第6回信州大学物理会 総会
◆ 巷(ちまた)で行き会えば、ただの行きずりのおじさんや青年。視線を交錯させることもなく、ましてや笑みを交わし言葉をかけることなどなく、あまた数多の群衆に紛れて気にもしない。通り過ぎればそれだけの人。そうでもあったろう人たちだ。しかし同じ大学で物理を学び、同じ街で青春のひととき一時を過ごした。それのみをよすが縁に、同じ時間同じ場所に集まる。長野、東京、宮城、群馬、埼玉、神奈川、千葉、静岡、茨城、愛知、滋賀、三重、和歌山、高知。それぞれの棲処(すみか)から、かつての絆を確かめるため、ほんの数時間を一緒に過ごすため、同じ場所にやって来る。それが本当に素晴らしい。
 時は2003年5月24日(土曜日)、薄曇。新宿副都心の並木もようやく緑を濃くしつつある中、京王プラザホテル南館グレースルームにて、第6回信州大学物理会総会は挙行されました。今回は各地から合計40名ほど。第1回を除けば最も多い参加者となりました。

 松原正樹幹事(文理10回)の司会のもと、平林喜明会長(文理6回)のスピーチを皮切りに総会は順調に進行。それぞれの報告、決算の承認を行った後、「信州大学自然誌科学館」への賛助金として、当会から5万円を拠出する事を全会一致で議決しました。(これは信州大学理学部が行っている催しで、今年は7月26・27日に開催されます。詳しくは、ホームページをご覧下さい。)

 総会の後は当会の事務局長であり、母校の現役教官でもある武田三男教授(4S)による講演「テラヘルツ分光研究について」。光学的分光法と電波分光法の狭間にある、赤外領域からサブミリ波に至る電磁波領域を対象にした「テラヘルツ時間領域分光THz-TDS」研究の成果と展望・・・だったような気がします。要するに良く分からなかった。しかし、いきなりタイムスリップして昔の教室に戻ったような懐かしさは大いに感じました。物理の世界を遠く離れ、俗世界の塵芥にまみれた我が身を省みて、「当時の真摯さを忘れてはイカン」と、ちょっと思いましたね。当会恒例の講演には、こういう効用もあります。



 講演会が終わり、参加者全員で記念撮影をした後、小西義雄幹事(2S)の司会により懇親会が始まりました。最初は同学年同士で固まっていた参加者も徐々にほぐれ、それぞれが演壇に上がって近況紹介をする内に年次を超えての談論も活発になりました。宴の後全員で春寂寥を高唱する頃には、もう互いに「ただの行きずりの見知らぬおじさん」どころじゃなかった。同じ学舎、同じ学問、そして同じ寮歌が参加者全員の気持ちを融合させた。中々いい雰囲気でしたよ。

 懇親会の後、先ほどまでの見知らぬ同士が「じゃぁ、又来年」と声を掛け合っていました。そしてほのぼのと余韻を暖めながら、夕闇の中を皆それぞれの場所へ戻っていったのです。

 かくして第6回信州大学物理会総会は盛会の内に無事終了。次回は清水邦男代表幹事(文理11回)の采配よろしきを得て、当会のルーツである松本の地で開催される予定です。未だ会員登録をしていない、或いは一度も出席していない人も含めて、多くの人に出席をいただき、今回を凌ぐ盛会になってくれればと思います。来年再び会える事を楽しみにいたしましょう。
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▲京王プラザホテル南館3階グレースルームにて

▲受付担当は小西(2s)近藤(12s)の両氏


▲平林(文理6)会長の「開会の辞」からスタート

▲石田(19s)幹事による「講師の紹介」


▲事務局長でもある、武田(4s)教授の記念講演

▲「テラヘルツ分光」とは何か? 熱心にメモる


▲懇親会では、学年毎に壇上で各自のあいさつ

▲文理時代のエピソードの披瀝に会場が沸く


▲遠くは四国の高知県から飛行機で・・・

▲盛会は♪“春寂寥”で締めくくられました

■文/福井 眞(3S)
■写真撮影/高藤 惇(2S)


▲恒例の記念撮影。予約者40、欠席者5、飛び入り参加者2で、計37名でした



●「信州大学物理同窓会」事務局●

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