第13回信州大学物理会 総会
◆ 2010年5月29日(土)午後2時から5時まで東京大手町サンケイプラザにて開催され、32名が参加と盛会になった。01S(2001年度入学)からの4名の参加が無ければ30名を切るところであったものの、こうして若い方向へ参加者を広げながら会の参加者規模を維持していくという形になったことは良かった。遇数年開催の総会では、多くの役員(任期2年)の留任が承認事項となるので、新しい体制の役員名簿を示して一括承認をもらった。新体制では、清水さん(文理11回)から、現役大学教員である志水さん(91SA)へ事務局長が交代した。講演会では、明治大学理工学部物理学科の松本節子教授(文理13回)が、今よりもさらに少なかった女性物理研究者としての歩みと、現在行っている真空紫外光を使った物性研究について紹介した。懇親会では、年次を越えて現況を伝え合う会話が活発に交わされた。 (報告・近藤一郎/12S) 
■ 第一部 総会(司会:11S外山)14:00〜14:40

 冒頭に会長の根建さん(文理9回)から「同窓会活動を継続・発展させるためには考え方の違いを超えて協力し合うことが肝要」とのご挨拶をいただいた。議長として三上さん(文理10回)、書記として小西さん(2S)を選出した後、以下のように議事が進行した。(議事部分は書記の小西さん作成)

 (1)2009年度 活動報告 (清水事務局長)
@ 会員逝去報告:太田清文氏(文理16回)
A 卒業生/在校生顕彰:各6名/10名を顕彰し、副賞として一輪挿し贈呈
B 4/6, 4/8に在校生/新入生への同窓会PR活動を実施
C 信大全学教育機構で同窓会員 太平さん(6S)が在校生(約70名)に現代職業概論の講義を実施

 (2)WEB・会報報告(高藤会報編集長)
@ WEB :「2009年度総会報告」、「OB/OG報告」、「学年幹事・役員」等を掲載  A メール会報:年4回発行。「宮地先生回想録」、「ウィーン便り」などを掲載

 (3)学年研究室幹事報告(太平・学年&研究室幹事担当)
・約半数の学年で「学年幹事」が決まっている
・新たに取り組んでいる「研究室幹事」については、6研究室中2研究室で決定

 (4)2009年度 決算報告(近藤会計担当)
・詳細は別途掲載

 (5)監査報告(松原監査担当)
・報告内容と相違のないことを確認した。

 (6)2010年度 予算報告(近藤会計担当)
・収入:終身会費 (\350,000)等で計:\651,000 及び前期繰越(\1,770,717)
・支出:WEB維持費(\72,000)、編集費(\90,000)、通信費(\72,000) 、等で計:\651,000(7)新役員の承認(清水事務局長)
 
・志水さん(理学91SA)が事務局長就任。清水さんは会計監査に就任(事務局員継続)。
・三枝さん(文理10回)、福井さん(理学3S)、石田さん(理学19S)が退任。

 以上(1)〜(7)について承認された。

■ 第二部 講演会(進行役:12S近藤)14:40〜15:30


 物理会総会では毎回記念講演を開催している。今回は、明治大学理工学部物理学科教授の松本節子さん(文理13回)からお話してもらった。

 実は幹事からの講演データを1週間前に送ってほしいとのお願いに応えていただいた結果、松本さんと幹事の本来の意図とはちがって本会のメーリングリストへ講演データが流れることになった。 余談であるが、最後の一週間に5名の駆け込み申し込みがあったことにこれが寄与したのでないかと、幹事は思っている。

 お話は、ご自身の歩みを述べた「大学時代の思い出」、お勤めになっている明治大学生田キャンパスが陸軍登戸研究所の跡地であることに触れた「明治大学紹介」、ご自身の研究について語る「宝石の色――見えない光で透明物質の中を見る」から構成されていた。

 (1)大学時代の思い出

・文理学部在籍中
専攻決定時、実は物理学は第二志望だった(第一志望は化学)。 就職決定後、3年生の学生実験の手伝いをさせてもらったことが役に立った。 大学時代のノートを全部残してある。
・卒業後
明治大学工学部実験助手として就職。女性3名が採用されたが生き残ったのは1人。 2年後から東京教育大学の光学研究所で研究して、13年後に学位を取った。 明治大学専任講師として教員の道に入った。
 

 (2)明治大学の紹介

・2010年度大学一般入試で志願者数が早稲田大学を抜いて初の日本一になった。 http://www.meiji.ac.jp/koho/pickup/2010/100309_2.html
・理工学部は生田キャンパスにあって学生数が約6,000人(院生含む)、うち物理学科は定員60名、教員14名の小規模学科。http://www.isc.meiji.ac.jp/~physics/smatumoto.HTM
・生田キャンパスは、小田急小田原線生田駅から徒歩10分。陸軍登戸研究所の跡地。第九陸軍技術研究所の建物を保存して「登戸研究所資料館」として一般公開中。中には風船爆弾の模型が展示してある。1945年3月に実際に1万発を偏西風へ乗せて米国へ向けて飛ばしたという。http://www.meiji.ac.jp/koho/pickup/2009/100323.html

