「信州大学物理同窓会」設立趣意書
旧制松本高校から新制文理学部へ、そして理学部へと脈々と受け継がれた信大・物理学徒の同窓生が集う「信州大学物理会」も、ことし(2001年5月開催)で4回を数えるまでになりました。誰いうともなく生まれた会合ですが、ここでは恩師の講演を中心に、年代の差を超えた懇親、再会、旧交、そしてさまざまな情報の交流がなされてきました。
そこで、この気運をさらに発展させ、文理・理学の垣根を取り払った恒常的な機関として「信州大学物理同窓会」(仮称)を設けようとの動きとなりました。
これまでは有志が幹事となって会を開いてまいりましたが、恒常的な機関を設けることによってよりスムーズな運営が可能になります。さらに、この会合の存在すら知らなかった同窓生への周知を図り、会員が拡大することによってさまざまな知恵が集まります。ほかの事業にも眼を向けることができるのではないでしょうか。
ふつう「同窓会」というと、名簿の管理、会報、など、すべて印刷物と郵送に頼ってきたため、ややもすると動きが悠長になりがちで、活動が沈滞する要因ともなっていました。こんにちでは、ITを活用して、EメールやWEB上でそれらを行い、簡便化、双方向化するとともにスピードアップと省力化を図ることができます。会員相互、あるいは事務局員や役員が、たとえ何処に住んでいても常に活動に参加できる条件が整っています。
一方、近い将来、大学の在り方が大きく変わろうとしています。そのひとつは独立法人化が強く叫ばれ、国立大学といえどもどう経営していくかが求められています。そんな時代には、同窓会など卒業生の組織との連係も視野に入れた対策も考えられるでしょう。逆に「同窓会」としても、これまでとは違った役割を果たすことができます。
当会では、これまでのような「同窓会活動」に埋没することなく、できる範囲で一歩前に踏み出すことをご提案します。たとえば、優れた研究や論文に対する顕彰や発表・公開を行うなども一案です。また、同じような性格を有する「松本化学学士会」との共催事業を行っていくことも考えられます。
会員同士、先輩・後輩、あるいは師弟、大学とOB、相互に交流しあい刺激しあい協力しあうことによって、厳しい時代ではありますが、会員各位と母校の発展に寄与できる同窓会に成長できれば幸いに思います。以上、簡単ではありますが、世話人会の“設立趣意”とさせていただきます。
2001年7月吉日 「信州大学物理同窓会」設立世話人会
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