにどれだけテストで思わしくない点数を取ろうと、大学で天文学を学ぶためにまずは絶対に授業を理解してやる!と思って、理科の勉強に励むようになりました。そうしてこの春大学入試を終え、信州大学理学部の物理科学科へ入学することとなりました。

 現在はまだ1年生なので、専門科目も少なく、大学で自分が学びたいと思っていたことは当然十分にできていませんが、今後のための基礎作りとなる勉強が今は重要であるので、しばらくはこの基礎作りに勤しみたいと思っています。その後については、まだまだ勉強不足で専門的知識に欠けているため、具体的に自分がやりたいテーマを決めたりはしていませんが、素粒子物理学を学び、宇宙誕生時の様子や、宇宙を構成している成分の大半を占めるとされるダークエネルギー、ダークマター、また、反物質などについて詳しく研究していきたいと考えています。そのために大学院への進学も考えていますが、その後は教職に就いて、私自身が子供の頃に感じた宇宙の素晴らしさ、そしてそこから様々な科学の面白さや魅力について子供たちに伝え、現在叫ばれている理科離れを少しでもなくして、将来物理学のみならず科学の道を進もうと考える人たちを増やしていくことができれば良いかと思っています。


 信州大学に入って 

   = 2008年入学の皆さんから抱負と印象そして課題についての寄稿(1) =

 松林 恵理 (理学08S) 29JUL.2008

 私が、信州大学理学部物理科学科に入学して、はや3ヶ月が過ぎた。大学生活にも、一人暮らしにも、ようやく慣れたところだ。

 しかし、正直に言えば、四月の信州大学入学式で、晴れやかな笑顔の同級生の横で、私は第一志望の大学に不合格だったショックからまだ立ち直れておらず、心からの大学入学の喜びにひたれなかったのである。私の第一志望の大学への思い入れが、あまりにも強すぎたせいもあった。

 さて、大学のある松本市という町は、まわりを山で囲まれている。私が住む学生会館の三階の部屋の窓は、朝カーテンを開けると、穂高や乗鞍のみごとな山並みが、パノラマのように姿を現す。山並みが雪で白くふちどられ、朝日を浴びた姿も、夕日に染まる姿も、大変美しい。松本の人々が皆、素朴で優しいという訳ではないかもしれないが、私が出会った松本の人々は、世間知らずの私に、本当に心やさしく接して下さった。へこんだ心を抱えて入学した私も、すこしずつ立ち直り、先輩や友だちとも知り合い、ワンダーフォーゲル部に入部した。

 そして、サークルの先輩と共に霧ヶ峰、乗鞍、八ヶ岳、白馬と、信州の山々を訪れた。かつて、カレンダーで観た山々の風景が、そのまま自分の目前に現れるのは、大きな驚きと感動があった。残雪の山並みを臨み、足元には可憐な花が咲くそんな山頂への道は、天空へ続く道のようだった。

 そして、山々の美しさもさることながら、山の夜の満天の星々は、言葉には表せないほどすばらしかった。天が近く、手を伸ばせば触ることができそうな星々のきらめきは、この宇宙の中を、何億光年も旅してきた光である。広大な宇宙の中で、人間の存在の小ささを痛感させてくれる光でもある。

 山の朝も感動的だった。雲海の向こうに日の出を見たとき、信仰心のない私でも、「畏怖」とはこのような想いではないかと、身の震えを感じた。地球は大きく、宇宙はまたそれ以上にとてつもなく大きいと感じたのである

 かつて高校時代に、物理科は就職が難しいと聞いた。それでもあえて物理科を選んだのは、地球も、宇宙も、謎に満ちていて、魅力的な世界だったのである。

 時代ごとに、ニュートンだ、アインシュタインだと物理の先駆者は現れるけれど、そして自然界の様々な現象も、一つ一つ解明されていくけれど、残念なのは、どんな大きな発見をした人でも、人間の一生は、広大な宇宙の時の流れの中で一瞬であることだ。真理に至るまでには、人類が何世代も時を重ねて、気の遠くなるような時間を必要とするのだろう。

 私は今、この信州大学で物理を学べることを、大きな幸せと感じている。日本列島の軌跡を内に秘めた信州の山々と、宙を身近に感じられるこの地は、私たち学生にとって恵まれた場所であると思う。

 ここで、貪欲に知識を求め、吸収し、学び考え、自分と向き合っていこうと思っている。

 入学以来、先生や同級生、先輩など、多くの出会いを得ることができた。この出会いに心から感謝して、私の信州での大学生活を、実り多いものにしたいと思っている。

   ■当欄でのカット写真(高山植物)は「南アルプス芦安山岳館」のご協力で掲載しています。



●「信州大学物理同窓会」事務局●

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