[ 信大物理同窓会報0049号(2014年夏号) ]
2014年7月26日配信


・。・゜☆・゜・。・☆  ・。・゜☆・゜・。・☆  ・。・☆・゜・。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
≪≪≪≪≪≪  ●メルマガ会報0049号 2014年7月26日配信● ≪≪≪≪≪≪≪
          ┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
          ┃信┃┃州┃┃大┃┃学┃┃物┃┃理┃┃同┃┃窓┃┃会┃┃報┃
    ┌─┐┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛
┌─┘○└─┐           ______________________
│田田田田田|          │★ SUPAA MAILMAGAZINE BULLETIN 2014年夏号 │
│田田田田田|            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│田田田田田|──┐■━━■編集・発行/信大物理同窓会事務局■━━■
│田田田田田|田田|             (http://www.supaa.com/)
│田田田田田|田田|〒390-8621松本市旭3-1-1 信州大学理学部物理教室内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「旧文理学部物理学科」+「理学部物理科学科」OB&学生と教員の会■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(当メルマガは《表示》→《文字のサイズ》→《等幅》でご覧ください)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ○-- 当会の第17回総会が終了し、新しい活動方針と --○   ,〜,ξ
  ○-- 人事案が承認されました。卒寿の宮地良彦先生 --○  ( 人 ),〜,
  ○-- にもご出席いただき、二次会が大いに盛り上が --○   '〜'( ◇ )
  ○-- ったのは言うまでもありません。参加者から注 --○  <⌒⌒>'〜'ζ
  ○-- 目を集めたのは、理学部の学科改組の話題でし --○   ( /( ◇ )ξ
  ○-- た。今後どのようなカタチに向かうのか、物理 --○  ξ  '〜'
 ○-- 科はどうなるのか?  卒業生としては気になる --○
 ○-- ところ。最大の関心をはらって見守りたい。   --○

      【 I ・ N ・ D ・ E ・ X 】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇ { 特集 } │第│17│回│信│州│大│学│物│理│会│総│会│
  @ 総会幹事からの報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 武原 一記 
  A キューイフルーツに実がつかない ・・・・・・・・・・・ 三上 浩佳 
  B 信大物理総会宛て随想 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 伊藤 寛
  C ぶっちゃけて、書こう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 來田 歩 
  D 年次活動報告(抜粋) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 藤 惇
◇ 集団的自衛権(「松本平タウン情報」より転載) ・・・・・・ 宮地 良彦
◇ 【私の追想録】役立つ合理的思想 ・・・・・・・・・・・・・ 平林 喜朗
◇ 雪の研究に入って……その2 ・・・・・・・・・・・・・・・ 佐藤 篤司
◇ 2014年春 信大理学部物理科学科卒業生・修了生の進路状況 
◇ [新入学生からの声] ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 奥谷 椋一 
◇ 『信州大学校友会』設立後の動き  ・・・・・・・・・・・・・・ 事務局
◇ [イベントご案内] ◎青少年のための科学の祭典 2014 松本大会
◇ [TOPICS] ・今春信大志願者1800人も増加の人気
          ・信州ベンチャーコンテスト2014
          ・奨学金を返済できない人が急増!
◇〔 リレーコラム・第7回 〕物理卒後のことなど・・・・・・・ 西澤 誠二
◇ <再録>「同窓会費」は終身会費として1万円『会計細則』決まる!
◇ 編集後記

======================================================================
┌─┐┌─┐
│特││集││第│17│回│信│州│大│学│物│理│会│総│会│
└─┘└─┘└─└─└─└─└─└─└─└─└─└─└─└─
     【 第17回の物理同窓会総会を晴天の2014年5月24日(土)に、東京・
          大手町サンケイプラザにて開催しました。松本からお越しいただい
          た宮地先生をはじめ、名古屋や長野からの参加者を含め28名の出席
          となりました。定刻の14:00に開会し、定例の総会を行った後、群
          馬県立医療短期大学名誉教授であり、本総会の幹事でもある三上浩
          佳氏(文理10回)から、記念講演のお話がありました。
      写真撮影および交流を深める懇親会のあと、場所を変えて宮地先
     生の卒寿を祝う会を盛大に実施致しました。
      総会幹事の武原一記による全般の報告、講師三上氏の感想、参加
     者伊藤寛氏と來田歩氏の寄稿、当会事務局長藤惇の活動報告など
     を掲載し、同窓会総会特集としてお送りします。】
----------------------------------------------------------------------
 [特集]その@   ■ 総会幹事からの報告 ■ 
----------------------------------------------------------------------
   武原 一記 (理学22S/統計研究室・千葉市在住)
----------------------------------------------------------------------
               ◆総会次第
 ヽ│/    ⌒ヽ     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 −◎──  (  )    ・会長挨拶  :根建会長からの挨拶
 /│\  (   )    ・議長選出  :議長=太平さん(6S)、
            (       )                     書記=植田さん(91S)
   ⌒ヽ  ノ     )_   ・年次活動報告:高藤事務局長より1年間の活
  (  ー´          )                 動について報告      
                           ・会則の変更 :学年幹事を世話人と改称する
                                          件および「世話人規則」採択
 ・役員の改選 :役員の再任、新任、退任の承認
 ・決算・予算 :決算報告、監査報告、予算案などの説明と承認
  審議事項はすべて満場の拍手で承認され閉会となりました。

  ※ 今総会のWEB報告 → http://www.supaa.com/soukai140524/index.html
  ※「世話人規則」→ http://www.supaa.com/pages/kaisoku_sewanin.html
  ※ 新役員の構成 → http://www.supaa.com/pages/yakuin.html

    ◆講演会
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 演題:「解ったことと分からなかったこと −研究ノートから−」
 講師: 三上浩佳 群馬県立医療短期大学名誉教授(文理10回)
         ・核子の「仮想の中間子雲」というのは何か
            →仮想/Virtualのπ中間子とは、仮想とは、存在しているのか、
         いないのか。
         ・「神様」は味方してくれたか
             →部分波級数展開のルジャンドル多項式を球ベッセル関数で
               表現 公式集に無いオリジナル。
         ・新しい散乱振幅で何ができたか
             →散乱振幅の新しい表現のもつ物理的意味。
         ・頭が良いということはどんなことか
             →知識をため込んでいることと、創造性は別であるが、入試は
               どうしても知識重視で選択。
         ・結局、何が分かって何が解らなかったのでしょうか
             →「分かる」と「解る」の違い。
 
   ◆懇親会
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  1)開会の辞(伊藤さん) 2)来賓挨拶(宮地名誉顧問) 3)乾杯(松原副会長)
 4)歓談  5)「春寂寥」
         ・会の締めくくりは恒例の思誠寮寮歌「春寂寥」を円陣を作って斉
            唱しました。▲二次会は宮地先生を囲み「卒寿を祝う会」を丸の
            内オアゾの「ねのひ」で行いました。

   ■ 同窓会総会までの道のり
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 東京での同窓会は、半年くらい前から準備をします。(これまで2回の経験
ですが)講師をお願いするにあたって、案内文に講演題目等を記載していただ
くこともあり、案内状作成には思ったより時間がかかります。
講師のお願いの過程で、あらためて思ったことが、信大物理を卒業されてから
も、物理の道を探求しつづけている卒業生が何人もおられるということです。

 郵送での案内は、同窓会の2か月くらい前にを行いますが、特に今回消費税
導入による郵送料のアップを回避するため、3月末に案内を作成(折り詰めも)
して、郵便局に持ち込みました。

 消費税の話は会費にも影響があり、増税分を上乗せするかについて検討の上
見送らせていただきました。(更なる消費税増税が予定されており、次の同窓
会総会を同額で実施出来るか厳しいのですが…)案内送付後からは、FAXやHP
に出欠の回答がポツポツと届きます。

 その中には、大変残念な事にお亡くなりになられた等の連絡もありました。
(名簿更新が遅れて、既に連絡済であるのにご案内した事につきましては、大
変申し訳ありませんでした)

 同窓会総会にに出席出来ない方からも、多くのカンパをいただき、近況のご
連絡等も受けました。同窓会当日の参加だけでなく、会員の安否確認というこ
とでも同窓会総会を定期的に開催する重要性を認識させていただきました。

   ■ 今後に向けて
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 今回総会への出席者数を30人確保出来るかについて、連休前くらいまで、見
込みが立たず、メルマガ会報での臨時案内や、幹事や役員が個人的に知り合い
を誘うことで、何とか直前に必達としていた30名の予定となりました。(急遽
ご都合が悪くなられる等で、当日は残念ながら30名を切りましたが)

 同窓会の案内が届く方の中でしか出席の依頼が出来ないため、連絡先の住所
やメールアドレスを把握出来なくなると、以後のご案内が出来なくなります。
特に、若い方は卒業後に住所等が変わる中で連絡がつきにくいようです。今回
「世話人」として各学年毎に、連絡を取っていただき名簿等の整備も協力をお
願いしたいと思います。

   ■ 講演会の復習
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  話をがらりと変えまして、講演会について(自分なりに)復習した内容を
 記します。(予習して行けばよかったとの思いで)
  実を言うと、講演会の時間が短いため、当初同窓会の案内に数ページの講
 演テキストを合わせて送付するという案があったのですが、郵送料の問題等
 もあり見送りとなりました。このため、昔物理を習ったというみなさんも、
 突然の中間子論や散乱問題は難しく感じられた方が多かったかと思われます。
  以下は講演で出たキーワードについての簡単なTIPSです。