 (3) 宝石の色――見えない光で透明物質の中を見る

・1年生への研究室紹介で使った資料を使って説明する。松本教授の光物性研究室は「見えない光で透明物質の中を見る」ことが課題。
・見えない光とは――真空紫外光で空気中にない光
・研究内容
基礎研究(反射・吸収スペクトルの測定)――酸化シリコン、水晶、KDP族結晶等。
応用研究(紫外線照射実験)――液晶ディスプレイの材料となる液晶配向膜合成等。
・宝石の色の発色原理

 最後に、印象に残った事柄について自習してレポートを提出するよう課題が出た。もし明治の一年生ならばですが。

 記念写真撮影 15:20〜15:30


■第三部 懇親会(司会:12S杉山)15:30〜17:00

 冒頭に理学部長のお立場から武田さん(4S)の挨拶、続いて副会長の飯沼さん(3S)の乾杯発声により懇親会が開始された。武田さんから、成績優秀表彰者へ物理同窓会から副賞贈呈を始めたことへの感謝表明のあと「今就職状況が厳しくなっているので、先輩方のご協力をお願いしたい」というメッセージが発せられた。飯沼さんは理学3Sという学年の交流の活発なことを紹介して、他の学年も交流を活発化するよう言外で促した。

 会を重ねてきたおかげで、学年を越えて顔見知りになっているので、すぐにあちこちで活発な情報交換が始まった。2001年入学(01S)の4名が固まっていたテーブルには入れ代わり立ち代わり先輩が加わって話しかけていた。

 締めとして例年通り「春寂寥」の大合唱を行い、清水さん(文理11回)の音頭に合わせて斉唱にて大いに盛り上がった。そして松原副会長(文理10回)が、01Sの若手の中に、私と同様にレンズ設計を仕事にしている人が2人居たことに感慨深げに触れたあと「次回は皆さんの友人をさそって連れてきてほしい」と締めくくった。




 去る5月29日、第13回信州大学物理同窓会に参加させていただきました。

 昨年武田先生より、テラヘルツ分光研究室の研究室幹事という大役を任されましたが、実際は同じ研究室の方々の連絡先もほとんどわからず、私事ですが昨年結婚したこともあり、申し訳ないと思いながらも、研究室幹事としての活動を停滞させてしまっておりました。それでも、ぜひ一度は同窓会に出席したいと思っておりましたところ、同じ01Sの学年幹事の高橋さんから「ぜひ一緒に参加しよう」と誘ってもらいました。こうして、このたびは01S計4名で参加させていただきました。

 物理同窓会には学生時代に松本で開催された節に、少しだけ顔を出させていただいたことがありましたが、若年者が少ない印象があり、改まった場に不慣れであることもありまして、今回の参加も少し不安な気持ちがありました。

 しかし、そのような思いは良い意味で裏切られ、非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。学生時代は物理の先輩方とは交流の機会があまりなく、初対面の方ばかりで気後れしてしまっておりましたが、同じ学科を卒業した者ということで、温かく迎えていただきました。さらに、人生のアドバイスを数多く頂戴し、会社と家庭との往復生活に早くも倦みつつあった私としては視野を大いに拡げることができまして、本当にありがたく思っております。

 このように、本同窓会は非常に貴重な機会ですので、若年の皆さんにも多く参加していただき、さらに活発な会となるよう願っております。そして、今回出席させていただいた01Sの同級生共々、今後も微力ながらお手伝いさせていただけたらと存じます。


  
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▲開会前の総会幹事と役員のミーティング。緊張感が…

▲根建会長からの冒頭挨拶。会の発展を訴えられた


▲関東を中心に、今回も30名を超える同窓生が集合

▲清水事務局長から年次活動の全般報告がなされた


▲藤WEB担当・メルマガ会報編集長からの活動報告

▲太平役員からは、学年・研究室幹事の状況説明


▲近藤会計担当は総会幹事も兼務。収支報告が…

▲第2部記念講演・講師は松本節子明治大学教授


▲見えない光(真空紫外光)で透明物質の中を見る

▲明大工学部は旧日本軍「登戸研究所」の跡地に


▲「登戸研究所」で研究された風船爆弾についても

▲第3部「懇親会」の司会は総会幹事の杉山が担当


▲松本かた駆けつけた武田学部長からの挨拶と報告

▲懇親会のあとには恒例となった「春寂寥」の斉唱

▲松原副会長からの締めくくりの挨拶で終了となった

▲散会後はめいめいに分かれて二次会(?)となった

■写真撮影/高藤 惇(理学2S)、太平博久(理学6S)
  =第13回信州大学物理会総会幹事=    
  ■三上浩佳(文理10) ■杉山範雄(理学12S) 
 ■近藤一郎(理学12S)  ■鳥塚潔(理学13S) 
■外山元夫(理学13S)  


●「信州大学物理同窓会」事務局●

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