総会の[概要報告]と、[詳細報告]との2編に分けての報告とさせていただききました。[詳細報告]は、会場での発言者全員の話を要約して掲載しました。(なお、各位のお話の要約は太平の独断ですので各位の主張の真意が反映されてはいないことがあることをご了解下さい)
5月24日(土)午後2時から5時まで、東京大手町サンケイプラザにて開催された。朝の明るい陽射しがあやしくなって雨が降り始めそうな午後1時過ぎ、東京大手町の中心サンケイプラザ3階の会場には、信大物理のOB,OGが三々五々集まり始めていた。土曜日の午後の静かなオフィス街にあっても、会場には30代から80代まで約50年の年齢幅の若人と元若人約40人が集まり、久しぶりの再会の感動と熱気に溢れていた。
午後2時丁度に第一部の総会議事が開始され、会長の楠氏(文理7回)の挨拶に続き、議長選出の後、新事務局長の清水さん(文理11回)の挨拶がなされた。次に年次活動報告、決算及び監査報告、予算案の承認がなされ、総会幹事の新設の規約改正、新役員3名の承認もなされ、総会議事は参加者の協力により滞りなく和やかに終了した。
続いて、第二部の講演会として、中谷宇吉郎雪の科学館館長である神田健三氏(3S)により、「中谷宇吉郎雪の科学館13年」と題して講演が行われた。講演では、中谷宇吉郎による「雪は天から送られた手紙である。」という有名な言葉の裏付けとなった雪の研究の一端に触れつつ雪の解説に始まり、雪の科学館での実験の一部を持ち込んでの大変興味深く楽しい氷の実験が披露された。
熱伝導のすごさを見せ付けた「氷ペンダント」の実験、氷片への強力な光照射により氷内部に形成される六角形の花形模様の「チンダル像」の実験は圧巻であった。
神田氏の講演は、中谷宇吉郎の文化活動や雪の科学館の教育文化活動にも及び、中谷宇吉郎と湯川秀樹との合作の色紙の紹介もあり、両家の家族ぐるみの付合いのあったことなど大変興味深い内容であった。隔年開催の雪のデザイン賞により、ラトビアや韓国との交流も行い、次には北極圏・アラスカ展の準備中など国際色豊かな活動の紹介もなされた。
最後に、信大時代の自然研での穂高涸沢雪渓の調査と研究の紹介もあり、名大の樋口敬二先生との交流など、雪という親しみのある雪や氷に関する興味深い内容の連続であり、会場全体からの盛大な拍手により講演を終えた。
なお、神田氏の講演後、理学部長に就任された武田三男先生から、大学での市民向けイベントへの参加要請があり、この講演を契機として活動の広がりが実現されそうである。
第三部の懇親会では、名誉会長である宮地先生のご挨拶、理学部同窓会会長の森淳氏、理学部長の武田さん(4S)の挨拶に続いて、副会長の根建さん(文理9回)の乾杯の挨拶により、懇親会が開始された。懐かしい面々の久しぶりの集まりとあってあちこちで話の輪が広がり、空腹を満たす間を惜しみつつも話は尽きることなく会場は熱気に包まれていた。
懇親会の中ほどでは勝木先生の張りのあるお声での演説があり、後半には参加者の中から女性のお2人(文理13回の松本節子さん、91Sの佐藤祐子さん)からの挨拶もあり、会の雰囲気は一層和やかになった。締めは例年通り「春寂寥」の大合唱となり、清水新事務局長の口上に合わせての感慨深い斉唱にて大いに盛り上がり、名残を惜しみつつの閉会となった。
(「詳細報告」編につづく→)
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▲楠会長の開会挨拶「雪の講演は楽しみ」 |
▲新事務局長、清水邦男氏からの報告
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▲記念講演は神田氏。石川県加賀市から来訪 |
▲雪研究の第一人者、中谷宇吉郎の紹介から |
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▲懇親会の司会は最年少にして女性の佐藤さん |
▲名誉顧問の宮地先生。まだまだお元気です |
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▲乾杯のあとの出席者。懐かしい話に声が弾む |
▲武田三男理学部長、難問山積の船出だが・・ |
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▲根建副会長は“会”の発展を高く評価する |
▲勝木先生からは朝鮮在住(戦前)時のお話が・・ |
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▲松本先生(文理13)は明治大学理工学部の教授 |
▲最後は恒例の思誠寮歌“春寂寥”を斉唱 |
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■報告・文/太平 博久(6S) ■写真撮影/高藤 惇(2S)
=第11回信州大学物理会総会幹事= ■三上浩佳(文理10) ■太平博久(理学6S) ■近藤一郎(理学12S) ■佐藤祐子(理学91S)
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