・仮想の中間子雲:
  クォーク単体の質量(エネルギー)は、uが1.5〜3MeVくらい、dが4〜6MeV
 くらい。(単体の質量を測った訳ではなく、このように設定してQCD(量子
 色力学)を適用するとハドロンの質量と合うのだそうです)
 パイ中間子(クォーク2個)の質量はπ0(中性)が135.0MeV、π+とπ−が
 139.6MeV、核子(クォーク3個)の質量は陽子(uud)が938.3MeV、中性子(udd)
 が939.6MeV
 「1+1=2ではなく、また1+1+1=3でもない!」このことは素直に
 驚きたいと思います。
  これはカイラル対称性の破れという言葉で説明されるようです。(このあ
 たりの質量は実験で求められている値です。また質量といってもエネルギー
 で我々の普通に使う質量は「E=mc^2」の式で、光速の2乗で割ったものとな
 ります)
  仮想の中間子は仮想の光子と違って重さがあります。特に核子内のクォー
 クはその強力な強い力で、真空からクォーク対を生じるそうです。(このあ
 たり、電磁気は原子以上では(ほぼ)遮蔽されていますが、わずかには影響
 が残って分子間力やイオンなどが知られます。強い力も核子以上では(ほぼ)
 遮蔽されていますが、わずかに残った影響で原子核が出来ているようです)
  仮想の中間子の存在は、質量に影響が表れるように"全く存在しないもの"
 ではないようです。

・散乱振幅:
  量子力学では、粒子を波の形式で扱いますが(波動関数)、ちょうど光の
 回折を波として扱うように、遠方から来る一定の入射平面波が対象物に当た
 って、外向きに球面波が生じるとして波動関数を扱い、球面波の振幅が散乱
 振幅です。
  外向きに生じる球面波(→弾性衝突のため入射の波長そのままの波)を極
 座標で表現(r、θ、φ)して、変数分離で(r)と(θ、φ)に分けます。
 (球なので)→散乱先方向への(r)については、面積(立体角で表すと変
 わらない範囲のこととして)が"r"に対して2乗に比例して広がり、エネルギ
 ーは逆2乗に比例して小さくなりますが、波の振幅は波の強さの2乗に比例す
 るということから、波の振幅自体は(r)に反比例となります。
  入射方向から対象物までの直線をZ軸とすると、Z軸の周りに対しては対称
 に考えることが出来れば、変数分離した(θ、φ)が(θ)のみの関数とな
 り、これがが調べる対象となります。

・部分波級数展開:
  散乱振幅を部分波の和として表すのが部分波級数展開なのですが(これじ
 ゃ字面そのまま)「なに別に」展開するかというと角運動量です。最初、何
 で角運動量が出てくるのかと驚いたのですが、古典力学で考えると簡単でし
 た。
  入射粒子が運動量"p"を持っていて、散乱中心から"d"だけ離れた軌道で向
 かってくるとすると真横に来たときは、角運動量"p×d"を持つ。
  実際、この衝突線からのずれ"d"は衝突径数(係数ではないです。半径の
 径です)という大事なパラメタとなるようです。
  でもって、角運動量が量子力学なので”とびとび”で(かなり乱暴ですが)、
 ここで実際に式で表現するとルジャンドル多項式が出てきてしまうというの
 が、講演会の話の最初の部分にたどり着くまででした。

・ルジャンドル多項式:
  ルジャンドル微分方程式の解として、ルジャンドルにより発見された多項
 式。奇数次は奇関数、偶数次は偶関数で、−1から+1までの間に次数に応じ
 たy=0となる点を持ちます。
  (ウィキペディア→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%B8%E
   3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E5%A4%9A%E9%A0%85%E5%BC%8F )
  散乱理論では上記散乱振幅を表すのに、ルジャンドル多項式が出てきます。
 この多項式(和の表示)を積分表示に変えるために、球ベッセル関数への書
 き換えが行われました。

・球ベッセル関数:
  球ベッセル関数は三上さんも書かれているように、ルジャンドル多項式よ
 りさらにマイナーな感じのする難しいものですが、極座標では扱いやすいよ
 うです。(ベッセル関数は太鼓の膜の振動などで取り上げられます)
  今回、球ベッセル関数を使うことで目標としていた積分表示になりました。
 また、ルジャンドルの多項式と、球ベッセル関数とは互いにフーリエ変換と
 "同様"の関係がありましたが、書き換えることを可能にする式はどの数学公
 式集にも無いオリジナルだったのでした。
 (詳細は、三上さんの「古いがあまり知られていないお話ルジャンドルの多
 項式Pι(x) と球ベッセル関数jι(α) のフーリエ変換関係」をご覧下さい。
 → http://www.supaa.com/kikou/mikami01.html)

 なお、自分で読んでも、文章だけだとわかり難いので下手ですが、絵をつけ
てみました。→ http://www.supaa.com/im/mikami/takehara01.pdf

----------------------------------------------------------------------
 [特集]そのA  ■ キューイフルーツに実がつかない ■ 
----------------------------------------------------------------------
    三上 浩佳(文理10回/宮地研究室 群馬県立医療短期大学名誉教授)
----------------------------------------------------------------------
         キューイフルーツは不思議な植物である。数年前、突風に
  V ?      棚を壊されてから収穫をあきらめ、幹を地面から50センチほ
(∵)      どを残してつるは全部取り払ってしまった。最近になって5
 \(@)⊃      歳の孫娘がキューイフルーツが大好きとのことで、再度、少
〜〜〜〜〜〜   し小振りの4×2メートルほどの棚を作り直してつるを這わ
        せることにした。

 春先からつるの伸びる勢いといったらものすごいものがあり、6月のはじめ
には新しい棚もつるで埋め尽くされてしまった。ところが、雄花も雌花もいっ
ぱい咲いたのにもかかわらず実は一個も着いていない。

 最近新聞で目にしたキューイフルーツ特有の病気でもなさそうだし、考えら
れるのは、つるが伸びることを優先したあまり結実しないということらしい。
つまり、木の生長と結実との間に見事なエネルギー配分機能があるということ
ではないだろうか。

 今回の講演について総会幹事から45分程度で収めるようにとの指示があった。
会則の変更やら議題が盛りだくさんで、講演が長引くとそれだけ懇親会の時間
が削られる。私自身幹事のひとりだから会の進行には気を配らなくてはならな
い。

 商売柄90分の話に慣れているが、45分、「半分かぁ」も簡単ではない。全然
見当がつかないのである。そんな訳で当初の思いの半分も話せなかったのでは
ないかと思う。気の毒なのは聴き手の方で、何がなんだかさっぱり分からず、
何を言いたかったのさえ伝わってこなかったのではないっだろうか。40分ほど
の話で言いたかったことをどれほど言えたかはなはだ心もとないが、懇親会の
時間にはほとんど食い込まなかったことを良しとしても、何か申し訳ない気が
している。

 さて、キューイフルーツは枝の生長がある程度収まったたころで結実が始ま
るようだ。あたりまえのようであるがつるの生長は結実の準備期間なのだ。人
間の知的活動と似たようなところがあるように思う。講演では、わが国の知的
活動は暗記文化に根ざしていて、西欧では記憶(賢さ)と実践(器用さ)を同
列の価値観においている(clever)ことを話した(懇親会席上で補足)。

 私の周辺に居た秀才と称される人には、知識を蓄えることに夢中で何かを作
り出すことをおろそかにしている人が少なくないように見受けられる。キュー
イフルーツでいえば、つるばかりにエネルギーを費やして実を結ばせることを
しようとしないのである。他人のことを「教養のないやつ」とか「無知なやつ」
などとさげすむ輩にこのタイプが多い。

 つまり、わが国の知的文化には記憶(賢さー枝の生長)と実践(器用さー結
実)とが別々の価値観をもつところに欧米との違いがある。最近の調査で日本
の中学生の学力評価が世界でトップクラスであるのに対して大学の総合評価は
一番高くて35位だそうだ。

 これを言葉のせいにするには余りにも差が大き過ぎる。根底には知的活動に
対する評価が伝統的に異なっているところに理由があるのではないだろうか。
勿論、中には法曹界などのように一部記憶力が優先されなければならない職業
もある。このことは尊重されるべきであるが、こと大学に限っては暗記文化に
偏り過ぎては世界の競争には勝てないだろう。講演が終わった今になっても、
こんなことをもう少ししゃべりたかったような気がする。

 ここ数日、いろいろ考えながら果樹園の手入れにいそしんでいる。今年はキ
ューイフルーツの収穫はゼロだが、桃は450個ほど袋をかけた。素人栽培のうえ
異常気象ときては6割ほども収穫できれば上出来なんだろうか。

----------------------------------------------------------------------
 [特集]そのB    ■ 信大物理総会宛て随想 ■ 
----------------------------------------------------------------------
     伊藤 寛(文理16回/宮地研究室 埼玉県入間市在住)
----------------------------------------------------------------------
  、∩∩    私が入学した当時の信州大学文理学部自然科学科(昭和39年
  ⊂田田⊃  4月)は、入学者も30数名程度と非常に少ない時代であって、
  ⊂田田⊃  何か素朴な雰囲気が漂っていた。学科全体で活発であった各種
  /∪∪   イベントなどに和気あいあいと集まっていたように思う。

	    2年時から各自の専攻(数学、物理学、化学、生物学、地学)
に進んでいき、卒業後は、教職分野、会社その他の業種分野へと分かれ、数年
または10数年に一回程度、東京などで集まる程度であった。

 近年、入学当時の仲間も定年退職などで時間に余裕が出てくると、昔懐かし
い思い出が甦ってきて、持ち回りの幹事の音頭のもとで自然と居酒屋などに集
まる機会も増えていった。この数年は、物理学・化学・数学・生物学・地学を
専攻した仲間と、親睦会を東京・松本等でやっている。この場合、悲しいこと
に逝去された仲間の偲ぶ会を兼ねることもあった。

 今年は、丁度入学後50年目の節目ということもあり、4月初めに京都出身の
S君の本当に心温まるお世話で京都・嵯峨野において、一泊2日の桜名所巡り
を兼ねた親睦会を10名ほどで行なうことが出来ました。昨今の健康の話や世の
中の政治経済、科学技術・教育行政等に関する課題を皆で夜が明けるまで夢中
で議論し、日中は丁度見頃となった嵐山界隈の桜の名所を心行くまで堪能する
ことが出来ました。

 それぞれの専門分野へ進み、その道をまっとうされた個性のある仲間の集団
であり、人間関係が昔に比べて希薄と言われる現代を考えると、大変貴重な
存在ではないかと思っている。ヒマラヤ杉の大木がうっそうと茂る自然科学科
のあった構内の県の森を引き合いに、親睦会を「S39あがたの会」と名付ける
ことになった。仲間の今後の健康を願い、この親睦会も長く続けられることを
祈念しています。

 さて、物理総会(同窓会)についてですが、総会は毎年松本と東京で交互に
開催されています。東京での物理総会の参加者が全体的にもっと増えることを
期待したいと思います。

 そのための試案として、総会での特別講演会の講師の選定規準を今より範囲
を広げて、数年に1回は直接物理専攻卒業者ではないが話題提供が可能な他の
専門分野の講師(理学部出身者)をあてることが考えられます。

 物理専攻の同窓生も、現在は様々な専門分野の仕事に就かれていると思いま
す。物理総会において、若手から年長までの幅広い同窓生が集まり、様々な分
野の話題などについてより一層意見交換ができる交流の場になると良いと思い
ます。

 最後に、今年で卒寿を迎えられました宮地良彦先生、心からお祝い申し上げ
ます。これからも末永く健康でお元気でいられることを願っています。思えば、
宮地先生から、現代のエレクトロニクスで礎となっている量子力学などの基礎
物理学を講義や輪講を通してじっくり学ぶことが出来たことを大変有難く思っ
ています。

----------------------------------------------------------------------
 [特集]そのC    ■ ぶっちゃけて、書こう。 ■ 
----------------------------------------------------------------------
  來田 歩 (理学22S/物性研究室・東海ゴム工業経営企画室 名古屋市在住)
----------------------------------------------------------------------
         「ぶっちゃけ」というのは、若者たちが、本音を話すとき
   //\        に、その前に置く言葉らしい。少し前まで、流行っていた
 / / 田\       と思う。僕は、すでに47歳で、若者ではないのだが、あえ
/ /   \   て、「ぶっちゃけて、書く」なんて、使ってみる。
--------------
         何を、書くかといえば、先日、大手町で行われ、僕も久し
ぶりに出席した信州大学物理会の同窓会の感想である(僕は、白金で行われた、
おそらく第一回の同窓会に参加していた)。なにか文章を書いてほしいという
事務局の依頼に、元来、書くことは、嫌いではないし、いいですよ、と請合っ
て、持ち前の「中途半端な責任感」から、こうして、文字を打ち込んでいる。

 承諾の返事を書いてから、さて、いかがなものか?と悩み、「ぶっちゃけ」
で、行こうと決心がつく。

 そもそも、20年弱ぶりの同窓会の出席にしても、「中途半端な責任感」から
だった。フェイスブックのつながりで、ひょんなことから、この信大物理の同
窓会が現在、抱えている問題、すなわち、参加者が固定化してきて、マンネリ
化している。若い(相対的に)人たちにも参加してもらうには、どうすればい
いか、ということに関して、どう思うか? という問いかけが、近藤さん(11S)
からあり、酔っ払った勢いも手伝って、何故、自分が、おそらく第一回の同窓
会には出席して、それから足が遠のいたのか、歴史的な世代間の分析までして、
さらに、こうすれば、いいんじゃないか? などと、書きちらしてしまう。

 言い放題ではいけない、という「中途半端な責任感」から、今回の同窓会は、
旅費、会費などを都合して、名古屋から出席した。それこそ、中途半端な責任
感からではなく、幹事の一人となり、同期の武原くんにも、悪い気がしていた、
後ろめたい気持ちもあった。

 当日、甲斐甲斐しく動いている武ちゃんをみて、元来、武ちゃんは、こうい
うことが向いているし、好きなのだ、などと、またもや、無責任に感じてしま
う自分がいる。学生時代から、そうだった。僕が、大風呂敷を広げ、それを武
ちゃんが、たたんでくれた。同窓会の前日は、そんな武ちゃんの家の庭にテン
トを広げ、二人で夜を明かし、僕は翌日も、朝から、飲んだくれる。というこ
ともあって、同窓会の前半は、睡魔との闘いというか、完全、白旗で、意識が、
とぎれ、とぎれであった。

 そして、懇親会。「中途半端な責任感」から、出席したものの、誰とも、親
交をふかめるでもなく、けれど、宮地先生や、吉江先生の退官パーティで知り
合った藤さん(2S)の顔もあり、お声がけもしてもらった。なんだろう? こ
の懐かしい感じは。そして、eins、zwei、dreiで、思誠寮寮歌春寂寥である。

 皆と肩を組み、歌詞カードを見ながらだけど、しっかり歌った。不意に、泣
けてた。ああ、あの感じというの、生意気だった学生時代の自分に向けられた、
先生や、先輩方、見守っているぞという、優しい視線たちだった。(そして、
自分も後輩たちに、そんな優しい視線を送っていた。)

 中途半端な責任感から、出席した同窓会、最後になって、僕は、性懲りもな
く、こんな同窓会は、ずっと続いてほしいなぁと、無責任に思ったのだった。
 中途半端な責任感から、出席した同窓会、最後になって、僕は、性懲りもな
く、こんな同窓会は、ずっと続いてほしいなぁと、無責任に思ったのだった。

----------------------------------------------------------------------
 [特集]そのD    ■ 年次活動報告(抜粋) ■  
----------------------------------------------------------------------
    =信州大学物理同窓会をめぐる情勢と今後の課題(活動指針)=
----------------------------------------------------------------------
       報告者・藤 惇 (理学2S/統計研究室・物理同窓会事務局長)
----------------------------------------------------------------------
  ∩ ∩       1 〔 信大をとりまく大きな3つの状況の変化 〕
☆(*^−^)☆     
┏━○━○━━━┓   (1) 2004年4月からの国立大学の独立行政法人化から
┃第┃17┃回┃物┃  10年が経過し、大学への交付金が減額され続けた結果、
┣━ ━\/━ ━┫  信大全学の教員数は1100人規模から900人台まで減少。
┃理┃会┃総┃会┃   学部単独の教員組織の維持が難しいことを最大の理由
┗━┻━┻━┻━┛   として、この4月から「信州大学学術研究院」が発足。
           そして、教員全員の配置転換がなされました。

 (2) 大学の改変が余儀なくされ、教員数減少のなかで、理学部では数学科と
理科の2学科制に移行することはほぼ確実ですが、物理専攻の学生数は減るの
か減らないのか見通しは現在のところ不透明。当会では当面、両方を睨みなが
ら将来計画を立てていかねばなりません。

 (3) 全学的な同窓会組織「校友会」は、さまざまな議論と紆余曲折の経緯を
経て大学(本部)の経費拠出による大学の組織としての運営ときまり、この4
月から動き出しました。当会として、この「校友会」との関係をどうしていく
のか、新たな課題です。

 2 〔 学年・研究室世話人にもっと活躍していただくために 〕

 現在、学年世話人(幹事改め・以下同)がいるのは35学年、研究室世話人が5
研究室が決まりました。 この1年間からの増加・減少はありません。学年・
研究室世話人は当会の基盤をなすたいへん重要な組織ですので、ここ数年、当
会事務局ではこの基盤の整備と強化に注力してまいりました。

 役員と学年・研究室世話人を通じてすべての同窓会員に、当会の理念と果た
すべき役割を共有し、十分理解し議論しあえるようにはかっていきたいと思い
ます。たとえば、総会準備にも世話人の方々にもっと加わっていただき、みん
なでつくり上げていく態勢にすることが望ましいと思います。

 上記の目論見から、当会役員会では昨年から今年にかけて以下の施策に取り
組んできました。

 (1)学年・研究室名簿はこれまで同じ学年・研究室内でも(メールなどに
   よる)回覧が禁じられているのかどうか曖昧でしたが、その運用を各学
   年・研究室世話人の裁量にまかせ、自発的に活動していただくように変
   更する。これは、昨年の16回総会で案を提出しまして、了承を得ました。  
       →当会『プライバシーポリシーと名簿閲覧規則』の一部改定 
           → http://www.supaa.com/pages/kaisoku_privacy.html

 (2)学年・研究室世話人の皆様に権限を移譲するにあたり、権限と責任に
   関する『学年・研究室世話人規則』を作成し、本総会で了承を得る。ま
   た、役員会内でも、担当を強化してそれに備える。
   ※「学年・研究室世話人会と世話人規則」            
       → http://www.supaa.com/pages/kaisoku_sewanin.html

 (3)世話人のなかから、新たな役員に迎えることとし、役員とのホットラ
   イン世話人ML(メーリングリスト)を設置してこの1月から運用を開始
   しました。
       →世話人総代、副総代(初代総代に小島浩司(1S)さん、副総
        代に好広修三(3S)さん)
   ※世話人の皆さん:http://www.supaa.com/pages/gakunenkanji.html

   (4)学年・研究室世話人ならびにWEB登録会員(240余名)に呼びかけ、
   さらに知り合いや友人の一人でも多くをWEB登録に誘い、会員の輪を
   広げ、総会参加者等を増やしていく方向で取り組んでいきます。

  ●世話人関連では、今後の課題として次のようなことが挙げられます。
     (1)空欄の学年、研究室の世話人をどのように選出していくか
   (2)既存の世話人のなかに、宛先不明者が複数いるが、どう解決するか
      (3)担当役員と総代・副総代による意思決定のルールをどうするか
     (4)『規則』はできたが、どうやって実効性のあるものにするか
     (5)世話人群をグループ分けして、グループ討議を促すことも  ETC.   

 3 〔 「物理学生のための就職支援セミナー」の継続と推進 〕

“就職”という学生・教員・卒業生の共通課題(キーワード)に取組むことで、
同窓会には“存在価値”が生まれるとしてスタートした「就職支援セミナー」
もことし(2014年)で5回目となります。一昨年の「就職支援セミナー」から、
講演後に講師毎にグループ分けし、個別の相談にも応えるように配慮しました。

 さらには、一歩進んで卒業生との「就活面談」の仲介が課題となってきます。
学生の就職希望企業に勤める先輩が、学生からの連絡に応えて情報を伝え相談
に応えるといった仕組み。就職委員の先生からの要望もありましたが、果たし
て学生がどこまで望んでいるか見極めたいと思います。

「就活面談」ならびに「就職支援セミナー」講師選定には当会の名簿・職業欄
の充実は不可欠。そこで、総会の申し込み書にもその旨を伝えて協力を要請し
たりします。また、これまでは入学時の名簿から採取していたものに加えて、
卒業時の就職先の入ったものも追加訂正することで名簿の充実をはかっていき
ます。就職状況は毎年変化しています。就職委員の先生とよく相談し、実情に
あったセミナー開催を目指したいと思います。

======================================================================
    ■ 集団的自衛権 ■   (「松本平タウン情報」2014年7/8より転載)
----------------------------------------------------------------------
            宮地 良彦(信州大学名誉教授・物理同窓会名誉顧問) 
--------------------------------------------------------------------- 
  (・>   【 宮地先生が地元紙「松本平タウン情報」一面の連載コラム『展
  /彡))   望台』に寄稿された記事のひとつを全文ご紹介します。憲法とは
 / /     権力の側を縛るものといわれますが、国会で絶対多数を得るに至
 /"?k_     った政権が閣議決定で自らの意に沿うよう「解釈改憲」をすると
      いう挙に出ました。先生は深く憂慮しておられるようで……。 】
      ---------------------------------------------------------
 このたび安倍内閣は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行った。歴
代内閣は長年にわたり、集団的自衛権の行使は憲法上認められないという見解
を積み重ねてきたが、今回の決定は、戦争をしない平和憲法を掲げて、戦後70
年間平和国家として歩み続けてきたわが国の政策の大転換である。

 かねがね自民党は、憲法改正を党の公約として掲げ、改正案を公表していた。
ところが憲法に定められた改正条件96条の重さを知ると、まず96条だけの改正
を言い出した。それが世論の反発にあうと、次に考えたのが集団的自衛権の導
入で、それも正面からの改正でなく、解釈改憲に、さらには憲法の解釈変更に
よる閣議決定という手法を打ち出した。

 今回の閣議決定のもっとも大きな問題点は、国の方向を決める憲法の基本的
精神にかかわる重要な問題を、国民不在のまま、時の政府の見解任せにすると
いう危険で安易な手法である。

 安倍首相は、最近の世界情勢の中では、集団的自衛権を認めなければ国を守
れないと主張する。だからと言って、今回のような強引な手法は、許容範囲を
超えた、憲法破壊である。

 集団的自衛権の必要性を主張するならば、広く国民に呼びかけ、国会での議
論を重ねてゆくのが、政治の常道ではなかろうか。憲法の条文をどう解釈する
かば、郵政民営化とか基地の移転といった、個々の政策とは全く次元の違う問
題である。

 われわればこの間題の今後の進み方を大きな関心を持って見守ってゆかねば
ならない。

======================================================================
        ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓
 【私の追想録】┃役┃立┃つ┃合┃理┃的┃思┃想┃ 
        ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛
----------------------------------------------------------------------
       平林 喜明(文理6回/松崎研究室 元当同窓会会長 茅野市在住) 
----------------------------------------------------------------------
            いつだったか物理会OB会の中で松崎先生の歩き方
    _/□□\_  には無駄がなく、省エネ的だと評した人がいてなる程
   │−−−−-¶   そうかなと考えたことがあった。
 ∞∞└◎−−◎-┘    
            小生は学生時代に病で半年近く休学した事があって
省力的な生活をせざるを得なかったが、お陰様で80歳の今日を迎えることが出
来た様な気がする。

      ▼▲ 民間企業への入社は先例も少ない時代 ▼▲

 信州大学が発足して6回生として小生が卒業したわけだが、旧帝大の予備校
的役割が主であった松本高校から大学になって間もない当時では、我々の就職
先を新開発するには先生方の大変なご苦労があった事は確かなのである。

 小生は諏訪市の従業員500人程度であった中小企業、三協精機を受験し合格
通知を入手したのだが、民間企業への入社は先例も少なくて高校、特に女学校
の教員にでもなって嫁選びをしたい等と考えていた。しかし、若くして亡くな
った友人の墓参りに東京へ行きたいと思っていたのと、入社試験の面接で東京
に行けばその旅費が賄える、という事情で入社試験に飛びついた結果、採用と
いう運びとなった、というのが事実なのである。

 さて、入社3ヶ月間いくつか職場実習の後、工学部卒業の新入社員等に混じ
ってオルゴールの次の新製品、8ミリカメラの設計に配属された。

 物理を専攻した自分としては設計や製図の科目に出くわすチャンスもなかっ
たので、職場での先輩が書いた図面をまねたり、ギヤーについては初めてモジ
ュールという歯車の歯の大きさを決める数があることを知ったりもした。イン
ボリュート・サイクロイドくらいは知っていたのだが、歯車の本も読むことな
しに、数字や三角関数の応用だけでウォーム・ギヤーや、これにかみ合うハス
歯歯車まで設計した。試作品を組み上げてうまく動くと大満足する日々を送り
始めたので、初志はどこかへいってしまった。

 当時の三協は試作等をする小さな工作工場はあったが、量産品のパーツは殆
どが外注(社外注文)又は下請けであったから、部品精度が悪くて組立検査で
の製品不良率は高かった。そこで、設計図としては計算したり製図で寸法を決
めたりはするのだが、計算通りの図面にするのではなくて合理的というべきか
正しいと思う手心を加えた図にした。

 当時の小生の合理的考えまたは勘というべきか、歯車の場合モジュールの15
%くらいの転位、具体的には歯車カッターを加工品に近づけて外形を小さく、
歯車の歯幅を細くさせる図面とし出図した。もちろん、この転位が大きすぎる
と歯のかみ合いが外れてしまったり、長期に使用すると摩耗によるトラブルが
発生したりするので、ここに合理的推測と定性的判断を加えたのであった。当
時我々の所では試験機もなく、ライフテスト的データも全くなかった。

 結果として組立課長からは、平林メカはコンベアーをスムーズに流れるとの
評価を得た。

      ▼▲ 在職中25回程海外出張の機会に恵まれ… ▼▲

 そうしているうちに突然アメリカのベルハウエルというライバル的会社から
販売のI課長(Y国大英文卒)に連絡が入ったとかで、販売のI課長がその会
社の外人さんを連れて現れた。「市場品の10台位をチェックしたところ、平林
メカが合理的と判断したので、ベルハウエル社のデザインとして売らせてくれ」
というものであった。我が社は販売力が弱くて受注には苦労していたので、こ
のOEM生産の話は成立し、その上小生にとっても一大転機をもたらす事にな
った。

 小生は合理主義の行き過ぎがあって、英・国・歴史の様な努力の要る学科は
単位を取ればよいという考えであったから、当然ながら英語には自信は全くな
かった。しかし打ち合せをしている間に、このY国大英文卒のI課長が「おい、
平林君の英語は発音がいいのかよく通じるじゃないか。遠慮なくやれよ」とお
だててくれたのである。後で考えるとIさんも技術用語まではよく知らなかっ
たわけだが、とにかく前述のモジュールの人と合わせI課長は私にとっては二
大恩人として忘れられない人となった。

 さて、メカと外観の整合のためにシカゴの中心から20qくらい離れた会社で
デザイナーと打ち合わせをしたのだが、初任給11,000円くらいの当時で航空運
賃は70万円ぐらい必要だったので、なぜ平社員にこんなに使うのかと常務会で
問題になったそうである。この時には一機種で30万台売れて約30億円相当のド
ルを稼ぐ結果となり、市場のクレームもほとんどなく名機だったと先方からも
言われることとなった。

 この時に体得したのは小生流の合理的省力的英文法である。どうせ外国人も
忙しい毎日を送っているのだから、本に書いてある文の様なものを常用してい
るはずはない。日本語で話す時の最小限は何かなと考えてみて、例えばタクシ
ーに乗るなら「松本駅! いくら?(で行くか)」「マツモトステーション!
ハウマッチ?」、これがよく通じた。下手に言葉を付けるとアクセントが悪い
だけに相手は混乱してしまうわけである。

 そんなわけで、在職中25回程海外出張の機会に恵まれた(技術屋としては珍
しい回数)が、20回は経費節約となる一人きりでの旅であった。

 先方に対し自己紹介に英語がプアーですみませんと付け加えて相手に合わせ
て貰ったり、こちらの聞き取りがあやしい時は別の単語を思い出して確認した。
結果として、こいつは一人で出して大丈夫という事になり、帰社しての日本語
報告書で問題を起こした事はなかった。

      ▼▲ アメリカでのカルチャー・ショック ▼▲

 ところで、最初にシカゴ、オヘアー空港に降りて市中央へ行く時のカルチャ
ー・ショックは大変なものだった。往復8車線のハイウェイを80マイル/h、
130km/hキロくらいでとばしており、当時の日本車は故障してしまうそうで、
滞在期間中日本車は2台市内で見ただけであった。ハイウェイの中央分離帯は
安全のためか幅のある芝生で作られていた。今は電車道となっているが、将来
計画があったかは判らない。

 アメリカで合理性を痛感した事をもう三例追加しておこう。今から50年以上
も前だったか、電話帳の裏表紙にマウストゥーマウスの人工呼吸の絵が大きく
書いてあり「心肺停止の人が出たら人工呼吸を始めなさい。人が集まってくる
だろうから、救急車を呼んで貰ったり、人工呼吸を代わって貰ったりしなさい」
と書いてある。日本では市が予算をはたいて救急車を購入するのが流行りとな
ってきたが、その心肺停止の蘇生率は2%ぐらいという有様であった。なんと
非合理的「非効率的」な救急車であろうか。(今では勇気ある人プラスAEDと
なってよかった。)

 サンフランシスコでBARTという海底地下鉄に乗った時のこと、客車乗降
口の横に車いすに人が付いた絵と共に、「事故で停車して脱出する時は4人が
車椅子の四隅について椅子をひっくり返さないように降ろしなさい」と書いて
あった。何と具体的でわかりやすい表示方法か!

 アメリカ国内飛行機に乗ると非常口の所へキャビンアテンダントが来て英語
で話しかける。英語の判らぬ客だと席の入れ替えをしてしまい、事故時の対応
ができるようにしている。

 さて、会社定年退職後20年、去年10月ニューヨークへ一人旅をしなければな
らなくなった。頭の方もかなり老化して来たなと自覚するので、もともと図々
しい小生でもいささか心配になった。おまけに往復15万円という格安航空チケ
ットのためシカゴで入国、国内線乗り換えでケネディ空港でなくラガーディア
空港という小さな所が着陸地となってしまった。

 信州霧ヶ峰でグライダーを少し習った経験からすると、着陸まで高度200メ
ートル、あと1分であろうか、というところで機は急に右旋回、そして左旋回
! おかしな操縦をするなと思っていると傾いた機の左窓から自由の女神、そ
して有名なビル群が見えてきたではないか! 感激した。

 忘れかけている英語を絞り出す。降りるまでに間に合うかな? 中型機なの
で、ドアはなく厚めのカーテンを開いてパイロットが現れた。小生思い切って
言った。「日本から来た。このルートは初めてだ。素晴らしい観光フライトあ
りがとう」パイロットは右手を出しにこやかだ。小生にも一生の思い出になる
様な握手だった。

 それにしても、着陸寸前に天気を判断し管制塔の許可まで取ったであろう機
転は、さすがにアメリカの自由と合理性を思い知らされる一件となった。

=====================================================================  
      ■ 雪の研究に入って……その2 ■ 
----------------------------------------------------------------------
        佐藤 篤司(理学4S / 素粒子研究室 防災科学技術研究所 
            雪氷防災研究センター元センター長 長岡市在住) 
----------------------------------------------------------------------
        【 当メルマガ会報46号(2013-2014年冬号)のリレーコラムで
 ° Д。°。  「雪の研究」を書いていただいた佐藤さんに、その続編とも
 \(‥)/。  いうべきエッセイをお願いしました。たまたま、ことしは日
  (  )°。  本では普段雪が降らない地方で大雪がみられました。雪の究
        明は今後ますます必要とされようとしているようです。】

    ◆◇◆ 温暖化と雪 ◇◆◇

 今年の冬は南岸低気圧の襲来で関東、東北地方を中心に大規模な雪による被
害、「雪害」をもたらした。我が防災科学技術研究所・雪氷防災研究センター
では研究者総出で被害地域の調査や対策援助に出かけ、極めて多忙な冬となっ
た。

 私も群馬県で調査をしたが、積雪の量としては全く驚くにはほど遠いもので
あった。新潟の豪雪地帯で慣れている量に比べてのことである。普段、雪の多
くない地域に降る雪がこれほど深刻な雪害をもたらすことに改めて色々考えさ
せられる。
	 
 どうして豪雪は起こるのか。ましてや地球温暖化と叫ばれているのに、なぜ
こんなに寒くなるのか。雪の研究者なら気の利いた答えがあって当然と、多く
の質問が寄せられる。当惑してつらい思いをすることもまたわれわれにとって、
一種の「雪害」かもしれない。
	
 そもそも気象学の最先端研究者、技術者を抱える気象庁の長期予報がなかな
か当たらないのはなぜか。この辺に共通の答えがあるように思う。要するに気
象を含む地球の営みについて、われわれが理解し、予測できる事柄はまだまだ
わずかでしかないのである。

 今年の冬は北極の寒波が押し出してきた、と言われる。そして、その説明に
は偏西風の蛇行や北極震動、AO指数などがキーワードとして使われる。しかし、
いずれも後追いの解説であり、素人にも納得できるストーリーが語られるには、
未だ時間がかかるようである。

 地球を相手の科学で難しいのは、時間と空間のスケールが大きくて、われわ
れの知識があまりに貧弱なことである。例えば、計器による気温記録はたかだ
か2、3百年間しかなく、それもヨーロッパや北米の一部に限られる。北極や
南極、高山や砂漠などの人の住まない極地にはデータがないのである。そして、
それらの面積は膨大である。

 温暖化が広く話題になってきたのがおよそ二十年。この前の氷河期が二万年
前のことだから、現代の精密観測システムを用いた議論と地質年代の気候変動
の議論はしっくりかみ合わない、と感じてしまう。科学の進歩に重要な役割を
する実験ができないのも気候学ならではの悩みである。

 もっとも、研究者はただ指をくわえているだけではない。モデルを作り、進
歩の著しいコンピュータを用いた数値実験を新しい武器に果敢に挑戦している。
最近では氷床ー気候モデルにより過去の氷期、間氷期サイクルの再現に成功し
ており、気候変動メカニズムの理解へ進展している。

    ◆◇◆ アラスカでの研究開始 ◇◆◇ 

 地球温暖化がマスコミにも多く登場してきた頃、我が防災科学技術研究所も
身近な防災だけではなく、地球温暖化に取り組むべし、と言う政府方針となり、
気候モデルグループ、東南アジアグループそして北極グループを立ち上げるこ
ととなった。北極研究を開始するため真っ先に手を挙げて、研究プロジェクト
を立ち上げたのは言うまでもない。1990年代中頃である。

 そこで右も左も分からない、初めてのアラスカに単身乗り込んだ。全く面識
もなかったアラスカ大学地球物理学研究所所長の赤祖父先生にお会いし、研究
協力をお願いした。先生は即座に二人の教授を紹介して下さり、その一人とし
て雪氷の世界では極めて著名なベンソン教授が現れた。丁寧な応対で、アラス
カの雪や氷の研究の現状、自分はもう退官した身分の高齢であること、同じ分
野の若手研究者を紹介したいことなどを淡々と話された。

 最後になって、私の方から北海道大学の若浜先生の弟子であり、ベンソン先
生のことは学生の頃から話に聞いていたことを話した。すると突然、先生の目
が輝き、どうして早く言わないのかと大いに叱られた。そして、うまいサンド
イッチ屋があると町に連れ出してくれた。

 さらに先生は夜はどうか、妻が本土の子供のところに行っているから夕飯も
付き合おうと、地獄での天使、いや異国に突然現れた恩師のような人となった。

 翌日、アラスカの積雪を観察したいと言うと、俺の家の庭でどうだ、久しぶ
りに日本人の繊細な積雪断面観測を見てみたいとのこと。試験で緊張したこと
は多いが、雪の穴掘りで緊張したのは初めてであった。積雪の下の方には降雪
結晶が霜に変化した「霜ざらめ雪」がどっさり、その巨大さはカナダの北端イ
ヌービック、中国の天山山脈、コロラドの山で見た結晶を思い出させた。

 いよいよ帰国の日、空港まで送ってもらったが、そこで一人の日本人を紹介
された。彼は長くアラスカに住み着き、自然を撮っているカメラマンとのこと
であった。あいさつの言葉を交わすと、彼は早々と機内へと消えていった。多
くのアメリカ人と異なり、なんて愛想の少ない人なんだろうと寂しさをそのと
きは感じた。でも日本人同士ならこうなんだとも思った。

 数ヶ月後、ロシア・カムチャッカでヒグマによる事故で亡くなったカメラマ
ンのことが報道された。あのときのあの人が、撮影旅行に出かける星野道夫さ
んだったのだ。はにかむような笑顔を残して、言葉少なに去った人。純粋な日
本人だったんだと思う。彼の残した素晴らしい写真集を見るたびに、あのとき
のほのかな笑顔を思い出す。ちょうど20年も前の出来事である。

    ◆◇◆ 吹雪のカーテンの間に雪女 ◇◆◇ 

 真冬のアラスカでの出来事である。イヌイットの人たちが住む小さな町バロ
ー、そこから細い半島が北極海に延び出した先端のポイント・バローが舞台で
ある。この半島の西側は海、東側はラグーンという浅い塩湖が星の数ほど点在
し、その周りは広大な湿地帯になっている。しかし、冬はすべてが凍り付き、
表面は白い雪に覆われる。識別できるのは天と地の二種類だけである。
	
 町の外はかわいらしくて、とても危ない北極グマが徘徊するので、ハンター
兼スノーモービルの運転手を地元イヌイットにお願いした。大型スノーモービ
ルにソリをつないで分乗し、一つのラグーンで、海氷の厚さやその上の積雪の
構造などを調べることにした。

 さて、夕刻が近づくと晴れ上がっていた空模様がだんだん怪しくなってきた。
急いで作業を終え、スノーモービルに分乗して帰路についた。瞬く間に風が強
くなり、雪も降り出し、猛吹雪となった。天と地の境目がなくなり、白一色の
世界。しかし、地理は単純、まっすぐ西へ走ればバローの町へ通じる道路に突
き当たるはずだった。私は先頭のスノーモービルの後部座席に乗り、道路は未
だかと必死に前方を見つめていた。

 黒い空には白い雪のカーテンが幾重にも強風で舞い踊り、遠近感、上下感覚
さえもおかしくする。そんな白いカーテンの間に、女の姿が見え隠れしている。
白く長い着物を着て、長い黒髪を大きくなびかせて踊っている。スノーモービ
ルは「彼女」を必死に追いかける。

 何分経っただろうか、道路が見えてこない。遭難という文字が頭をよぎった。
そして、やがて気付いた。同じところを走って大きな円運動をしているではな
いか! 地元のベテランといえど、もう任せっきりにはできない。進行方向が
西を向いたと思うころ、強引に左に舵を切るよう指示した。見えた見えた、す
ぐに命の道路が現れた。助かったのだ。

 イヌイットの彼も吹雪のカーテンの間に雪女を見ていたに違いない。そして、
彼の雪女はどんな姿をしていたのだろう。今となっては確かめられないことが
惜しまれる。

    ◆◇◆ フィンランドでの研究 ◇◆◇ 

 北緯69度45分、フィンランド北極観測基地の位置である。真冬の二ヶ月間は
太陽が出ない。オーロラが数少ない楽しみである。ここでの冬は暖かい日にな
ると雪が降り出し、寒くなるとやんでしまう。また、雪は非常に細かく、固体
の霧のようにゆっくりと、絶え間なく降り積もる。日本の冬は寒い季節風が来
てドサリと大雪をもたらすが、降雪の様相はだいぶ異なる。

 1990年代中頃、フィンランドのトゥルク大学の研究所があるこの基地に、わ
れわれの観測機器を置かせて貰いたいと交渉に訪れた。所長であるN教授に研
究目的や内容、費用負担などを一生懸命説明した。

 しかし、彼の表情に全く変化が現れない。一言も返事がない。一時間近くた
っただろうか、話すのにほとほと疲れてしまうと、彼は突然スッーと席を外し
た。同行して貰った上司に言った。はるばるフィンランドの最北端まで来て頂
いたのに残念です。明日は早々に日本に帰りましょう、と。

 ところが、しばらくして戻ったN教授は大量の書類を抱えていた。技官の労
働時間、時間単価がどうの、と説明を始めたではないか。そうか、許可してく
れたのだ。なんと無口な奥ゆかしい人なんだろう、とあきれてしまった。そう
いえば日本でも北国の人間は口が重い。万国共通なのだ。しかし、気持ちが通
じれば人間皆同じ。今は良い友人である。

 温暖化の影響はこの地でも大きい。観測地周辺ではおまんじゅうのような大
きな岩山が連なり、木々はその谷間や川沿いにしか存在しない。N教授による
と木の害虫は冬の寒さで死滅するため、谷間に冷気のたまることが重要である。
最近の温暖化で害虫が死なず、固有の木々が枯れ始めている、とのことである。
寒いと言うことも大事なのである。

 ところで、フィンランドはIT産業の先進国、特に携帯電話ノキアは世界シェ
アのトップを当時独走していた。世界一の携帯電話の国と口数の少ない人々と
の組み合わせは何とも不思議であった。そこで口の悪いアメリカの友人いわく、
彼らは携帯でしか会話しないんじゃないのか。研究協力も携帯で頼めば、一、
二分・・・!
                               【 以下次号 】

======================================================================
 □■□□■□ 2014年春 卒業生・修了生の進路状況 □■□
----------------------------------------------------------------------
 ■ 学部卒業生/32名 →進学14名 →就職14名 →その他4名
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《進学先》
信州大学大学院理工学系研究科修士課程(11)、東京工業大学大学院
(1)、東北大学大学院(1)、他1名
《就職先》 
○公務員(6): 国家公務員(2)…防衛省自衛隊、福岡国税局
        地方公務員(1)…新潟県(警察)、
            教員(3)…東海学園、山梨県教育委員会、愛知県教育委員会
○民 間(8):東京インテリア家具、キッセイコムテック(株) 他
----------------------------------------------------------------------
 ■ 大学院修士課程修了生/20名 →進学6 →就職10名 →その他4名
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《進学先》
信州大学大学院総合工学系研究科博士課程(4)、総合研究大学院 (2)
《就職先》
○公務員(1): 教員(1)・・・日本福祉大学付属高等学校
○民 間(9):(株)ソニー(2名) 他
----------------------------------------------------------------------
 ここ4年の学卒生の進学者は18名→23名→19名→14名と推移し、一方で就職
者は12名→4名→12名→14名となり、逆相関関係にある。就職難から大学院に
一時避難(?)したとみられる一昨年から回復傾向にあり、ことしは両者が同数
となった。進学先として信大大学院へ進んだ者は11名となり例年と変わらない
が、他大学の大学院に進んだ者が3名しかなく激減しているのが特徴。就職先
としては公務員が根強かったようだ。

======================================================================
 □■□□■□ ┃新┃入┃学┃生┃か┃ら┃の┃声(メッセージ) □■□
        ┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━┗━
----------------------------------------------------------------------
 【ことし入学した方から、現在の心境と抱負などを伝えてもらいました。
  どんな「通過点」を過ごしているか、新鮮な声に耳を傾けてみましょう。】
----------------------------------------------------------------------
 ■  信州大学に入学して  *  *  *  *  * * * *  /@) ⊃\/|
                ◎ 奥谷 椋一 (理学*14S)    > ⊃⊃/\|
----------------------------------------------------------------------
 信州大学に入学が決まった時、私はとても喜んだのと同時に複雑な思いも持
ち合わせていた。というのも、信州大学は私の第一志望ではなかったからだ。
はじめはそのような気持ちであったが、現在では信州大学に入学できてよかっ
たと考えている。私にとって信州大学の学びに対する環境はとても適している。

 講義で教えられたことに対して毎週複数のレポート課題が出てくるというの
は一見大変なことのように思われるが、私の所属している理学部では大学院生
の先輩方が大学生の私たちに分からないことについて教えてくれる時間が設け
られており、さらに友達同士で勉強し合えるスペースも校内に幾つかあるため、
分からないことを一人でいつまでも抱え込まないようになっている。

 勿論、一人で学習することも多いのだが、こうした環境のおかげで私は大学
での勉強を苦に感じることなく伸び伸びとできている。

 また、一年生で履修することができる一般教養科目も魅力的だ。私は理学部
に所属しているが高校生のときに学習した倫理にも大変興味がある。倫理では
主に哲学を扱うが、理学部では当然その分野は扱わない。しかし、信州大学の
一般教養科目では幅広い知識を獲得することを理念としており、私は「哲学者
たちの智恵〜人生を生きる〜」を受講することで哲学を学べている。

 一つの分野を集中して学ぶだけでなく、多くの分野を学ぶことは自分の可能
性をより広げることに繋がると思うし、私自身哲学を学ぶことで新しい考え方
もできるようになった。

 さらに信州大学は生徒と教授の距離がとても近いように感じられる。大学に
入学してくる生徒はその大学で行っている研究に興味をもっていることが多い
ものの、研究室訪問のアポイントメントをとることは緊張するし、難しいこと
だと思う。しかし、物理科学科のゼミナールでは各研究室を数十分見学し、研
究室訪問のアポイントメントをとりやすくしてくれた。そのおかげで後日私は、
入学する前から興味があった宇宙線実験研究室を訪問し、教授から話を伺う機
会を得ることができた。

 以上のような学びに対する素晴らしい環境は、学習に対する意欲を向上させ、
将来をより豊かなものにさせてくれると思う。私は信州大学生であることを誇
りに思いながら四年間過ごしていきたい。

======================================================================
 ○●○●○ 『信州大学校友会』設立後の動き ○●○●○
━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥━…‥‥
        【 さまざまな議論の末、信州大学長を会長とする『信州大学
 ∴\∨/∴    校友会』が本年3月に設立され発足しました。まだまだ内容
 −>*<−  がよく知られていませんので、何を目指し、どのような組織
 ∵/∧\∵  形態なのか、担当部署である、信州大学研究推進部・産官学
  ∵│∵   地域連携課の担当者から、現状の報告をお願いしました。】

   1)どのような組織なのか(呼びかけを含む)
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「信州大学校友会」は、信州大学と卒業生・修了生、在学生、元教職員、教職
員、課外活動団体及び各同窓会といった本学関係者の皆様との連携強化(交流
促進、相互支援、最新情報共有化など)や校友相互の交流を促進、校友組織の
充実を図ることを目的として平成26年3月1日に立ち上げられた「交流の場」で
す。 

 A図※のように校友(信大関係者)が皆繋がり、様々な交流(後輩との交流、
卒業生との交流など)が可能になります。旧友同士のみでなく、例えば、「O
B・OGと在学生」といったような世代を越えての交流や「○○学部の卒業生
と○○学部の卒業生」といったような学部間の交流も盛んとなり、繋がりが広
まっていくことを願っております。大学からも積極的に情報を発信し、皆様か
らのご意見をいただきながら、皆様と大学が共に発展していけるよう、「校友
会」を築き上げてまいります。
 註:※A図 → http://www.supaa.com/im/koyukaiA.jpg

   2)現状はどうなのか
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 8月3日(日)に松本キャンパス内にて校友会設立記念イベントおよび第1
回校友会理事会を開催すべく、運営委員会にて各種審議を行っておりますが、
それに先立ち、校友会員の募集、メールマガジンの配信等を実施し校友会設立
の周知をしております。
 設立記念イベントに関しては以下よりお申込いただけますので、ぜひこの機
会にお申込をお願いいたします。
 http://koyukai.shinshu-u.ac.jp/news/140701-1.html

   ■応募対象者

 また、各種団体(各種同窓団体や課外活動団体等)へも案内を開始し、団体
会員として登録いただいた団体の皆様には、メールマガジンの配信を行ったり、
団体のイベント案内等をメールマガジンや校友会HPにて発信したりするなど、
連携協力を始めております。

   3)将来はどのようになるのか
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 将来は、現在の役員構成の他にB図※にありますように、イベントの企画や
広報戦略などを検討する専門部会をつくっていきたいと考えております。また、
各学部同窓会と連携協力して各学部ホームカミングデーの実施協力や支部校友
会の設置などを検討していきます。
 註:※B図 → http://www.supaa.com/im/koyukaiB.jpg

   4) 校友会員になるためには
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 下記フォームより必要事項の入力をお願いします。
  → https://fundexapp.jp/shinshu-u/privacypolicy.htm
 
 不明な点は校友会事務局まで
  → koyukai@shinshu-u.ac.jp

======================================================================
 ┃イ┃ベ┃ン┃ト ┃ご┃案┃内
 ┗━┗━┗━┗━ ┗━┗━┗━
----------------------------------------------------------------------
 ◎青少年のための科学の祭典 2014 松本大会
----------------------------------------------------------------------
■ 日時:2014年 8月9日(土)、8月4 日(日) 10:00〜16:00
■ 会場:信州大学理学部 (松本市旭3-1-1) TEL:0263-37-3142
■ 対象: 幼児、小学生、中学生、高校生、一般
■ 参加費:無料 事前予約不要
■ 持ち物:好奇心
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 感じてみよう! 科学のふしぎ             〜〜〜〜〜
理科や数学に関するさまざまな展示や科学実験、科学工   \______/
作をとおして、科学のふしぎを五感で感じてみよう!    /   \、
 この科学の祭典は「青少年のための…」となっていま   o。 _/}  ,\
すが、子供から大人まで楽しんでいただけるイベントで   <')_><{ l
す。たくさんの皆さんのご来場をお待ちしています。     \ `  `/

     『青少年のための科学の祭典 松本大会』実行委員会事務局
     〒390-8621 松本市旭3-1-1 信州大学理学部 竹下 徹
   詳しくは:http://science.shinshu-u.ac.jp/~shizen/2014/index.html

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ┃T┃O┃P┃I┃C┃S┃ 
   ┗━┗━┗━┗━┗━┗━  
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
     ┃今┃春┃信┃大┃志┃願┃者┃┃1800┃人┃も┃増┃加┃の┃人┃気┃
      
   ◎ 松本大学予備校と河合塾は16日、松本市本庄1のホテルブエナビス
   タで、中南信地域の高校教諭らを対象にした第1回大学入試情報分析報
   告会を開いた。受験生約42万人のデータを基に、平成26年春の志望動向
   の分析などを報告した。
    国公立の志願者は、昨年よりも約5000人少ない約26万3000人だった一
   方、信州大学の志願者は前期後期合わせて前年を約1800人上回る人気だ
   ったことが報告された。特に医学部医学科の志願者増加が顕著で、これ
   まで数学だけだった2次試験の科目に英語が加わり、受験がしやすくな
   ったことなどが要因として説明された。
    今春、県内から信大に入学した学生は579人で、全体の28.1%と平成
   17年以来の低さとなった。松本大学予備校の一之瀬博副校長は「近隣県
   出身者の入学者が増えている。県内の生徒たちには厳しい状況だった」
   と話した。       (市民タイムス・2014年6月18日 より抜粋)

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ┃信┃州┃ベ┃ン┃チ┃ャ┃ー┃コ┃ン┃テ┃ス┃ト┃2014┃

   ◎ 信州大学SVBLが、これまで学内で実施してきたベンチャーコンテス
   トを拡大発展させ、長野県、県内の大学、高専およびベンチャーサポー
   ト団体が協力し合って「信州ベンチャーコンテスト2014」を開催するこ
   とになりました。「信州を元気にする」新規ビジネスアイディア・プラ
   ンを、一般・大学生・高校生の幅広い層から募集しています。
   ■募集内容
   長野県内の地域課題を解決するための新規ビジネスアイディアやプラン
   長野県の既存の産業を活性化する新規ビジネスアイディアやプラン
   長野県内で展開する新規産業についてのビジネスアイディアやプラン
   ■応募対象者
   ▼一般部門:@長野県内在住者で、これから創業しようとする者、また
   は応募時点で創業後1年未満の事業者 A県外在住者で、これから長野
   県内での創業を計画している者
   ▼大学生部門:長野県内の短期大学・大学・大学院等の学生、工業高等
   専門学校(4-5 年生および専攻科)、専修学校などに在籍中で、かつ30 
   歳未満の者
   ▼高校生部門長野県内の高等学校に在学中、または長野県内に居住する
   高校生
   ■応募締切 8月29日 
   ■公開プレゼンテーション 10月4日・信州大学松本キャンパス
    詳しくは:http://shinshuvc.wpblog.jp/

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
      ┃奨┃学┃金┃を┃返┃済┃で┃き┃な┃い┃人┃が┃急┃増┃!┃
      
   ◎ 奨学金には給付(返還免除)と貸与(要返還)の2タイプあるが、
      日本の場合はほとんど貸与である。借入先別では、日本学生支援機構が
      最も多く、借りている大学昼間部生の9割近くだが、2012年の時点で、
   返還延滞者は約33万人にも上る。延滞すると年利5%(昨年までは10%)
   の延滞金が発生する。3か月以上延滞者のうち、83.4%が年収300万円
   未満で、46%が非正規または無職という。
    一方、奨学金制度を「金融事業」と位置づける支援機構の回収政策は
   強化され、まず延滞1〜3か月間では電話や書面で本人および保証人へ
   督促が始まり、職場にも連絡が来る。併せてサービサーと呼ばれる債権
   回収業者への回収移行、個人信用情報機関(いわゆるブラックリスト)
   への登録が予告される。
    4か月を過ぎると、支援機構は回収をサービサーに委託、9か月を過
   ぎると、ほぼ自動的に裁判所に支払督促申し立てを行う。機構による債
   券回収は執拗で、借り手の生活状況はほとんど考慮されることがないと
   言われ、支払督促の申立件数が2004年のわずか 200 件から 2011年には
   1万件と、この7年間で50倍に拡大した。
    2012年度の数字では、無利子貸与者が約38万人であるのに対して、有
   利子貸与者は約96万人となっている。無利子枠は学業成績と家庭の経済
   状況から厳しく審査されるのではじかれることが多く、結果として有利
   子枠が圧倒的に多くなってしまう。
    欧米に見られように、卒業後の生活状況に応じて返済額を決めていく
   やり方を導入することも考えられるだろう。そして、最終的には給付型
   奨学金の導入であろう。大学の授業料が有償で、しかも給付型奨学金制
   度が基本的にないのは、先進国で日本だけだと言われている。     
           (安田教育研究所「ビジョナリー8・9月号」より抜粋)

=====================================================================  
   〔 信州大学物理同窓会(メルマガ)会報リレーコラム・第7回 〕
----------------------------------------------------------------------
     ■ 物理卒後のことなど ■ 
----------------------------------------------------------------------
  西澤 誠二(理学11S / 素粒子研究室 市立西宮高等学校 大阪在住) 
----------------------------------------------------------------------
 _===_    1980年3月に物理学科を卒業し、松本を離れて34年になります。
  ( ^^)   4年時には、宮地先生、高尾先生に場の量子論のゼミでお世話に
 o-o-))   なりました。その後、広島の修士、大阪の博士課程を経て近くの 
       高等学校に職を得、以来ずっと大坂に在住しています。 

    [ お世話になった下宿は当時のまま ]

 しばらくは松本の街を訪れる機会はありませんでしたが、DCの頃一度松本駅
に降り立った際、寺沢さんが近くの飲み屋まで出てきて下さり、研究のことや、
よもやま話をして下さったことは懐かしい思い出です。

 ここ数年は、家族で白馬方面にスキーに来たり、松本での物理会に寄せても
らい、昔下宿していた浅間温泉などにも宿泊する機会が増えました。(お世話
になった下宿は当時のまま今もあります。専門書などを買った本屋:大学のす
ぐ横のー名前は忘れたーと鶴林堂がなくなったのは寂しい)。学生時代を過ご
した街を、年月を経て訪れるのはいいものです。

 同窓会では、OB、OGの人達の講演や、先輩、後輩、そしてすっかりお年を召
された先生方(こちらもですが)との交流を楽しみにしています。広島時代に
も、一緒だった先輩、後輩とも再会でき、また現在、京大の付属天文台のNPO
の活動団体(天文同好会)に入っているのですが、先輩の赤羽さんがここの天
文台に勤務しておられたと伺い、いろいろな所で人と人のつながりがあるもの
だと、同窓会の良さを感じるこのごろです。

 物理の同期では、前回、ニュートリノの話しをしてくれ、名古屋で活躍中の
中村君をはじめ、ドイツでバイオリンをやっているK君、外資の企業に入り、
海外在住のO君とは、国内外で交流を続けています。前年の松本での同窓会で
二十数年ぶりに再会したT君とは、その後大坂でも、重力に関する講演会で顔
を合わせ、わが家のすぐ近くで大学の講師もしている等、互いの近況など話を
することができました。

    [ 歳をとると同窓生への感慨が…… ]

 若い頃は、いわゆる同窓会の類には、殆ど興味を持っていませんでしたが、
あと少しで定年に手が届くような年齢になると、「あの時代の友人はどうして
いるのかなあ」などと、時に感慨がわきます。(もっとも年金支給が年々後に
ずれ、まだまだ働かなくてはならないようですが)。

 ところで、最近の会報を見ていると、物理学科でも「就職支援のセミナー」
のようなものが学生さんのために開催されているようです。我々の頃は概して
そのようなことに対してのんびり構えていて、世俗のことはあまり考えずに、
学問や自分の好きなことに没頭していた人が多かったと思います。

 理学部は、外に対してオープンで、社会との連携もしっかりとりつつ、あく
までもアカデミックな雰囲気を持ち続けてほしいと思います。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
======================================================================
 <再掲>■「同窓会費」は終身会費として1万円。『会計細則』決まる!■
----------------------------------------------------------------------
 1.同窓会費は終身会費として1万円とする。一括払いを原則とするが、本
 人からの申し出があった場合は事務局長が分割払いを認めることができる。

 2.事務局長名で金融機関に同窓会の口座を設ける。事務局長が通帳・印鑑
 を 管理する。会計担当がカードを管理して口座からの出し入れなどを行う。
 
 3.在校生からの同窓会費徴収は、事務局が徴収日を決めて実施する。徴収
 後、在校生の会費支払い者リストは、すみやかに会長ほか、会計担当および
 関連事務局員に伝達する。

 4.金融機関への振込み手数料は会員の負担とする。

 5.会計担当は、年1回開催する総会を利用したり、メールで呼びかけたり
 して、 卒業生からの会費徴収に勤める。

 6.毎年開催の同窓会総会における参加費の徴集など会計管理については、
 その年の幹事が担当し、事務局が補佐する。必要経費は事務局から事前に仮
 払いのかたちで支出できる。幹事は開催後しかるべく早く収支を事務局に報
 告し清算する。 

 7.会計年度を4月から翌年3月とする。           ┳ξ
 会計はすみやかに決算報告を作成                  ●●●
 して会計監査担当から監査を受ける。               ●●
                                                  ●
 8.本細則の改正は総会で行う。
            ┏━┳━┳━┳━┓
 ▼下記いずれかの口座に┃同┃窓┃会┃費┃のお振込みをお願いします!
            ┗━┻━┻━┻━┛
 ------------------------------------------------------------------
  ◆郵便局の場合/通常郵便貯金 
  記号:11150 番号:20343411
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1

  ◆銀行の場合/八十二銀行 信州大学前支店
  店番号:421 普通預金 口座番号:650215  
  口座名義:信大物理同窓会 代表者 武田三男(たけだみつお)
  住所:390-8621 松本市旭3-1-1
           
 ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄ ◎編集後記◎/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄/ ̄

●・・5月24日朝、宮地先生と松本駅で待ち合わせ、9時54分発「あずさ12号」
 でお隣の席で東京まで同乗させていただいた。当会17回総会に卒寿を迎えら
 れた先生と同行するよう仰せつかり、喜んでその任に当たらせていただいた。
 先生の記憶力は抜群で、言葉の端々に深い教養と洞察力がうかがえ、まさに
 師と隣合せの至福の3時間だった。車中で雑誌を開かれたので、何かと覗く
 と碁の上級者向けのもの。頭の回転を維持するのに役立っているのかな?
●・・その宮地先生のおいたちを取材した連載が地方紙「松本平タウン情報」
 で始まった。人気記事『私の半生』で、7/24日版で連載の12回目。ちょうど
 信州大学文理学部に赴任したときの様子が書かれている。毎回、楽しみだ。
       ●・・今号のトピックスでも紹介したが、受験生たちの間で、
  /\ ☆   信州大学の人気が高まっているらしい。特に医学部の後期試
 │○│     験は30倍を超える応募に達したとのこと。少子化で大学受験
 │ │      生が減り続けるなかでの逆行現象。全学の集計で、昨年比で
/| |\    1800人も増加したという。その理由については、様々な憶測
 ̄ ̄ ̄ ̄     が飛び交っているが、決定的なことは不明。医学部について
 ||||      は、卒業生で同大学病院勤務の夏川草介(PN)さんの小説「神
        様のカルテ」のヒットとその映画化が思い浮かぶ。このとこ
 ろ、松本自体が観光地として注目が高まっている。夏川さんは大阪生まれだ
 が、ひとつの才能が信州に出会ったことによる波及効果といえそう。(MT) 
----------------------------------------------------------------------
○・・去る5月24日(土)に、第17回物理同窓会が東京に於いて行われました。
 宮地先生をはじめ総数28名の参加者があり、無事終りほっとしているところ
 です。担当幹事の方々にお礼申し上げます。
○・・この総会の総合報告が若手幹事の武原さん(22S)からされております。
 開催に至るまでの裏の苦労話と三上氏講演の内容が要領よくまとめられてお
 ります。三上氏講演の難解な内容がイメージ図で図解されて理解の参考にな
 ります。ユニークな報告を有り難く思います。
○・・平林先輩(文理6回生80歳)に、当時の就職先での奮闘記を寄稿して頂
 きました。先進国アメリカに赴き、その合理的な文化・風土に触れたカルチ
 ャー・ショックを、様々な例をもって紹介されております。ほぼ同年代の者
 として共感を覚えます。これから就職される若い方々、或いは既に仕事を始
 められている方々のこれからの指針になればと思っております。   (MM)     
===================================
■ MAILMAGAZINE BULLETIN 『信大物理同窓会報』0049号(2014年夏号) ■
□ 2014年7月26日  編集・発行/信大物理同窓会事務局
《編集委員》松原正樹(文理10) 藤惇(2S) 渡辺規夫(4S) 太平博久(6S)
□編集長:藤 惇 □ 発行人:根建 恭典
■当会報のWEBでの閲覧サイト: (http://www.supaa.com/kaiho/index.html)

             ┌──┐  (http://www.supaa.com/)
               │\/│ (info@supaa.com/) (makoto@insatell.co.jp)
             └──┘     
            ___________________________________________________
      (C)信州大学物理同窓会事務局 無断複製・転載を禁ず
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




●「信州大学物理同窓会」事務局●

◎ご質問・ご連絡はメールまで